一先ずの再会

「・・・何か、ゴメン。こんな気まずい空気にしてしまって」
「あ、いや・・・こっちが聞いた事だから構わないっていうか、聞けてよかったって思うからむしろこっちが謝らなきゃいけないのかな・・・」
「気にしなくていいよ、アスベル。そこはお互い様だって思ってくれ」
「うん・・・」
ルークもその空気を察して謝るのだが、対応するアスベルは何とも言い難い空気のまま歯切れの悪い様子になってしまう。
「・・・あー、話題を変えるけどシェリダンの方に行った皆はイエモンさん達を説得出来ると思う?」
流石にルークもそんな様子に頭をかきながら自身で露骨と言いながら、シェリダンの方へと話題転換をする。
「それについては心配はないと思います。ルークさんの方がシェリダンの人達の事を知っていると思いますが、シェリダンの人達は戦争でアルビオールが使われるような事態になることは避けたいと思うはずです。特に敵地の視察だけならまだしも、空からの爆撃などとなれば忌避したくなるのは間違いないでしょう」
「あぁ、あの人達はそういう技術の使われ方されるのは嫌がるだろうな」
「それにキムラスカの上層部ならともかく、モースがアルビオールの事を知っていて使うように指示してくるとも思えません。万が一キムラスカが指示を出してきたとしても今はまだアルビオールも十分に飛べる程の調整は出来ていないと思いますから、シェリダンの人達のそう言った気持ちにナタリアさんの存在・・・そしてヒューバートさん達の説得でアルビオールは戦争に使われるような事にはならないと思います」
「そうか・・・」
すずがそんな疑問に対しそこまで心配はないとその根拠を一つ一つ語っていき、ルークはホッとした様子を見せる。
「とりあえず、ケセドニアに着くまでまだ時間があるしゆっくりしよう。結果は気になるだろうけど、今は待つ以外にないからね」
「そうね。それに貴方はミュウの事を気まずく思ってたようだけれど、今はミュウはいないからしばらくは普通に出来る時間を素直に満喫したらどう?わざわざティアの所に行ってミュウを連れ戻すのは不自然でしょうし」
「・・・そうだな。今ティアの所に行ってもどうにもならないだろうし」
今度はクレスとジュディスが今はゆっくりするべきと言ってきたことに。ルークも外のドアの方を見ながら頷く。ミュウに対する想いを残しながら・・・






「あぁっ、もう・・・どうしてこうなるのよっ・・・!」
一方、ミュウと共に一人になれる船室に来たティアは苛立たしげな表情を隠すこともないままベッドに腰掛けていた。
「ティアさん・・・」
「っ、ミュウ・・・・・・ごめんなさい、こんな顔を見せてしまって・・・」
「ミュウ・・・」
そのベッドの端にチョコンと乗っていたミュウの声にティアはハッとしてそちらに顔を向け謝るが、ミュウの顔は晴れる事はなく気落ちしたような声が出てくるだけである。
「・・・ねぇ、ミュウ。怒らないから正直に答えてくれる?」
「・・・なんですの?」
「・・・私って、あの時そんなに怖い顔をしていたかしら・・・?」
「・・・」
そんな姿に静かに優しそうに、だが不安が明らかに声に漏れ漂う形でティアは問い掛ける。怖い顔をしてたのかと。ミュウは困ったように眉を寄せた後に口を開く。
「・・・今も、ティアさんの顔に声は怖かったですの」
「今、も?」
「はいですの・・・ご主人様は僕にティアさんを落ち着かせるようにって言ってティアさんに付いていくように何度も言ったですけど、大体その時と同じような表情をさっきもしてたですの・・・」
「っ!?」
今も・・・その意味を極めて言いにくそうに言うミュウの言葉にティアは驚愕に表情を染め、静止した。まさかそこまで言われるとは思っていなかったという気持ちもあるが、ずっとそんな風にミュウやルークに思われていたのかという気持ちで。












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