戦乱に導かぬ為に

「それでだが、その飛行譜業とやらの軍事運用が有り得るのかどうかということもだが場合によってはその飛行譜業を造っている技術者達を取り込めないか・・・という話になった」
「技術者達を、取り込む?」
「あぁ、こちらにはマルクトとの繋がりを明らかにしなければどこの誰かと身分はよく分からない面々は何人もいる。それでキムラスカにバレないよう秘密裏に技術者達に接触して取り込めるならよし、それが駄目なら駄目で軍事運用がされるどうかを調べられれば最低限役割を果たせる・・・という訳だ」
「そういうことですか・・・(成程、そういう理由か・・・)」
その疑問の様子にピオニーは一応の目的を話し、最高と最低限の目的があることを知りルークは内外ともに納得する。
「そうだ。ただこれ以外にもまた何かあるというなら、お前達からも何か意見を聞くが・・・」
「それでしたらどう意見を採用するかどうかにまだ何かあるかは別にしても、ダイクロフトでの移動は出来ませんね。この後のカイツールのキムラスカ兵を救いに行くことを考えれば、ダイクロフトで移動するのを待っていては時間がかかるばかりです」
「成程・・・道中の事を考えれば仕方ない、か・・・」
ピオニーは辺りを見渡し他に意見をと求めるとジェイドからダイクロフトの今後についてを聞き、やむなしと表情を歪める。
「・・・陛下、申し訳ありませんが我々はグランコクマに着いてそう時間が経っていません。少し相談の為にも我々に時間をいただけないでしょうか?」
「・・・そうだな、着いて間もないお前達に早急に意見を求め過ぎたか・・・よし、今日は部屋を用意するから宮殿に泊まるといい。おそらくキムラスカ側は外殻大地が大丈夫と確定出来るまではこちらに戦争を仕掛けてこないだろうから、しばらく余裕もあると思う。また明日に時間を設けるから、今日は相談しながらゆっくり休むといい」
「はっ、ありがとうございます」
(一先ず場は解散、か・・・まぁ妥当な所じゃあるけど、なんかティアがやけに静かだったのが気になるな・・・)
リオンがそこに時間が欲しいと丁寧に言うとピオニーがすぐに了承したことに頭を下げるのだが、ルークは内心でティアがやけに大人しく一言も話していない事に引っ掛かりを覚えていた。



(・・・話は終わったようね。彼らが案があると言い出したから何事かと思ったけど、これからの事を考えると特にアルビオールの事は必要になるからここはなんとしても事をうまく進めないと・・・!)
対してそのティアだが、種明かしをすればなんて事はなく・・・必要だと思うから黙っていた、それだけのことだ。アルビオールには前に大いに世話になったこともあって、これからの為に必要だと思い。
(・・・でも今はルークに接触しないと・・・今のピオニー陛下の前じゃ流石にしおらしい態度じゃあったけど、これまで大分時間が空いたからこの辺りで彼が今どうなっているのか確認しないと・・・!)
そしてアルビオールからルークの方へとティアは考えを移す。今の状態はどのような物かと・・・












・・・そんな風にルークとティアが思う形で一同は前に使っていたよう三つの部屋をあてがわれた。そしてその中の部屋の一つに一同は集まった。



「・・・しかし、集まりはしたが特に何かあるわけでもないですね」
「一応俺達も色々考えた上で提案することを提案した結果だからな、あれは。こちらが言うべき事は言ったから、そちらが何もなければ何もないだろう」
「そうなるんですね・・・」
・・・それで話をしたのだが、特に何かいい案が更に出るでもない一同の中でフレンとウィルの会話が室内に響く。これで話は終わりとばかりに。









6/22ページ
スキ