一先ずの再会

「・・・・・・まさか、そんな風に思われてたなんて・・・」
そしてようやく茫然自失といった状態ながらもティアから出てきた言葉は、尚も自分がそう見られていたと信じたくないと言わんばかりの物である。
「ティアさん・・・」
「っ、ミュウ・・・ごめんなさい、ちょっと待って・・・(ルークもミュウもそんな風に私の事を思ってた・・・と言うことは、大佐やアッシュ達に今グランコクマにいるガイ達もそんな風に私の事を見ているというの・・・!?)」
ミュウが心配そうに見てくる姿に謝りつつもティアは内心で考える。ルーク以外の評価についてを。



・・・だがここでティアはまたズレた考えを抱いていた。ルークとジェイド達が根本的に違う事もそうだが、ジェイド達がティアに対して抱いている印象がまた個々によって違うとも思わず全員が自分に対して共通した考えを抱いているのだと。

その裏付けとして代表的な事を言うと、まずアッシュがティアに対してそんなに大きな関心を持っている訳がない。精々アッシュがティアに抱いている印象と言えばヴァンの妹で、やたら騒いでいると言った程度だ。前もアッシュとティアはそこまで仲がいいと言えるような関係ではなかったのに、今回は輪にかけてロクに関係性を築けてない相手に対してアッシュが興味を持つわけがない。それこそヴァンの妹がまた騒いでいる程度の認識でしかないだろう。

ただこれはアッシュが一同の中で最もティアに対し、無関心で反応が違うから上げた例なだけである。他の面々がティアに対する考えに気持ちはまた違う・・・その事にティアは思い至れない。



(まずい、流石にまずいわ・・・いつから私がそうだったのかなんて分からないけど、これから先もルーク達にそんな顔を見せていたらいくらなんでも印象が悪くなるのは避けられない・・・これからは出来る限りそう言った顔を出さないようにしないと・・・!)
そんな勘違いに更なる勘違いを上塗りするよう、ティアは自身にとって難易度が高いという次元の物ではない決意をする。



・・・何が勘違いなのかと言えば、今のルークと比べると物事に対しての冷静に務める演技力に精神力が雲泥の差としか言えない程にティアにはないからだ。特に精神力に関してはむしろ過去に戻ってきてから前より弱体化したのではないかというほど、辛抱がきかなくなってる現状だ。例えアドリビトムの面々が気に入らないからこそと言ってもだ。そんなティアがこれからトラブルがあった時に何もなく、表情を引き締めていける可能性はまず有り得ない・・・だからこそ次元が違うと言ったのだ、出来ることを決心することと出来ないことを決心することは全く別物なのだから。















・・・そんな風にルークとティアの両者の差が顕著に現れていることなど当事者達は知ることなく船は進んでいき、ケセドニアに着いた。そして一同はマルクトの領事館へと向かった。



「・・・来ましたか」
「おや、先に着いていたのですか?」
「えぇ、説得にはそれほど時間がかからなかったのですぐに戻ることが出来ました」
「そうですか」
その領事館の中に入ると既にヒューバート達がいたため、ジェイドが応対した上で成功との中身に納得する。










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