かつての始まりは既に変貌している
「・・・良かった、追い付いた」
「・・・追い付いたって、なんだよ?別に俺とお前らは何も関係ねぇだろ」
「失礼。貴殿方がどのような目的でエンゲーブに来たかは知りませんが、朝方起きた時に貴殿方がいない事とケセドニアでもセントビナーでもなく、北の方角に向かったことを知りましたから失礼かとは思いましたが追い掛けさせていただきました。もし間違えてグランコクマに向かわれたと言うのなら最悪の可能性としては即刻貴殿方が捕らえられ、戦争の為の手駒にされかねないと思った為に」
「っ!」
「っ・・・マジかよ・・・」
呆然とするルーク達の中でアドリビトムのメンバーが二人の前に来た。そしてクレスの嬉しそうな顔と声にルークが不機嫌な顔を作るが、眼鏡を押さえながら端から見た状況のまずさをヒューバートが言ったことにティアもルークもハッと息を呑んだ。
(・・・クレス達は戦争にならないようにって思って俺達を追い掛けてきたのか・・・変わってないな、そう言った事を考えて動く在り方は・・・)
(・・・しくじったわね・・・今の状況ではルークの存在は預言もあって確かに戦争の引き金になりかねない状況なのに、それを気にせず動いてこんな人達を呼び寄せてしまうなんて・・・)
そしてその心中でルークは懐かしみほっこりとした気持ちで、ティアは苛立ちにすさんだ気持ちと全く違う考えに満ちていた。
(・・・でもどうしようかな、これから・・・アドリビトムのメンバーが全員揃ってないってのは見てて分かるしヒューバートって奴みたいに俺の知らない顔も何人か混ざってるけど、皆がこの状況を放っておくとは思えないし・・・それにそもそもを言うなら今の時点ですら前の状況とは大分違うから前のようにスッと行くとも思えないしな・・・)
(どうしたものかしら、この状況・・・流石に以前より私も腕があるといってもこの人数が相手だと譜歌も歌えるとは思えないけど、かといってこのままこの状況に流されていたら以前のようになんて行かないと思うし・・・)
そんな気持ちの中で両者は似てこそいるが、決定的に違う想いに考えを抱いていた。そして先に考えを決めたルークが口を開く。
「・・・か、勘違いすんなよ!べ、別に俺は好きでこっちに来たわけじゃねー!単に間違えただけだっつーの!お前らに心配されるような事じゃねー!それにもうここからとっとと出てカイツールに向かうんだからお前らの心配はいらねぇよ!」
「っ、そうよ、貴方達にはもう関係のないことよ」
焦りつつも精一杯自分達の事をまくしたてていくルークにティアもすぐに乗っかり、関係ないからと拒否を示す。だが両者からのその言葉に対しクレスが浮かべているのは変わらぬ笑顔である。
「そうか・・・でも僕達も君達の無事を確認出来たからこの森を出ようと思うのだけれどいいかな?一緒に行っても」
「はぁっ!?・・・だーっ!そうしたいんなら勝手にしろよ!別に俺はお前らの事なんざ知らねぇからな!」
「ちょっとルーク、何を勝手に決めて・・・!」
そして一緒に行こうと誘いをかける声を向けてきた事にルークは苛立ちも最高潮に勝手にしろと吐き捨てるが、それは避けたいティアは批難の声を向ける。
「こいつらが付いてくんのが嫌ならお前が言えよ!それにこいつらは帰るっつってんのに一緒に行くのは嫌だから待てってのもおかしいだろ!」
「っ・・・それは、そうだけれど・・・」
「もうめんどくせぇから話をすんならお前一人でやれよ!んなもんに付き合う気はねぇから俺はとっとと先に行くからな!」
「あっ・・・ルーク・・・」
しかしすぐさま道理を押さえた上での反論を食らいティアは視線をさ迷わせ、ルークは後は自分でやれと言いきって後ろからかかる引き留めるような声を気にせずアドリビトムのメンバーの横を通りすぎてズンズンと場を後にしていく。
(これでいい・・・どうせクレス達を説得するにしたってうまくいくとも思えないしな。ヒューバートとか他にも説得難しそうなのがいるし・・・それにここまで来たからにはもう以前のようにだとかってことにこだわるより、その違いを受け止めた上で行動しないといけないんだ。じゃないと一々その考えに引っ張られたら何も出来なくなりそうだしな・・・皆の事に限らず色々と・・・そしてその中で皆と離れる術を探して実行出来れば、それでいい・・・)
そして一人歩く中でルークはその心中で考えていた。違いを受け止める事に、こだわりを捨て自発的に行動する事が大事・・・そしてその上でアドリビトムの面々と離れられればいいと。
