一先ずの再会

「・・・とりあえず今の様子なら問題はないでしょう。ルークさんに報告をしても面倒なだけになるでしょうから言わない方がいいでしょうね」
「だろうな。その事を言った所でルークが気に病むだけだろう。それなら何も言わない方がいい」
それでヒューバートがルークに話をしないよう言えば、リオンも同意する。












・・・そんなやり取りが船の中であったことなどルークは知ることはなく、船はケセドニアへと着いた。



「・・・さて、シェリダンに関してはお任せしますよ皆さん」
「事が済んだらケセドニアに戻りマルクトの領事館で待てばいいんですね?グランコクマに報告の手紙を出して」
「えぇ、戻るなら足並みを揃えてグランコクマに戻りたいという事もありますがもし状況が変わったならケセドニアに隠れていれば動きやすくありますからね。とりあえずはその方面で進めてください」
「分かりました」
それで船を降りる前にシェリダン行きの面々のまとめ役を務めることになったヒューバート(アッシュとナタリアを除いた他のメンバーはすずにルーティにユージーンにウィルがいる)とジェイドは後の行動についてを話し合う。
「では我らは先にベルケンド行きの船に乗れるように手続きをして参ります。貴殿方は後にお願いしますね」
「はい」
そして先に出ると言うジェイドに続き、ヒューバート達と別れてからルーク達はその後に付いていく・・・












・・・それでキムラスカ側の港に行き、ベルケンド行きの船に乗ったルーク達一行。
「・・・失礼します」
「あ?なんだよ、珍しいなジェイド。お前が俺の所に来るなんて」
その中で船室の中の一室にいたルークの元にジェイドが来たため、何事かと返す。
「いえ、少し気になった事があったのですがそれを話せるのが貴方以外に該当する人がいなかったのでこちらに来たんです」
「んだよ。含みがあるっつーか微妙な言い方すんな・・・」
だがジェイドらしいと言えばらしい妙な言い方に、ルークは表情を嫌そうに歪める。
「・・・んで、俺にしか話せないことってなんなんだよ?」
「・・・少しお聞きしたいのですがティアがダイクロフトの方々にやけに攻撃的でいて、それでいて我々には態度が明らかに違う理由について心当たりはありませんか?」
「は?・・・なんでんなこと聞くんだよ?」
「これからの事を考えるに辺り、少々気になったんですよ。ティアの態度がこれからの旅で枷になりかねないのではとね」
「・・・(あ~・・・これに関してはジェイドの懸念も否定は出来ないか・・・それこそ下手すると皆と後で今までにない激突が起きる可能性も有り得なくないだろうし・・・)」
そのまま気だるげに訳を聞くルークだがジェイドが真剣にティアの事を切り出した事に、無言になる中で納得せざるを得なかった。
「それで、貴方に心当たりはないのですか?ティアの態度については」
「・・・俺に聞かれても分かるわけねーだろ。つーか正直この旅で初めて俺もだけどお前にガイ達、そしてダイクロフトの奴らもティアに会ったはずだろ・・・ダイクロフトの奴らが素直に信じれないってのはまだ分かるにしたって、それで俺らの方が明らかに信じられてるなんて理由にはなんねーのはお前にも分かるだろ」
「・・・そうですね。その上で言うとティアは今ここにいないガイにアニスに対してのこだわりを見せていました。だからこそ分からないんですよ。ティアがあそこまで彼らだけを嫌う理由が・・・」
そして心当たりについてを聞いてくるがそんなものないと言い切った上で聞き返すルークに、ジェイドもポーズとは思えないような様子で頭を抱える。







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