口火を消すという意味

・・・それでその後、ダイクロフトの様子を見に来たキムラスカ兵士の団体がその中の光景を見て驚愕して納得した後に説得は任せてほしいとルークに言って団体は再び地上へと戻っていった。

そしてマルクト兵士がダイクロフトに昇ってくるのと外殻大地上にまで装置を動かすまで時間がかかるということで、ルークを含めて各自部屋で待つことになった。









「・・・やぁ、ルーク」
「あ、アスベルにユーリか・・・外殻大地上に装置の設置は済んだのか?」
「そうだ。一応こっちに顔を出さないと不自然に思われるだろうから、顔を出させてもらったぜ」
それでルークがいる部屋にアスベルとユーリの二人が来て、準備は出来たと伝えてくれる。
「んじゃ後は頼むわ。何だったらアッシュの事を聞いた俺が行くの嫌だっつったとでも言ってくれりゃいいから」
「あぁ、じゃあ失礼するよ」
それで一応自分が言い出したことにするように言うルークにアスベルが頷き、二人は部屋を出ていく。
(・・・後はしばらくこっちで過ごすだけだけど、あの会話からこれまでの間でティア来なかったな・・・なんとなくあの様子だと一回くらいこっちに来そうな感じに思えたんだけど・・・)
それでミュウに自分の考えていることを漏らさないよう静かに脳内で思考を巡らせていくルークは、ティアの事に不自然さを感じる。時間があったのに何故来なかったのかと。









(今回は是が非でもルークと一緒に辻馬車に乗るわ・・・!・・・流石にちょっと私が頑なになりすぎたから、ルークも私に対して何かを聞こうとする気持ちを無くしたのかもしれない・・・けれどこれからは違うわ・・・彼の為にも疑問があるなら答えれる物については答えていって、髪を切った後のような関係にしていくのよ・・・!)
その一方で続々と装置の前に人が集まる中に来たティアは一人、ルークに対してやる気に満ちた考えを抱いていた。それも自分が悪いと考える形でだ・・・ここでティアがルークの元に行かなかった理由なのだが、辻馬車で会話をしようと考えたのもあるが単に考えに没頭していたのである。自分が悪かったのかと。その結果として身を引きすぎていたと考え、そろそろ動き出そうと思ったのである。関係性をかつての物のようにしていく為にも。
「・・・さて、皆集まったかな?けどそれにしてはルークの姿がないような・・・」
「あぁ、それならあいつはちょっとこっちに残るように俺が言っといた。今頃部屋でゆっくりしてるだろうよ」
(はっ!?)
だがその考えを阻止するかのようクレスとユーリの目の端でしていた何気無い会話がティアの耳に届いたことにより、たまらず声を上げそうになりながらグルッと顔を向けた。
「どうしてそう言ったんだい?」
「さっきキムラスカ側に行った時にルークとナタリアが会話をして、その会話の中身を聞いたアッシュがキレそうだっただろ。んで顔を合わせた瞬間喧嘩になるなんてのは面倒になりそうだから、今回はこっちに残れっつっといた」
「そういうことか」
(アッシュっ・・・もう、こんな時に余計な事をしてくれたわ!この人の判断は余計って言いたいけど、今ここで喧嘩をしても余計な時間を食うだけだし・・・あぁっ、もう!)
続いてクレスとユーリの会話を聞いて非難しようにも非難しきれない中身なだけに、ティアは内心で思い通りにいかないジレンマに陥る・・・ルーク自身はティアの事を求めるどころか、むしろ逆の事を考えている事についてを感付けないまま・・・












・・・そんな風にティアが考えてはいても時が止まる訳でもなく事態は進み、一同は外殻大地に降りてからの流れを装置の前で改めて確認した後に外殻大地上に降り立った。ルークは結局ダイクロフトに残ったまま・・・










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