戦乱に導かぬ為に

「それなら・・・これからティアさんに対してどうするかというのは考えているんですか?ティアさんの様子でルークさんの言うようしばらく話しかけてこないにしても、またしばらくすれば話しかけてくると思いますが・・・」
「・・・それだけど、俺に話しかけるなって言ってもどうしようもないって言うかむしろなんでって怒り出すのが目に見えてるから・・・適当にって言う言い方はティアからしたら不本意だろうけど、真剣っぼい感じで流すように話すようにするよ。そしてこれは皆じゃなくて他ならない俺がやらないと意味がないことだと思うから、もし皆が同じように気にしてるならすずからそう言っといてほしいな」
「・・・そうですね、分かりました。では皆さんにそう伝えに行きたいと思います。では・・・」
すずはそこから対策についてを聞くが流して話すしかないだろうとルークが言えば、素直に聞き入れた上で一礼をした後に部屋を出ていく。
「・・・どうなんだろうな、ホントに・・・」
その姿を見届けた後にルークは改めて前途に不安を感じ呟く。ティアとの関係がこれからどうなるか真剣に分からないために・・・



「・・・そう、ティアがそこまで・・・」
「はい・・・ルークさんは大丈夫だといった風に言っていましたが、これからの事を考えると一層ティアさんが動くのは明白です」
「なら、手遅れにならない内にこちらも行動に移さないと・・・」
場所は代わり、アドリビトムのメンバーが集まる部屋の中。すずを囲み、メンバーは真剣な表情になっていた。やはりティアに関しては、安穏としていられないと・・・















・・・そんな一行だが、それ以降は特に何か起こることもなくケテルブルクの港まで船は辿り着いた。



「・・・一先ず今日はケテルブルクに向かい、一泊します。後は自由にしてもらって構いませんが、明日の朝食が済んだらまたこちらに来てください。一応我々の為に用意してもらった船ですから出航はいつでも大丈夫だとは思いますが、あまり遅すぎても任務の妨げになりますからそれくらいの時間でちょうどいいくらいになるでしょう」
それで港に降り立った一行はジェイドからの話を黙って聞く。明日までの流れについてを。
「ケテルブルクはすぐ近くですから、迷うことはないでしょう。私は行きます、では・・・」
そのままジェイドがさっさと場を後にしていく様子に、一行もチラホラとその後に付いていく。
「・・・行かないんですか、ルークさん?」
「んあ?・・・ケテルブルクは近くなんだろ?だったらもうちょいここにいるよ。別にすぐ来いなんて言われてないしな」
「・・・だったら私も一緒にいますよ」
「んじゃ私もいるよ。すぐに行かなきゃなんない訳じゃないんだしね」
「・・・そうしたきゃ勝手にしろよ。おもしれぇ話もなんもねぇけどな」
「そうさせてもらうさ」
(出来れば一人で考え事したかったんだけどな、ミュウはいるけど頻繁に話し掛けてくるわけではないから考える時間は十分に取れるだろうし・・・まぁティアが話しかけてくるよりはいいか)
そんな中で一人港に残るルークにアニーとナナリーが一緒に残ると言い出し、強く反対も出来ずに仕方無いと諦める。一人で物を考える事を。









・・・そんな風にして港に残ったルークだが、アニーとナナリーの存在・・・特にはナナリーの格好は寒いだろうと考え、すぐに考えを中断してケテルブルクに向かった。無論、二人も一緒に付いてくる形でだ。



「ん・・・あれはアッシュに、ナタリアか・・・」
・・・それで街に入って宿の手続きを済ませ街中を歩いていたルーク達だが、ふと遠目のベンチに座るアッシュとナタリアの姿が見えたことにルークは立ち止まる。







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