口火を消すという意味

「じゃあクレスにナナリーにジュディス、導師と一緒にいてくれ。この辺りに魔物は来ないとは思うが、一応の安全の為にな」
「うん、わかった」
「では行こう、皆」
ウィルはそこで三人に一緒に待つように頼み、クレスが快く頷き他の二人も頷く姿を見て一同を先導して歩き出す。セフィロトの中へと。









・・・それでセフィロトの中を進んでいく一同だったが、ミュウがいるために特に仕掛けにてこずる事なく操作が出来る状況になった。



(はぁ・・・ルークはミュウを邪魔だと思ったからこっちにやったんでしょうけど、それがなかったらここの仕掛けを解けなかった・・・喜ぶべきなのかどうか、ハッキリしないわ・・・)
そして操作盤の前に来たティアは複雑な気持ちを抱く、ミュウがいてくれたこととルークの態度がどうにもスッキリしないことに。
「・・・っ・・・!(この感覚もまた、久しぶりね・・・出来るならすぐにベルケンドに行って障気を抑える薬をもらいたいところだけど、せめてもうちょっと待たないと・・・キムラスカとの関係もあるし・・・)」
と、ティアは久方ぶりに障気が体に流れ込む感覚に痛みを感じて妙な懐かしみを感じる中、早くベルケンドに行きたいと考える。流石に命を蝕む程の痛みを放っておくわけにもいかないために。
「・・・なぁ、ユリア式封呪ってもう解除出来たのか?」
「あぁ、調べた結果によれば解除はダアト式封呪と違いパッセージリングの前にユリアの血族が立てばいいらしい。後は操作盤を操作すれば大地を魔界に降下出来るはずだが・・・よし、操作出来るな」
(えっ!?パッセージリングの操作が出来る!?どういうこと、兄さんはここに来て・・・って、そうね・・・そもそもここの入口は開いてなかったんだから、兄さんはここに来れないんだし・・・でも、兄さんは他のセフィロトに行ってないの?兄さんなら他のセフィロトに行って操作を自分だけにしか出来ないようにしててもおかしくないはずなのに・・・どういうこと、一体・・・?)
ユーリがパッと見て大きな変化がない事に疑問の口を挟みウィルが操作盤に手をつけていくのだが、ナチュラルに操作が出来るとの答えにティアは内心ではてんやわんやだった。ヴァンはそんな見落しに等しいことをしているのか、らしくないと出来る兄を持つ妹の視点から見る形で。
「・・・よし、これでこのシュレーの丘が支える大地を魔界にゆっくりと降下させるように設定出来た。後は・・・」
‘ゴォォォ・・・’
「っと・・・外殻大地の降下が始まったか・・・カイツールに向かうぞ。ルーク達も報告を待っているだろうし時間が経てば経つほど後々の対応に困ることになるだろうしな」
「はい、ではすぐに行きましょう」
(あぁっ・・・色々と気になることはあるのに、それをゆっくり考えるための時間もない・・・!)
ウィルが話を先導する中で外殻大地が降下する感覚に皆が辺りをキョロキョロしだし、話を戻し早く戻るべきと言うとすずが頷いて一同は場を後にしていく。そんな中でティアは不満を言いたいが言えないと、黙って後についていく中で内心だけで声を荒らげていた。









「・・・ん?なんか妙な感覚だな・・・」
「おそらくこれがパッセージリングの操作をした結果でしょう。となれば、おそらくキムラスカ側もそろそろ気付いてる頃でしょうね。この異変に」
「まぁそうなるよな・・・」
・・・同じ頃、カイツールにいるルーク達は合流したジェイドと共に外殻大地が降下したことを感じて会話を交わしていた。来るべき時が来たと。










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