心は揺れ動く、良くも悪くも

「まぁとりあえず鍵は元に戻すか、出したからってここで振り回す訳にもいかないし・・・・・・っと、これでよし」
それで一先ず満足したルークは再びコンタミネーション現象を起こし、鍵を手元から消すことに成功させて安堵する。出しただけでなく収める事も出来たために。
「後はあれって言ってたのがなんなのかローレライから説明を聞きたいところだけど・・・こっちから連絡を取ることは出来ないし、気長に待つしかないか・・・」
ルークはそこからローレライからの通信を待つためにベッドに腰掛け、膝に肘を置く形で頬杖をついて待つ体勢に入る。








・・・だが一時間程待っても、ルークの元にローレライからの通信が送られてくる事はなかった。
「・・・ん~、今のローレライなら地核にいないしセフィロトを移動してるっていうから師匠達に捕まることも見つかることもないと思うけど・・・そんなにやることあって忙しいのか、ローレライ・・・?」
そこまで待ってルークはローレライが連絡をしてこないのには理由があると考える。
「・・・どうするかな?ミュウを引き取りに戻ってもいいかとは思うけど、折角一人になったんだし少し考え事でも・・・」
‘バンッ!’
「ルークー!」
「っ・・・どうしたんだよ、カロル・・・それにジーニアスも」
それでどうしようかと考え出した時にいきなり勢いよく開かれた扉から現れたカロルとジーニアスの二人に、ルークは軽く驚きつつ用向きを問う。
「どうしたじゃないよ、ルークが戻ってこないからどうしたのかって心配して見に来たんだよ?ミュウもご主人様が来ないって言ってたし」
「あ~・・・ミュウはいないようだから話すけど、ローレライからの通信を待ってたんだよ。さっきセフィロトでローレライから通信を受けて、話が途中で終わったからその続きをな」
「そうなの?」
「まぁ皆にはローレライの声は聞こえないし、通信をしてるってミュウの口からジェイド達に聞かれたらまずいから誤魔化したんだけどな」
「そうなんだ・・・」
ジーニアスがそんなルークに対して心配するように声を向けるが、正直にその理由を返すとすぐに納得してくれる。
「それで、ローレライからは何だったの?」
「あ~、セフィロトの封呪が解除されてる事についての理由とローレライの鍵を渡してきたってことでまだ話を続けるかどうかって時に外に出ることになったんだけど・・・ちょうどいいから聞かせてほしいんだけど、ローレライから封呪の事については聞いてたんだよな?カロル達も含めて皆さ」
「うん、そうだけど?」
「じゃあローレライがセフィロトから離れずに通信も出来ないような理由についても何か聞いてないか?さっきは話が中途半端に終わったからどうにも消化不良なんだよ」
続けてカロルが中身について問い掛けてきたので、ルークは自身が答えた後に頭をかきながら問い返す。ローレライから話を聞いているなら理由を知っているのではと思って。
「う~ん・・・僕達だけでその事について答えていいのか、正直難しいんだよね・・・」
「はっ?どういうことだ?」
「その事については僕達も話を聞いてはいるけど、ローレライから切り出したいって言われてるんだ。それもすごく熱がこもった形でさ」
「そーそー。だから僕達も言わないでおこうって思ったんだけど、ルークからそう言われるとちょっとね・・・」
「あ、いや・・・だったらいいよ。そういうことならローレライから直接聞いた方がいいだろうしさ」
「そう言ってくれると助かるよルーク」
だがジーニアスにカロルも難色を示す理由を顔を向けながら互いに話し、その中身に疑問を向けていたルークも聞きたいという気持ちを撤回する。他の誰でもないローレライ自身から聞くべき事と思った為に。









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