各勢力は手を打つ

「・・・じゃあ後はゆっくりしようか。グランコクマまではケテルブルクを経由するのもあって、まだまだ時間はあるしね」
「・・・そうだね、そうしよう」
それでクレスが場をまとめるように言葉を発して、フレンもそうすると頷いた事で場の空気が終わりといった物になった。















・・・そんな風にして、ケテルブルクに向かう船での一幕は終わりを告げた。それでしばらくした後に船はケテルブルクに着き、一晩休んだ後にグランコクマへと船は出港した。

それで船の中でも外でも特に何か起こることはなく、一同はグランコクマへと到着した。



(・・・特に何も起こることはなかったな、フレンが来た後は・・・)
船から降りてグランコクマの街を歩きながら、ルークは考える。フレンが来た後は自身の周りに特に誰かが来ることもなかったことについてを。
(あ~・・・これがいい兆候なのかどうなのかってのは判断がつきにくいな・・・皆の行動が全部俺の為なんて自惚れはどうかって思うし、ティアもティアで大人しいことがいいことなんて限った訳じゃないしな・・・今までの事を考えると・・・)
その何も起こらなかった事に関してを不満があるわけではないが、不安があるとルークは考える。特に今までからしてティアの思考回路が分からないことがあるために。
(・・・いけないな。とりあえず目の前の事に集中しよう・・・ピオニー陛下がどんな考えを持ってるかっていうのでまた色々と状況も変わってくるだろうしな・・・)
しかしすぐに考えを切り替えようとルークは視界に入った宮殿を見据えながら歩く。ピオニーとの会話に備えて・・・






・・・そして数十分後、ルーク達は謁見の間に入った。
「・・・よく戻ってきた。報告の手紙は受け取っている・・・まずはモースに見付からずにすんでよかったと言っておこう。ただ、導師からすれば複雑だろうが・・・」
「いえ・・・今の状況ではモースに会うだけでも危険が大きいというのは事実ですから、気にされないでください・・・」
「そう言ってもらえれば助かる」
それで玉座に座るピオニーからの言葉にイオンは複雑そうながらも首を横に振り、その姿に頭を下げる。
「さて・・・再会の挨拶はこのくらいにして、本題に入ろう。着いたばかりの早速で悪いとは思うがな」
「いえ、気にしないでください。始めましょう」
「そうだな・・・ではそうするか」
そして頭を上げ本題と切り出すピオニーにジェイドが首を横に振ったことで、始めると切り出す。
「まず、戦争を止める手段としての更なる外殻大地降下についてだが・・・これについて聞きたいことがそちらにあるが、次にどの土地にあるパッセージリングを操作して降下するのが妥当という見立てはついているのか?」
「その件に関しては比較的にリングの位置がアクゼリュスやシュレーの丘に近いザオ遺跡、もしくはタタル渓谷のリングになります。位置関係から見て次に崩落するとしたならその二つのリング周辺の土地になると我々は見ていますが、どちらが落ちてもキムラスカ側にとってみれば痛手にしかなりません。無論マルクト側も痛手が無いわけではありませんが、少なくとも情報がある分はこちらの方が動揺も少なく精神的には優位に立てるでしょう」
「・・・それは分かるが、タタル渓谷にザオ遺跡・・・この二つのパッセージリングがある位置を考えると、ケセドニアがまず次かその次に魔界に落ちることは避けられないのか?」
「それは避けられないと見ていいでしょう。むしろ下手に放っておけば崩落に巻き込まれ、ケセドニアの街ごと消えてしまう事になります」
「そうか・・・それを先に知れただけでもまだ幸いと言うべきか・・・」
そしてピオニーからまずパッセージリングについての疑問を投げ掛けヒューバートがその声に答えるのだが、返答の中身に複雑そうに表情を歪める。ケセドニアは国境跨ぎをしてキムラスカとマルクトで領土が分かれていて、マルクトの民も少なからずいるがための苦悩を滲ませる形で。











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