口火を消すという意味
(なんで・・・確かに私はそういった時は何も言わないのはよくあった・・・でもどうしてルークがあんな目で、それを聞かないようになるの・・・!?)
・・・ティアからしてみれば、ルークは自分の行動に対しては無関心でいないはずというのが自然な存在なのである。ワガママな時であれば突っ掛かってきて、遠慮を知ってからは自分を気遣う形でだ。だが今の反応はそのどちらでもなかったどころか、ルークから自分に対してどうせ聞いても意味がないと突き放すようでいて無関心な目を向けられた事は初めての経験だった。
それはルークを求めて過去にまで来たティアからしてみれば予想外な反応であると共に、もしそれが続いたなら自分がこうまでした意味は何なのか・・・そう考えるといかにティアと言えど、途端に怖くなってしまったのだ。いかに自分がルークを求めたとて肝心の当人の心が全く動かないとなったなら意味がないどころの話ではないと、そう思ったが為に。
(・・・なんでティアの顔、青くなってんだ?俺なんかティアが怒るような事はともかく、まずいって思わせるようなこと言ったっけ・・・?)
一方でルークはティアの変貌を確認しつつも、内心で首を傾げていた。ティアならあの言い方で怒りはしても、顔を青ざめさせるような事にはならないはずだと。
「・・・つー訳だからもういいだろ。これ以上理由を聞かれたって何も出てこねぇんだからお前も休憩所入っとけよ」
「っ!・・・わかった、わ・・・」
(・・・マジでなんなんだ?変に追求してもらしくないと思ったから何も言わなかったけど、流石にどういうことかって聞きたい・・・でも何か、単純に聞いたらまずい気がする・・・何がまずいのかわからないけど・・・)
だが必要以上に話をしないよう休めとルークは追い払うように言うが、ティアが明らかに意気消沈してトボトボ歩いていく姿に疑問と同時にえもいわれぬ不安を抱く。そうしていたなら触れてはいけない物に触れていたのではないかと。
「・・・大丈夫ですか、ルークさん?」
「・・・すずにアニーか。俺は別になんもねーよ」
そこにすずとアニーが様子を見ていたと声をかけてくるが、カイツールに戻って来た時点で足下にミュウがいるためルークは演技を崩さず返す。
「離れた所で様子を見てたんですが・・・心配の声をかけそうになったんじゃないんですか?」
「・・・そういった事を言うべきじゃねぇって感じたんだよ。多分あそこで心配じゃなくても突っ込むようなこと言ったら何が起こるか分からないって、そう思わせるような何かがティアにあった・・・」
「っ・・・そう感じるほど、だったんですか?」
「・・・本人に言ったらどうなるか分かんなかったけど、そう感じるほどだったってのは事実だ」
すずが暗に素を出しそうになったのではと言うが、ルークが視線を背け重く語る様子にアニーもまたティアの発したモノが相当だったと察して表情と声を重くする。
「・・・ティアのこと気にすんなってのは無理があるだろうけど、今はそこには触れないでくれ。ここで話すような中身じゃないしな」
「・・・分かりました。では私達は休憩所に入りますのでゆっくりしていてください」
ルークはそこで話をこれ以上するべきでないと打ち切るように言い、すずとアニーは頷き休憩所へと向かう。
「ご主人様・・・僕も、あの時のティアさん変だと思ったですの・・・」
「・・・気にすんなっつったろ。だからあいつの前でそれを蒸し返すような事を言うな、分かったな?」
「はいですの・・・」
二人が離れたのを見てミュウまでもが不安に顔を落としてティアの事を言うが、ルークはただ黙るように言うしか出来なかった。得体の知れないティアを相手にどうするべきか、分からなかった為に。
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・・・ティアからしてみれば、ルークは自分の行動に対しては無関心でいないはずというのが自然な存在なのである。ワガママな時であれば突っ掛かってきて、遠慮を知ってからは自分を気遣う形でだ。だが今の反応はそのどちらでもなかったどころか、ルークから自分に対してどうせ聞いても意味がないと突き放すようでいて無関心な目を向けられた事は初めての経験だった。
それはルークを求めて過去にまで来たティアからしてみれば予想外な反応であると共に、もしそれが続いたなら自分がこうまでした意味は何なのか・・・そう考えるといかにティアと言えど、途端に怖くなってしまったのだ。いかに自分がルークを求めたとて肝心の当人の心が全く動かないとなったなら意味がないどころの話ではないと、そう思ったが為に。
(・・・なんでティアの顔、青くなってんだ?俺なんかティアが怒るような事はともかく、まずいって思わせるようなこと言ったっけ・・・?)
一方でルークはティアの変貌を確認しつつも、内心で首を傾げていた。ティアならあの言い方で怒りはしても、顔を青ざめさせるような事にはならないはずだと。
「・・・つー訳だからもういいだろ。これ以上理由を聞かれたって何も出てこねぇんだからお前も休憩所入っとけよ」
「っ!・・・わかった、わ・・・」
(・・・マジでなんなんだ?変に追求してもらしくないと思ったから何も言わなかったけど、流石にどういうことかって聞きたい・・・でも何か、単純に聞いたらまずい気がする・・・何がまずいのかわからないけど・・・)
だが必要以上に話をしないよう休めとルークは追い払うように言うが、ティアが明らかに意気消沈してトボトボ歩いていく姿に疑問と同時にえもいわれぬ不安を抱く。そうしていたなら触れてはいけない物に触れていたのではないかと。
「・・・大丈夫ですか、ルークさん?」
「・・・すずにアニーか。俺は別になんもねーよ」
そこにすずとアニーが様子を見ていたと声をかけてくるが、カイツールに戻って来た時点で足下にミュウがいるためルークは演技を崩さず返す。
「離れた所で様子を見てたんですが・・・心配の声をかけそうになったんじゃないんですか?」
「・・・そういった事を言うべきじゃねぇって感じたんだよ。多分あそこで心配じゃなくても突っ込むようなこと言ったら何が起こるか分からないって、そう思わせるような何かがティアにあった・・・」
「っ・・・そう感じるほど、だったんですか?」
「・・・本人に言ったらどうなるか分かんなかったけど、そう感じるほどだったってのは事実だ」
すずが暗に素を出しそうになったのではと言うが、ルークが視線を背け重く語る様子にアニーもまたティアの発したモノが相当だったと察して表情と声を重くする。
「・・・ティアのこと気にすんなってのは無理があるだろうけど、今はそこには触れないでくれ。ここで話すような中身じゃないしな」
「・・・分かりました。では私達は休憩所に入りますのでゆっくりしていてください」
ルークはそこで話をこれ以上するべきでないと打ち切るように言い、すずとアニーは頷き休憩所へと向かう。
「ご主人様・・・僕も、あの時のティアさん変だと思ったですの・・・」
「・・・気にすんなっつったろ。だからあいつの前でそれを蒸し返すような事を言うな、分かったな?」
「はいですの・・・」
二人が離れたのを見てミュウまでもが不安に顔を落としてティアの事を言うが、ルークはただ黙るように言うしか出来なかった。得体の知れないティアを相手にどうするべきか、分からなかった為に。
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