一先ずの再会
「それで、このベルケンドにまで来た訳はなんだ?もしや、わざわざ私達に会いに来たとでも言うつもりか?」
「えぇ、そのもしやですよ」
そのまま用向きを問うヴァンにジェイドがその通りと返す。
「ふ・・・死霊使いとも呼ばれる人物がわざわざ敵の手の内にまで飛び込んで来るとはな」
「生憎ですが今日は貴殿方と戦いに来たのではありません。ただお伝えしたいことと伝言を頼みに来たのです」
「なんだと・・・?」
ヴァンはその答えに軽く馬鹿にしたように笑うが、ジェイドの言葉に何事かと訝しむ。
「まず一つですが、貴方がどのようにキムラスカやモースに事の経緯を伝えているかは知りませんがこのようにルークが無事であることをお伝えするためです。今この場にはナタリアにアッシュは来ていませんが、彼らも無事だとね」
「・・・これは驚いた。まさかアッシュがレプリカと行動を共にするとは」
「彼が自ら協力すると言い出したんですよ」
ジェイドはそこから段階を踏むよう一つ目とルーク達の無事についてを切り出すとヴァンは軽く驚いたように声を上げるが、ジェイド共々知るはずもない。アッシュが協力を申し出たのは自分の醜態を隠すためだということを。
「まぁそれはともかくとしてルークとナタリアが生きている・・・そしてマルクトは戦争を望んでいないと貴方に伝えた上で、キムラスカの上層部に話を届けてもらう為にここまで我々は来たのです」
「・・・成程、直に姿を見せることで二人が健在だと知らせる為に来たということか」
「えぇそうです。とはいえ貴方がアクゼリュスでのことからどのようにルーク達の事を報告したのか分からないので、このような形を取らせていただきましたが・・・」
「・・・フン、流石に私もあの時の自分の失態を事細かにモースに報告出来る程に厚顔ではない。だからこそアクゼリュスと共に崩落に巻き込まれ二人は死んだと報告し、陛下達もそれを真に受けたが・・・そこまでして私に会いに来たのだ。そのくらいは伝えておいてはやろう」
そして二人は生きていると強調した上でどうなっているか知らないからこんな手段を取ったとのジェイドに、ヴァンは余裕から笑みを向けながら経緯を説明しつつ伝えると上から目線で返す。
「しかし・・・まさかまだそのレプリカと行動をしていたとはな。いや、アッシュの性格を考えればそのレプリカの方が扱いやすいからこそお前もここまで連れてきたのだろうが」
「兄さん・・・っ!?」
そこでふとルークに視線を向けて完全に嘲る言葉を楽し気に紡いでいくヴァンにティアは瞬時に怒りを浮かべるが、ルークがバッと後ろに手を出して制止するように動いたことに驚きに戸惑い止まる。
(・・・やっぱり、この師匠は俺の事を完全にレプリカとして下に思ってる・・・ルミナシアの師匠の事は未だに俺にはよく分からない、何か起こすかどうかも・・・けどこの師匠はやっぱり放っておく訳にはいかない・・・オールドラントを残す為にも・・・!)
そんなルークは沸々と沸き上がる想いを胸に、凛と前を向きヴァンと目を合わせる。
「・・・俺がレプリカであることはアッシュから色々言われたことや、これまでの旅で十分に分かりました。そして今、師匠が俺の事をそういった風に思っている事も・・・」
「・・・だったらなんだというのだ?」
「・・・俺は、貴方を止めてみせます。師匠が俺の事をどう思っていようが、俺に色々教えてくれたことには代わりはありません。例え貴方が弟子と思っていなくとも、弟子である俺が師匠の過ちを・・・止めさせていただきます」
「・・・フン、レプリカ風情が言ってくれる」
そして自分の気持ちをありのまま真剣にぶつけるルークのまっすぐな言葉に、ヴァンは嘲笑うような言葉ながらもどこか愉快そうに返した。
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「えぇ、そのもしやですよ」
そのまま用向きを問うヴァンにジェイドがその通りと返す。
「ふ・・・死霊使いとも呼ばれる人物がわざわざ敵の手の内にまで飛び込んで来るとはな」
「生憎ですが今日は貴殿方と戦いに来たのではありません。ただお伝えしたいことと伝言を頼みに来たのです」
「なんだと・・・?」
ヴァンはその答えに軽く馬鹿にしたように笑うが、ジェイドの言葉に何事かと訝しむ。
「まず一つですが、貴方がどのようにキムラスカやモースに事の経緯を伝えているかは知りませんがこのようにルークが無事であることをお伝えするためです。今この場にはナタリアにアッシュは来ていませんが、彼らも無事だとね」
「・・・これは驚いた。まさかアッシュがレプリカと行動を共にするとは」
「彼が自ら協力すると言い出したんですよ」
ジェイドはそこから段階を踏むよう一つ目とルーク達の無事についてを切り出すとヴァンは軽く驚いたように声を上げるが、ジェイド共々知るはずもない。アッシュが協力を申し出たのは自分の醜態を隠すためだということを。
「まぁそれはともかくとしてルークとナタリアが生きている・・・そしてマルクトは戦争を望んでいないと貴方に伝えた上で、キムラスカの上層部に話を届けてもらう為にここまで我々は来たのです」
「・・・成程、直に姿を見せることで二人が健在だと知らせる為に来たということか」
「えぇそうです。とはいえ貴方がアクゼリュスでのことからどのようにルーク達の事を報告したのか分からないので、このような形を取らせていただきましたが・・・」
「・・・フン、流石に私もあの時の自分の失態を事細かにモースに報告出来る程に厚顔ではない。だからこそアクゼリュスと共に崩落に巻き込まれ二人は死んだと報告し、陛下達もそれを真に受けたが・・・そこまでして私に会いに来たのだ。そのくらいは伝えておいてはやろう」
そして二人は生きていると強調した上でどうなっているか知らないからこんな手段を取ったとのジェイドに、ヴァンは余裕から笑みを向けながら経緯を説明しつつ伝えると上から目線で返す。
「しかし・・・まさかまだそのレプリカと行動をしていたとはな。いや、アッシュの性格を考えればそのレプリカの方が扱いやすいからこそお前もここまで連れてきたのだろうが」
「兄さん・・・っ!?」
そこでふとルークに視線を向けて完全に嘲る言葉を楽し気に紡いでいくヴァンにティアは瞬時に怒りを浮かべるが、ルークがバッと後ろに手を出して制止するように動いたことに驚きに戸惑い止まる。
(・・・やっぱり、この師匠は俺の事を完全にレプリカとして下に思ってる・・・ルミナシアの師匠の事は未だに俺にはよく分からない、何か起こすかどうかも・・・けどこの師匠はやっぱり放っておく訳にはいかない・・・オールドラントを残す為にも・・・!)
そんなルークは沸々と沸き上がる想いを胸に、凛と前を向きヴァンと目を合わせる。
「・・・俺がレプリカであることはアッシュから色々言われたことや、これまでの旅で十分に分かりました。そして今、師匠が俺の事をそういった風に思っている事も・・・」
「・・・だったらなんだというのだ?」
「・・・俺は、貴方を止めてみせます。師匠が俺の事をどう思っていようが、俺に色々教えてくれたことには代わりはありません。例え貴方が弟子と思っていなくとも、弟子である俺が師匠の過ちを・・・止めさせていただきます」
「・・・フン、レプリカ風情が言ってくれる」
そして自分の気持ちをありのまま真剣にぶつけるルークのまっすぐな言葉に、ヴァンは嘲笑うような言葉ながらもどこか愉快そうに返した。
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