手を出す覚悟と受け入れぬ心

「ではナタリア様達にも話すと言う事で・・・他に何かまだありますか?」
「・・・ピオニー陛下に手紙が来たなら、話がされる手筈になってるのか?ティア達にも」
「はい、おそらくは。手紙には事実を話すように進めるようにと書いてあるはずですが、ピオニー陛下がどのような反応を示すかによります。多分悩まれた場合は我々に内密に意見を求めてくるとは思いますが、ルーク様と同じように話をしたなら納得されるかと思います。何分ピオニー陛下は直接動けない為、こちらの動揺で事が破綻するとなるのは避けたいでしょうから」
「あ~・・・まぁそうなるか、ピオニー陛下からしたらな」
そこから次に質問と聞かれルークは手紙が来てからの流れについて問い、ピオニーの心情をフレンから聞いて頭をかきながら納得する。
「・・・まぁ後はしばらく待つしかないか。明日どういう話になるかは分からないけど、手紙なら近日中に届く可能性があるからグランコクマにいる間に来るかもしれないしな」
「はい、何が起こるにしても手紙が来なければ話になりません」
「じゃあ戻るか・・・あ~、どういう理由で俺を呼び出したかって言われたら・・・もしも最悪の事態に陥った場合、俺を始めとして皆をダイクロフトで保護するつもりでいるみたいな話をしたとでも言ってくれ。俺にだけ話したのは一応預言の事に師匠の事があるから、先に話をしておきたかったみたいにさ」
「・・・分かりました、そうします。では戻りましょう」
「あぁ」
そして話すこともなくなったとルークはそこで話を終えようとする中で理由についてをフレンに伝え、頷いた後に二人は宮殿の方へと戻るべく歩みを進める。






・・・それで、宮殿へと戻ったルーク達だが特に誰かに何かを聞かれることもなく部屋に入った。
(ん~・・・思い返したら俺が誰かにって言うか、誰かなんてティアしかいなかったんだよな。俺が何の話をしてきたのかとか聞いてきたの・・・それでアドリビトムの皆にティアやナタリア達が何か聞くとも聞いたとも聞かなかったし、部屋も違うんだからわざわざ誰か聞きに来る事もないか・・・)
それでベッドに寝転がりながらルークは一人考える、自分に誰も何も聞きに来ない訳という物を。
(まぁそれならそれで構わないか・・・一々聞きに来られてもちょっと困るだけだし、今はゆっくり休みたいしな・・・皆の気持ちがあそこまで固まってるって知って、ちょっと心を整理したいし・・・)
その訳についてを自己解決しながらルークはそっと目を閉じる。未だに衝撃に残っているフレンからもたらされた事実についてを改めて考えるために。


















・・・そんな風にしてルークは考えに浸っていたのだが、またその中で襲い来る眠気に知らず知らずに負けて眠りについた。

そしてルークが眠りから覚めると皆が起きる前だった為に適当に時間を潰しながら過ごし、皆が起きた後は朝食を共に取りピオニーからの呼び出しがかかった後に謁見の間に向かった。



「・・・よし、皆揃ったか」
「・・・あの、陛下・・・何故この謁見の間に人がいないのでしょうか?それにどうしてジェイドがそちらに・・・?」
それで玉座に座るピオニーが緊迫感を持って声をかけてくるのだが、イオンが周りを見渡した上で人がいないことにジェイドがフリングスと共にピオニーの両脇を固めていることに疑問を向ける。
「・・・その事についてだが、まず報告からしよう・・・ダアトに向かったダイクロフトのメンバーである人物達から連絡が来た。その中身は・・・モースを殺した、という物だ」
「「「「!?」」」」
(・・・もう、達成してたのか・・・)
ピオニーはまずと言うがその中身にティア達は驚愕して目を見開き、ルークはフリをする中で内心で苦い想いを感じていた。もうモースは殺されたと事実を前にして。











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