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「・・・追い付いたって、なんだよ?別に俺とお前らは何も関係ねぇだろ」
「失礼。貴殿方がどのような目的でエンゲーブに来たかは知りませんが、朝方起きた時に貴殿方がいない事とケセドニアでもセントビナーでもなく、北の方角に向かったことを知りましたから失礼かとは思いましたが追い掛けさせていただきました。もし間違えてグランコクマに向かわれたと言うのなら最悪の可能性としては即刻貴殿方が捕らえられ、戦争の為の手駒にされかねないと思った為に」
「っ!」
「っ・・・マジかよ・・・」
呆然とするルーク達の中でアドリビトムのメンバーが二人の前に来た。そしてクレスの嬉しそうな顔と声にルークが不機嫌な顔を作るが、眼鏡を押さえながら端から見た状況のまずさをヒューバートが言ったことにティアもルークもハッと息を呑んだ。
(・・・クレス達は戦争にならないようにって思って俺達を追い掛けてきたのか・・・変わってないな、そう言った事を考えて動く在り方は・・・)
(・・・しくじったわね・・・今の状況ではルークの存在は預言もあって確かに戦争の引き金になりかねない状況なのに、それを気にせず動いてこんな人達を呼び寄せてしまうなんて・・・)
そしてその心中でルークは懐かしみほっこりとした気持ちで、ティアは苛立ちにすさんだ気持ちと全く違う考えに満ちていた。
(・・・でもどうしようかな、これから・・・アドリビトムのメンバーが全員揃ってないってのは見てて分かるしヒューバートって奴みたいに俺の知らない顔も何人か混ざってるけど、皆がこの状況を放っておくとは思えないし・・・それにそもそもを言うなら今の時点ですら前の状況とは大分違うから前のようにスッと行くとも思えないしな・・・)
(どうしたものかしら、この状況・・・流石に以前より私も腕があるといってもこの人数が相手だと譜歌も歌えるとは思えないけど、かといってこのままこの状況に流されていたら以前のようになんて行かないと思うし・・・)
そんな気持ちの中で両者は似てこそいるが、決定的に違う想いに考えを抱いていた。そして先に考えを決めたルークが口を開く。
「・・・か、勘違いすんなよ!べ、別に俺は好きでこっちに来たわけじゃねー!単に間違えただけだっつーの!お前らに心配されるような事じゃねー!それにもうここからとっとと出てカイツールに向かうんだからお前らの心配はいらねぇよ!」
「っ、そうよ、貴方達にはもう関係のないことよ」
焦りつつも精一杯自分達の事をまくしたてていくルークにティアもすぐに乗っかり、関係ないからと拒否を示す。だが両者からのその言葉に対しクレスが浮かべているのは変わらぬ笑顔である。
「そうか・・・でも僕達も君達の無事を確認出来たからこの森を出ようと思うのだけれどいいかな?一緒に行っても」
「はぁっ!?・・・だーっ!そうしたいんなら勝手にしろよ!別に俺はお前らの事なんざ知らねぇからな!」
「ちょっとルーク、何を勝手に決めて・・・!」
そして一緒に行こうと誘いをかける声を向けてきた事にルークは苛立ちも最高潮に勝手にしろと吐き捨てるが、それは避けたいティアは批難の声を向ける。
「こいつらが付いてくんのが嫌ならお前が言えよ!それにこいつらは帰るっつってんのに一緒に行くのは嫌だから待てってのもおかしいだろ!」
「っ・・・それは、そうだけれど・・・」
「もうめんどくせぇから話をすんならお前一人でやれよ!んなもんに付き合う気はねぇから俺はとっとと先に行くからな!」
「あっ・・・ルーク・・・」
しかしすぐさま道理を押さえた上での反論を食らいティアは視線をさ迷わせ、ルークは後は自分でやれと言いきって後ろからかかる引き留めるような声を気にせずアドリビトムのメンバーの横を通りすぎてズンズンと場を後にしていく。
(これでいい・・・どうせクレス達を説得するにしたってうまくいくとも思えないしな。ヒューバートとか他にも説得難しそうなのがいるし・・・それにここまで来たからにはもう以前のようにだとかってことにこだわるより、その違いを受け止めた上で行動しないといけないんだ。じゃないと一々その考えに引っ張られたら何も出来なくなりそうだしな・・・皆の事に限らず色々と・・・そしてその中で皆と離れる術を探して実行出来れば、それでいい・・・)
そして一人歩く中でルークはその心中で考えていた。違いを受け止める事に、こだわりを捨て自発的に行動する事が大事・・・そしてその上でアドリビトムの面々と離れられればいいと。
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