まず一つ目のルークに理想を抱きすぎているのはどういうことかと言えば、ルークが生まれの事もあって見た目の年齢にそぐわない純粋な存在だと考えているからだ。

以前の旅でルークと接していき徐々に惹かれていったティアだが、それはあくまでルークの態度が実年齢らしい下心のない物だったからだ。しかしティアはその事を考えていない・・・ルークはあくまで恋心など抱いていなかったからあぁいった態度を取ったのであり、ルークが成長したならということを全く想像していないのだ。

そして二つ目にきっかけから目を背けているというのは、生きてきた分の年齢に見あった意味での性知識という物を正しく認識していないのである。ただこれは、ティアが性知識を性知識として全く知らないという訳ではない。ならどうなのかと言えば性の実態というものを正しく把握していないのである。

いかに閉鎖された環境に幼い頃からいて兵士を目指し活動してきたとて、まず年月を重ねていけば年頃の男女がいればそういった性に関する話というものは必然的に出てきやすくなる。それが正しい知識を得ることにいいことか悪いことかは人によって判断が分かれる所ではあるが、社会という物に身を寄せる人間なら余程抑圧された環境でもない限りは大抵そういった周りの影響を受けて自分なりの性の知識なりなんなりを身に付ける物・・・しかしティアは全く変わっていなかった。以前の旅での時からその認識は。

これは一つ目の理由が関係しているのもあるが、ティア自身が周りの人間との関係を大して重要視していないからである。一応神託の盾の仲間、とは思ってはいる・・・だが一番頼りになるのはやはりかつての仲間達以外にいないと、そう差をつける形でだ。それに以前と同じ事をして以前と同じようにとトレースすると選んだからこそ、ティアには誰かと特に新しく親しくなろうと考えるような気持ちは浮かばなかった。だからこそ自分の中だけの知識でティアの脳内は完結しているのである。性に関する知識は・・・



（はぁ、ルーク・・・）
想い人に対する想いを胸に窓の方をアンニュイに見つめるティア・・・だがその中身は男女交際という物が清く正しい物と信じているからこその、リアルな事など全く存在しない甘いだけの想像ばかりが広がっていた。



・・・そんな性知識だからこそティアの中にはルークと楽し気に話をしたり食事をしたりといった光景は浮かびはしても、そこから先・・・有り体に言うなら、肉体関係という物には行き着かない。精々キス止まり、それも相当にロマンチックなシチュエーションでルークからしてもらうという綺麗としか言いようがない状態の絵しか浮かばないのだ。

それ自体は別にティアの妄想の為、別に問題ではない・・・ここで重要なのはそういった考え方な物だからこそ、ジュディス達に比べて圧倒的に女性として意識されないという状況にあることだ。

そもそもティアは勘違いをしている・・・今のルークもそうだが以前のルークも特に女性を女性として魅力的と思い、相手を求めていた時などない。そんなルークに効果的なのはいじらしく待つことより、自分から積極的に魅力をアピールすること・・・つまりは攻めの姿勢が重要なのだ。そういった意味でジュディス達が行ったような行動はルークに女性を意識させるには最適な行動と言えた。

だがティアは自分の中にある理想を崩そうとしない、いやもう崩せないのだ。ルークを導こうとはしても恋愛面においてはリードされたいし、お姫様のように受け身でありたいという清く美しい理想を・・・















戦争に繋がる道を止めるべく動く



その中でまた別の争いもまた起きつつあるがそれが始まるかはわからない



男女関係という戦いは・・・



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