各勢力は手を打つ

「・・・あ~・・・なんか調子狂いっぱなしだな~。出来れば皆にはこの事を話す気はなかったんだけどつい言ってしまうようになってしまった・・・」
「我々としてはその方が嬉しいのですが・・・何故自らが手を下すとの判断をされたのですか?例え他に手段が無くとも、何もルーク様自身がそのようにする必要などないはずですが・・・」
「・・・俺自身のこだわりがあるのもあるけど、知ってるからこその責任があるって思ったからだ」
そのまま自分の失態を嘆くように漏らすルークにフレンから更なる疑問が投げ掛けられ、前に向き直り責任と返す。
「って言っても何も知らないから何もしなくていいなんてことは言わないけど、重要な事を知ったならそれに対してどうするかって責任があると思ってる。比較論みたいな言い方をするのはあまり良くないとは思うけどさ・・・俺は今こうやってここにいる。モースの取る行動の危険性に感じては俺が一番よく知る形でだ。そんなモースを止めるために他の誰かを頼るばかりか、その行動を丸投げするのは違うと思うんだ。だから俺は正しい手段じゃないって思いはしても、知ってるからこその責任があるから俺が止めようって考えたんだ・・・フレンもそうだけど、エステルとかはこういった手段は嫌いだろうから尚更黙っておきたかったんだけどな」
「・・・確かに、私もそうですがエステリーゼ様を含めた一部のアドリビトムのメンバーはそのような手段を取る事についてはあまり肯定的ではありません。ですがそのような手段を取らねば止めれぬ存在がモースのような者だということは、我々も重々承知しています」
「え?・・・皆はもうその事について話してたっていうのか?」
「はい、そうです」
ルークは自身の思う責任の在り方についてどういった物かと話していくのだが、モースについて既に話をしていたという返答に意外そうに目を瞬いた。
「そもそもを言うなら我々はオールドラントに来る前にヴァンさんがそう言った行動をするのかといった話し合いをしました。そこでどこかそう言った兆候があったという話がチラホラ出てきた後でヴァンさんについて納得した後にこちらに来ました。最早オールドラントのヴァンさん達は戦って止める以外に手段はないのだと・・・ただオールドラントに来た後に問題となったのは、モースについてどうするのかということです」
「あぁ・・・まぁそう言えばルミナシアにはモースはいなかったもんな。と言うか俺としてはオールドラント以外で預言無しの生活をするモースなんて想像しにくいけど」
「こちらとしても同じような物です。と言うよりはモース程宗教に熱狂していて、その宗旨を守ろうとするためにあそこまで他者を省みない存在など見たことがないという話になったのですが・・・」
「・・・そこのところはオールドラントとルミナシアっていう異世界って言うか、文化の違いがあるからだな。俺からしたらルミナシアみたいに多数の国があって、宗教も多数に渡って存在してるっていうのが驚きだったし・・・まぁそういった形だからルミナシアじゃ一つの宗教だけが世界を席巻してるって訳じゃなくて、熱狂的な信望者も数もそうだし質が凄い人もいないんだろうしな」
「成程・・・反対にオールドラントはローレライ教団が唯一無二でいて最大の宗教になるからこそ、モースみたいな人間が出てきやすくなるというところですか」
「あくまで俺が考える所になるけどな」
そこから二人はまた会話を交わすのだが、流れがルミナシアとオールドラントの宗教関係の話に行って最終的にフレンがルークの考えに納得する。二つの世界の宗教観の違いについてを。







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