心は揺れ動く、良くも悪くも

・・・それでルーク達はロイド達の元に戻り、穏やかな時間を過ごした。そんな時間を過ごすこと数日後、ルーク達はザオ遺跡に来た。









(・・・ローレライから連絡が来ないな・・・まだ何かあんのか、そうしない理由が・・・?)
ミュウのソーサラーリングのパワーアップも済んでダアト式封呪の扉も無くなっていてセフィロトにも問題なく入れたルーク達・・・操作板の前に来たルークは操作をしていくクレス達の様子を尻目にローレライに集中しようとするが、全く通信が来ないことに内心で首を傾げる。
「・・・終わったよ、ルーク。戻ろうか」
「・・・あぁ、終わったんならな(・・・まぁセフィロトに行けば絶対にローレライから通信が来るって訳じゃないし、船の上で通信が来たこともあるし気長に待つか・・・)」
それでクレスが笑顔で終わりと戻ることを告げたことに、ルークは気持ちを内心で切り替えながら頷く。来ないものは仕方ないとしながら・・・


















・・・その一方、ティア達に場面は移る。



「・・・これで、一先ずは大丈夫ですか?トリトハイム」
「はい・・・大詠師の死による混乱も大方収まってきましたし、我々もまた落ち着けました・・・まさか預言の中身が戦争を詠まれた物であって、外殻大地が落ちると共に謡将達が話に聞いたような事をしていたとは思っていませんでしたが・・・」
「ですがそれは事実です。だからこそ今ダアトがやるべき事は無理に預言だからと預言を強行するのではなく、むしろキムラスカとマルクトの仲を取り持つ事なんです。世界自体が危機に陥るのを防ぐために」
「えぇ・・・大詠師がいない今となっては慎重に行動する必要があるでしょうからね。ただそう言ったことを考えると、大詠師がいたならこの話を聞いても素直に頷いきキムラスカに協力するよう働き掛けたとしても、うまくいったならその後ですぐに戦争を起こせばいいとキムラスカに言って動くでしょう・・・そう考えたなら不謹慎な事を言いますが、大詠師がいなくてよかったと言えます・・・」
「っ・・・否定出来ないのは、辛いですね・・・」
導師の執務室に来たトリトハイムを相手にして会話をするイオンだが、表情を歪めモースの事を言われたことにつられて表情を歪める。



・・・この数日、イオンはダアトに戻ってトリトハイムを始めとした詠師達と共に混乱の様子が色濃く残る状態を収める為に奮闘していた。その甲斐あってダアトの人々の不安に混乱は目に見えて無くなっていった・・・少なくとも表向きはではあるが。

ただイオン達もその事についてはまだ表面上だけでのこととは分かってはいるが、それでも状況がマシになったことでイオン達はそろそろグランコクマに戻ることにしたのだ。

・・・ただそこでモースの名をトリトハイムが出してイオンも否定出来なかった。モースがいたならまずすんなりと事態をまとめることは出来なかっただろうということは。

おそらくモースが今も生きていたなら、流石に外殻大地の状況が状況な為にいかなモースでも和平を成功させるしかないとなるだろうが、その後となれば確実にモースが預言に詠まれた戦争の為に行動を起こすだろうということは二人にも予測出来た。そしてそれを止めることはモースの我の強さから考えて、難しい物になっていただろうとも。

だからこそ苦い想いを感じながらも否定出来なかったのだ。モースがいなくなったことが自分達にとって都合のいい状況であるということを・・・








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