戦乱に導かぬ為に

・・・カイツールからセントビナーへと移動するルーク達。だが正確には装置を設置するには時間は必要としないので、ジェイドへの誤魔化しの為に時間を使って一同はセントビナーへと辿り着いた。









「・・・外殻大地にダイクロフト・・・話が大きすぎて、どうにも信じようがありませんな・・・」
「じゃがジェイド坊やがこうやってセントビナーに来た以上は信じぬ訳にもいかぬじゃろう・・・現にこの街は話によれば魔界に降りてきたのだし・・・」
「信じられないとの気持ちは分かりますが、まずはダイクロフトに来てはいただけないでしょうか?それで本当だと確定出来たなら住民に兵士達を救助するためにも我々に従っていただきたいのですが・・・」
「いや、すぐに避難の準備を進めよう」
「父上!?」
「今の状況では時間をかけても事態は動かんだろうし、本当に外殻大地から魔界に降りたのだとしたら陛下に指揮を仰ぐ事も出来んのだろう・・・今はジェイド坊やの言うことに従うのがこの街を任された我らのやるべきことだ」
「・・・分かりました。すぐに準備に取り掛かりましょう」
・・・そしてセントビナーの軍の駐屯地でマクガヴァン親子と話すジェイドに老マクガヴァンが賛同を示し、グレンが反対しそうに声を上げるがやむなしと頷く。
「では我々は街の外で待っていますので、準備が出来ましたらどんどんと人を送り出してください」
「うむ、分かった」
それで退出を切り出せば老マクガヴァンは頷き、ジェイド達は場を後にしていく。



「・・・話が早くて助かりました。こちらもあまり時間をかけてもいられませんから」
「元帥は話の分かるお方ですからね」
それで街の外の装置の前に来た一同の中、フィリアの声にジェイドは当然とばかりに返す。
「ともあれ、これで一応はセントビナーの救助も済みました。後残る問題としてはキムラスカがどのように動くかもそうですが、こちらがどう動くかです」
「・・・それは、戦争を止めるって意味だよな?」
「えぇ、そうですよ。こちらとしては預言による戦争など望んではいませんから。ただ私としては少し懸念があります・・・それはナタリアもそうですが、アッシュの存在です」
「二人の・・・?」
ジェイドは続けて今後の事についてを話していきルークは一応の意味で確認を取るが、そこで出てきた二人の名前に眉を寄せる。
「あの二人がいないからこそ言わせていただきますが、私はナタリアに関してはあまり口出しをしてほしくないと思っています。その理由は彼女の立場上仕方無いとは思いますが、キムラスカの側に寄った考え方にあります。そしてアッシュはそんなナタリアを基本的に擁護するような事を言います。彼女に嫌われるのを避けるかのようにです・・・これからの事を考えるとそういった私心は歓迎出来ないんですよ」
「・・・あー、言いたいことはわかんだけどお前それを俺に言っていいのかよ?俺一応キムラスカの人間なんだけど・・・」
「少し前でしたらそうだったかもしれませんが、先のカイツールでの会話やアッシュをわざわざ避ける様子からすれば自分から気まずくなるような事はナタリアに言い出さない・・・そう思ったんですよ」
「うっわ・・・否定してぇけど否定出来ねぇのが余計に腹立つ・・・!(まぁジェイドらしいっちゃらしいか、こういった予想に関しては・・・)」
ジェイドは珍しくも自身の思う二人に対しての印象を話していきルークは戸惑いながら何故言ったのか聞くが、余裕を持った予測の返しに苛立ちを見せながらもむしろ内心で納得する。ジェイドらしいと思う形で。











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