一先ずの再会

「・・・成程、一応は謡将達はベルケンドにいて話はしてきたと言うわけですか。しかしよく無事でいましたね。そんな流れになって」
「あちらはまだ余裕を崩していませんでしたからね。まぁリグレットはこちらをどうにかしようとしていましたが、謡将があの様子で一先ず助かったと言った所です」
「フン、助かっただと?その屑だから舐められて終わった・・・その程度の事だろう」
「アッシュ・・・」
・・・それでジェイドからの報告が終わったのだが、アッシュが嘲るようルークを見て吐き捨てるように言葉を向けた事にナタリアが悲し気に声を漏らす。
「・・・舐められて結構だよ」
「・・・何?」
「舐められようが何をされようが、俺は師匠達を止めたいし止める・・・そう俺は思ってる。だからどう言われたって構わねぇよ」
「っ・・・フ、フン!口先だけは達者になりやがったようだが、威勢だけ立派になったところで無駄なだけだ!・・・俺は休ませてもらうぞ、こんな屑と顔を合わせたから気分が悪くなった・・・!」
「あ、アッシュ・・・」
対してルークは真っ正面から強く意志を伴わせた表情で返し、文句を言うだけの軽い気持ちでいた為かアッシュは明らかに圧されたのを誤魔化すように場から退出していき、ナタリアはその後に周りを見てから気まずげに追っていく。
「・・・ではついでですし、このまま残りは自由時間と行きましょう。我々もそうですが貴殿方もケセドニアに着いてそう経ってないですから、今日くらいは休憩しても構わないでしょう」
「そうだな・・・領事館はどの部屋を使ってもいいのか?」
「我々は着いたばかりなので詳しく聞いてみなければ分かりませんが、客室はそれなりにあるでしょうから一人一室などとの贅沢をしなければ十分なスペースはあるでしょう。まぁ使ってほしくない部屋に入ったらあちらから何か言ってくるでしょうから、とりあえずゆっくりしてください。話は私が通しておきます」
「分かった」
そんな光景を見送った後にジェイドから休憩を切り出され、ユージーンが対応してそうすると決定した。
「・・・ねぇ、ちょっとリーガルさんに挨拶に行かないかい?ちょうど時間も空いたことだし、ちょうどいいと思うんだけど」
「そうね、そうしましょうか・・・んじゃ私とクレスと、後何人か行こうって思う人はリーガルの所に一緒に行くわよ」
そのまま領事館の客室に全員が向かう、かと思いきやクレスからリーガルの所に行こうとアドリビトムの面々に投げ掛けるとルーティが賛同した上で何人かが先を歩き出す二人の後を付いていく。



(リーガル・・・そう言えば色々あったからほとんど忘れてたけど、あの人も以前との差の一つだったわね・・・)
その様子を見ていたティアは今更ながらにと思い返す、リーガルの事を。
(でもこの感じだと彼らとあのリーガルという人達はダイクロフトの人達と仲良くはしてはいても、仲間という感じでは無さそうね・・・顔を出すといったニュアンス程度の言い方だったし)
だが大した差ではないばかりか仲間ではないだろうと、ティアは浅く見積もる・・・事実は全く違うということにティアは到れていない。仲間ではない所の話ではないというのに表向きの事だけしか見れないからこそ。
「・・・ティア、少しいい?」
「っ・・・何かしら?」
そんな時にジュディスからいきなり声をかけられた事に、ティアは驚きつつも不機嫌そうに何事かと問い返す。












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