「・・・お久しぶりです、二人とも。すみません、わざわざこちらに来ていただいて・・・」
「いえ・・・むしろイオン様達に付いていかなかった私の方がすみません・・・」
「気にしないでください、アニス・・・ガイはどうでしたか、このグランコクマでの生活は？」
「あぁ、とても良くしてもらっていたが・・・やっぱり間があるとどうしても考えてしまっていたんだ・・・そちらの事をな・・・」
「そうなんですか・・・」
それでイオンがメンバーを代表するように二人に話し掛け、どうにも晴れない表情の二人に表情を固くする。
「・・・二人は今回、ここに行ってほしいと言われた理由について聞いていますか？」
「あぁ・・・話では落ち着いてきたからそろそろ戻ってもいい状況になりつつあるから、イオン達とどうするか話してくるようにと言われたんだが・・・その様子だとまだ何かあるのか？」
「はい・・・と言ってもどう言っていいものか、少し悩むのですが・・・」
「では私が代わりに説明しましょう、導師」
「ヒューバートさん・・・お願いします」
それでも意を決して話を進めようとするイオンだが、悩む姿にヒューバートから気遣われたようにバトンタッチを申し出され頭を下げる。
「さて・・・確かにそちらが聞いたように今の状況としては二人が戻っても問題は少なくなってはいます。ですがそれらの問題を解決していったと同時に、一般人にはまず話せない・・・話してはいけない機密事項とも言えることを僕達は起こしてきました。ですがそれらを知るかどうかは、貴殿方次第です」
「・・・どういうことなんだ？」
「重ね重ね言いますが、僕達が起こしてきたことはそれこそ全世界に知られれば大問題どころの話ではない機密事項になります。その点で二人が付いてくるなら、これからの事を考えればその機密事項についてを知っていただいた方が話を進めやすくなりますし、唐突にその事を知ってしまった場合の動揺を避けるという意味でも有効な物になります・・・ですがそれらについて知ってしまったなら、もう貴殿方は引き返せません。その事実を知ったから怖じ気づいて逃げるか、もしくは真実を誰かに話すと言ったことすら許されるような物ではないのです」
「・・・それは少し、言い過ぎじゃないのか？」
「いいえ、少なくとも話をしてはならないというのは間違ってはいません。現にルークさん達もその事は理解した上でこちらにいて、二人が付いて来ないと言うなら絶対に話さないと言う覚悟を持たれています」
「・・・そうなのか、ルーク？」
「あぁ・・・冗談でだってこんなもん言えるような事じゃねぇ。だから俺は今まで起こったことについて、お前が付いてくる気がないならもし全部無事に終わったとしてもこれから何を言われたって話す気はない・・・そんだけの事なんだよ、ホントに・・・」
「っ・・・そう、なのか・・・」
そのままヒューバートはいかにこれまでの経緯が人目に晒してはならない物なのかの危険性を語るが、イマイチ信じきれてない様子のガイにルークの方へと話題を振る。それでルークが真剣でいて苦く表情を歪めながら肯定を返すと、疑っていたガイも流石にいつもの様子で冗談だと受け取れずに納得するしかない。
「どうやらそれだけの物であるということはお分かりいただけたようですね・・・まぁ逃げ出してはならないというのは確かに言い過ぎたかもしれませんが、事実を知った上でそれこそ逃げ出すと言ったような下手な事をすれば貴殿方はその事実を広めて事態の混迷を招くのではないか・・・そう言った見られ方をしてもおかしくはないということです」
「「っ・・・！」」
ヒューバートはそんなガイに更に聞いた上で逃げることは勧めないと端から聞けば遠回りで意地の悪いように言い、二人に息を呑ませる。興味本意で聞くべき事ではないのだと理解させる形にして。








．