激動の前の人々の心の動き

「そういうことなら話を二人に通してもいいだろうが、導師は何故そんなに乗り気では無さそうな声でこちらにその事を切り出したのだ?今なら大丈夫と言うなら、胸を張って話をしても大丈夫だろうに」
「いえ・・・確かに身の危険という意味では大丈夫ではあるのかもしれませんが、今戻るなら知らなくてもよかったことを知ることになるのではないか・・・そう言った話題も出てきたんです。今まで私達が見聞きしてきた行動を二人が知ったなら、少なからず人には口に出来ない事もありますから・・・それに彼らを戻すにしても本意であるかどうか確認しないと、無理強いになりますし・・・」
「・・・そういうことか。確かに無配慮に話を一方的にしても良くはないな、そう考えれば」
ピオニーはそこでイオンは話をするべきと断言しなかったことに追求すると、意味深でいて慎重を期するような様子で返す姿に重く受け止める・・・ハッキリと言葉にしないのはモースの事を始めとした。他にはあまり聞かれてはならない事実を口にするのを避ける為に。



(・・・この辺りはジュディス達がイオン達に進言したから慎重になる感じになったんだろうけど、確かに気持ちは分かるな・・・アニスはまだしも、ガイはガルディオスに復讐の件があるから下手な事をする訳にはいかないだろうし・・・)
そんな会話を聞きながらルークは一人内心で考える。イオンが今話した中身はジュディス達の懸念であってその大半はガイの事であると。
(問題は今ガイがどんな風な事を考えてグランコクマにいるかどうかだけど・・・俺達に単に付いてくるってだけなら、俺だってガイの事を歓迎はしたい。けどもしガイが復讐をする事を選択しかねないような考えを今もまだ持ってるんだとしたら、素直に歓迎は出来ない・・・俺だけじゃなくアッシュに父上達まで危機に晒される可能性があるから・・・)
そしてその懸念とはやはりガイの復讐に対する姿勢への不安だとルークは考える。
「・・・まぁとりあえず、だ。キムラスカからの返答が来るまでまだ数日は時間がかかる。だから今日は部屋をまた用意させ二人をそちらに向かわせるようにするからお前達で話をしてくれ。旅の中で起きたことの中身について触れないように危険性だけをうまく告げた上で付いてくるかどうか、すぐにではなくその数日内に決めるようにと言う形にしてな」
「分かりました・・・少し難しいとは思いますが、話はしようと思います」
(・・・一応まだ考える時間についてをピオニー陛下は与えてはいるけど、その数日の内にガイについてどうするか決めないといけないな・・・もしガイが復讐を諦めてくれた上でマルクトに残るって言うんならそれでいいとは思うけど、そうじゃないんならどうにかしなきゃならないな・・・!)
その中で説明と考える時間を設けるとするピオニーと頷くイオンの会話を聞いて、ルークは考える。ガイの事を真剣にどうにかしようと。



(あぁ・・・もうそろそろ二人との会話の時間が来てしまう・・・アニスはいいにしても、本当にガイはどうすればいいの・・・復讐を諦めさせた上で私達に付いてくるようにしてもらうようにするには・・・!?)
その一方でティアは必死に頭を回転させていた、船の上で話をされた時からこの数日悩みに悩んでいた状況が来たことに。だが結局この数日で良案など出てくることがなかった事から、今のティアには全く余裕などなかった・・・それこそ周りに気を回すことなど出来ない程の精神状態になるほどに・・・












・・・それで話を終えて謁見の間を出たルーク達は用意された部屋の内の一つに集まって、二人が来るのを待機する。そして程無くして、二人がその部屋に入ってきた。











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