かつての始まりは既に変貌している

「・・・おい、だからってなんでお前らを雇うって話になんだよ?」
「ん~、あんたの身の安全がこっちにとっても重要なのは分かるんだけど、私達ってギルドだしこれをちゃんとした仕事に出来ないかって思ったのよ。実際タダ働きなんて私は嫌だし」
「・・・おい、なんかバチカルまで一緒に行くって言ってるように聞こえるのは気のせいか?なんかんな感じがお前らの話からすんだけど・・・」
「それはこちらの都合もあるんだ。エンゲーブまでとあるキャラバンを私達は警護してきたが、昨日にローテルロー橋が壊れて落ちたと報告があってな・・・次にキムラスカにまで向かう予定だった我々としても少し困っているんだが、ここで仕事を獲得出来れば助かると言うわけだ」
「ふ~ん・・・」
思わず半目で訳を聞くルークにルーティが気楽に肩を上げながららしくタダは嫌だと言った後ウィルがギルドとしての損得を考えた物と言ったことに、少し頭をかきながら考え込む。
「・・・なんでお前らの都合に合わせなきゃいけないんだっつーの。雇わねぇよ」
「へぇ・・・んじゃ自分達だけで帰れるってのかい?バチカルまで」
「んだよ、ムカつく言い方すんなお前・・・んな心配なんかされなくても帰れるからお前らを雇う気なんかねぇよ」
「そっか・・・」
だがハナからそんな気のないルークは気だるげに拒否を返しユーリがニヤリとした笑みを浮かべ挑発じみた声を向けるが、機嫌を悪くしながらも揺るがず再度拒否を示しカロルはがっくりと顔を落とす。
「・・・ルーク!」
「あ?・・・んだよ、そんな急いで?」
「貴方が勝手に先に行くから追い掛けてきたのよ・・・!」
「こっちもコイツらに俺にバチカルまで雇えって言われてたんだっつーの・・・んで、お前らは話は済んだのか?」
「雇えって・・・まさかルーク貴方、それを受けたんじゃないでしょうね・・・!?」
「受けるかっつーの。別に必要ねぇし・・・っていうかなんでお前怒ってんだよ・・・」
そこに焦った様子でティアが来たことにルークも不機嫌な対応するが、徐々にヒートアップしていくその姿に若干本気で引き気味になっていた。
「そう、ならいいの・・・」
「んだよ・・・つーか話はどうなったんだよ、お前の方は・・・」
「そっ、それは・・・・・・途中までなら一緒にという事になったわ・・・別に特に敵対する理由もないという事で・・・」
「結局そうなんのかよ・・・」
ティアはその返答に安堵を浮かべていたが、改めて問い直されたそっちはとの声に途端にやりにくそうに視線を背け断れないと言い、ルークは疲れたように頭を下げる。
「・・・そういうわけだからしばらくよろしくね」
「・・・別によろしくするつもりはこっちにはねぇよ」
「おや、随分と無愛想な方ですねぇ。折角笑顔で同行してくださるというのに」
「っ・・・誰だよ、お前?」
(・・・このタイミングで登場かよ、ジェイド・・・つーかなんでここに・・・?)
そこにクレスが笑顔で近付いて声をかけてきてルークがまた不機嫌そうに返すと、背後から独特の皮肉に満ちた声がかかったことに振り返るとそこにいたのはジェイド・・・不審な者を見る目でジェイドに視線を向ける中、ルークはここに来た理由に検討がつかず内心首を傾げる。



「失礼。私はジェイド=カーティスと申しますが、昨日私もエンゲーブにいたのですがそこに報告が入ってきたのですよ・・・キムラスカの王族とおぼしき方がいるのではとの報告が」
「・・・っ!」
(・・・よかった・・・大佐はルークの事を聞いていたのね)
そんなジェイドが眼鏡を押さえながらここに来た理由を告げた事にルークが驚く中、ティアは反対に安堵していた。以前と違うが以前のような流れを踏襲していることに。
「まぁ本来なら貴方にそこの神託の盾のお二人だけをお連れしたい所ですが、そちらのギルドの方々も貴方の身分については知られているようですからね・・・万が一の事もございますから貴殿方にも来ていただきましょうか。放っておけば任務の妨げになる可能性がありますからね」
(えっ!?なんで、大佐・・・!?)
だが続いたジェイドの慎重を期した言葉にティアは内心だけでなく実際に目を丸くした。まだアドリビトムの面々と一緒にいなくてはいけなくなったことに・・・















違いに触れつつ動く両者



だがその違いは更に大きくなっていく



いかに二度目の時は進むか・・・両者には分からない



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