戦乱に導かぬ為に

「・・・戻るか、あっちに行っても面倒そうなだけだし」
そして振り返り戻るルークにアニー達もその後を付いていく。






・・・それで二人のいる方の反対側に来た、ルーク達。
「・・・あの、ルークさん。何個か聞いてもいいですか?」
「ん?なんだよ?」
そこで誰もいないのを見計らったように質問をしたいと言ってきたアニーに、何かと振り返り返す。
「やっぱり、アッシュさんとナタリアさんの二人と顔を合わせるというのは気まずいんですか?」
「あ~・・・まぁ別に俺としちゃ気まずいって程でもないんだよ。ただ向こうが色々騒ぐっていうか、俺に対して思う所があるっぽいからあんま近付く気になんねぇんだよ。一々騒がれるとこっちだって嫌な気分になるし」
「そうですか・・・」
「んじゃ次に私が質問するけど、さっきの二人きりになってる状況あったじゃないか・・・正直、あの姿に関してルークはどう思ってるんだい?仲がいいのは別に悪いことじゃないと思うけど、どうにも二人ばかりでいすぎるあの姿を見てると私らの事を見てなさすぎじゃないのかって感じちまうのさ・・・」
「っ・・・お前らの事を見てなさすぎ、か・・・(確かにそうかも・・・少なくとも俺の見た所じゃアッシュは仕方無いにしても、ナタリアも皆と仲良く話してるなんて姿を見てないな・・・)」
それで質問を向けられアニーの物には普通に答えるのだが、ナナリーからの何とも言い難い様子での問いにルークも内心同様の複雑な気持ちを表情に現す。
「・・・まぁ別に、仲がいいのは悪いことじゃねぇってのは確かに俺も思う。ただお前らの事を見てないってのは、なんつーか・・・あいつらがお前らの事を軽く見てるってよりは、互いが互いの事を重く見てるんだろ」
「互いを重く見てる?」
「・・・言い方は気に入らねぇかもしれねぇけど、アッシュはどうかは知らねぇが少なくともナタリアはお前らの事を仲間とは思っちゃいるとは思う。それは間違っちゃいねぇとは思うけど、アッシュに関しちゃ違う・・・もしかしたらこの旅が終わればもう相手には会えないかもしれない。そうナタリアだけじゃなくアッシュも思ってると思うんだよ」
「・・・それで仲間の私達より、互いの事を重く見て優先的に交流してるってのかい?アッシュはともかくとしても、ナタリアまでさ」
「あぁ、というかナタリアだからこそって感じじゃねーかな・・・あいつからしたらこの旅でアッシュをキムラスカに戻せないってなんのは絶対に避けたい所だろうしな」
そしてどう言おうかと頭をかきながら言葉を選んで話を進めるルークは二人とも、特にナタリアがアドリビトムの面々との交流より優先していると言う。
「それでだけど・・・多分今のあいつらには何を言っても無駄っていうか、何か言ったらその分こじれそうになんのは目に見えてる。絶対に話さなきゃいけない事を話す時なら話は別だろうけど、自分達の事を邪魔されたとでも感じるような話を振られたら振られただけ余計にな・・・正直、今はそんなことになってほしくねぇんだよ。今後の事を考えるとな・・・(流石にミュウの前でティアの事を直接言うのはもしもの事を考えるとな・・・)」
「・・・成程ね。んじゃ今はあの二人に関しちゃ何も言わない方がいいってことかい。でもその状態っていつまで続くんだい、ルークの予想じゃ?」
「・・・さぁな。少なくとも二人がもう離れねぇって互いに誓いあった上でキムラスカに戻っても問題なく迎えられる状況でもねぇと、まず無理だろ」
「つまりは事が無事に済むまでって事じゃないか・・・だったら変に私達が話し掛けるよりは向こうから話し掛けてくるのを待った方がいいって事かね?」
「だと思うぜ、俺は」
「成程・・・んじゃそうするかね、私らも変に怒られたくないしね」
その上で話を進めるルークは二人にとっていい状況が来るまでは難しいと言い切り、ナナリーも納得する。余計な事をしたら、それこそ余計な事になりかねないと感じた様子で。








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