各勢力は手を打つ

(・・・でもそうなると、今のティアはどうなるんだ?もし俺の知る昔のティアだったら俺がモースを殺したとしたなら、何故って言って俺に詰め寄るのが目に浮かんでくるけど・・・このティアはどうなんだ・・・?)
ただそこでルークはティアに視線を向けそうになるのを押し留めながら、そうした場合への反応についてを想像する。
(・・・一応モースには様付けはしてるから、もしかすると俺がそうしたら前のティアのような反応になるかもしれない・・・けれど、師匠に対してのあの感じを思うとそうなるとはとても思えないんだよな・・・もうモースに対しても割り切ってるというか、そんな感じにしか・・・でも、それって本当にティアなのか・・・?)
そのまま考えを深めていくのだが、ルークはどうしても今のティアと前のティアとの差異についての違和感を拭えずに疑問を浮かべる。
(昔のティアは自分では隠してるつもりでも、二人やリグレットに対しての想いがあって感情では割り切れてないって所がどこかに見え隠れしてた・・・けど今のティアからはそんな感じはあまり見えない。と言ってもなんというか、いい意味で割り切ってるんじゃなく・・・そうだ、切り捨ててるようなそんな感覚がするんだ・・・今のティアからは・・・)
更に考えを深めていくのだがルークは今のティアがどういった心境なのかを表現する言葉に辿り着き、それを振り払いたくなる気持ちになるのを必死に内心で抑える。
(・・・そうだって思いたくはない。けど今のティアの師匠達に対する態度や想いは少なくとも、昔のティアらしくないのは事実・・・前と比較しちゃいけないとは思ってはいるけど、マジでティアに何が起こったんだ・・・?)
それでルークの中には何度目かになるティアの変化を疑問に思う気持ちが出てくるのだが、比較をしたくなくてもせざるを得ないと思うほどに強い困惑を抱いてしまう。
(・・・あぁっ、くそっ。ティアが何故あぁなったかについては置いておくにしても、今のこのティアならモースが死んだとしてもあまり動揺はしないと思う・・・けど、もしそれで俺がモースを殺したって知ったならどうなる?多分他の皆がそうしたって言うんなら、なんか意外とあっさりティアはその事を受け止めそうな気がするけど・・・俺がそうしたなら、全く違う反応になりそうな気がする・・・それも、俺にとってあまりどころかかなり良くない反応に・・・)
そんな気持ちを振り払いつつも考えを戻すのだが、自分がモースを殺した場合のみティアからの反応が一種の恐怖に満ちた物になるとルークは感じていた。
(なんでそうなるのかって理由は分からないけど、どっちにしても俺がってのはティアにとって何か気に入らないとかそんな感じになるのは目に見えてる・・・そして、どうなるにしても良くない結果になりそうな感じも・・・)
そうなる理由についてはハッキリ分からなくとも、そうした場合の結果についてはルークは言葉にするのは避けてはいても予想がついた・・・最悪、揉めるどころの話ではない事態になりかねないために。
(・・・もしモースを殺すなら、俺がやったってバレないようにしないといけないかもな・・・皆にもそうするとは言わないつもりじゃいるけど、ティアには尚更そうしないとまずいだろうし・・・)
そしてそれらについて考えるからこそ、ルークは優先順位を定める。アドリビトムの面々よりティアにそうする事を知られるのを避けるべきだと。









・・・そんな風にルークが考えている中でリオンが領事館に戻り、モースがダアトに行く船に乗ったと聞いて一同は船に乗った。グランコクマに向かうために・・・









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