口火を消すという意味

「・・・ま、そこのところは覚悟してるからさ。気にしないでくれよ、むしろ気にされればされるほどこっちが辛くなるしさ」
「・・・はい、分かりました」
そこからルークは笑顔を作り話を止めるように願えば、アニーも複雑な顔をしながらも頷く。
「・・・とりあえず向こうに行った皆がこっちに来るまでゆっくり待とうぜ。戦争が始まるにしてもそうでないにしても、どっちにしたって俺達は待つしかないんだしな」
「えぇ、そうしましょう。その後どうなるかはまだ確定していませんが、最悪の場合を想定すると色々と忙しくなるでしょうし休める内に休むべきです」
そこからすぐさま話題転換するルークにヒューバートも頷く。休養するべきと。















・・・そんな形でルーク達がカイツールで休養している時から少し時間は経ち、シュレーの丘の近辺にティア達を乗せた辻馬車は止まった。



「・・・ここがシュレーの丘ですか。ここにセフィロトがあるというのは知ってはいても、入口はどこにあるんでしょうか?」
(あ・・・そう言えばイオン様は今回シュレーの丘に来てなかったんだったわ・・・)
そしてセフィロトの入口のある場の近くに来たのだが、イオンがキョロキョロ辺りを見渡す様子にティアは失念していたと考える。まぁティアは予想もしない形でミュウが来たことに加え、ソーサラーリングがないと先に進めないことを忘れていた事に考えが行っていただけなのだが・・・本人に自覚もないし、指摘する者もいないのでティアがそのことに気付くことはない。
(でもそれならそれで私が動かないといけないわね・・・ここの仕掛けの事もあるし・・・)
「それなら心配はいりません。こちらでセフィロトに繋がる道については調べはしています」
「そうなんですか?」
「はい、お任せ下さい」
(っ・・・そんなことまで調べてるというの・・・!?)
そこからティアは気を取り直し自分が先導しようと意気込むが、ユージーンが調べはついてると言い出したことに苛立ちに歯を噛み締める。
「その為にも少し時間が欲しいのですが、ミュウ・・・一緒に来てもらってもいいか?」
「みゅう?僕ですの?」
「あぁ、本当なら別の手を用いて仕掛けを解くつもりだったがソーサラーリングを用いるのが本来のセフィロトへの入り方だと調べで出てきたんでな。だから協力してもらいたいんだが、いいか?」
「任せてくださいですの!ご主人様に手助けしろって言われたから頑張るですの!」
(あぁっ、ミュウ・・・確かに必要な事ではあるけれど、それは私の役目・・・!)
続けてユージーンがミュウに声をかけて協力を願うと元気よくそちらに近付いていき、ティアは更に一層歯を噛む。仕掛けを解くのとミュウに気に入られる、二つ共に自分がやるべきことだと思っていた為に。
「では導師達は少しお待ちを。仕掛けについては調べがついていますが大人数で行っても仕方ありませんのですぐに解いてきます」
「はい、お任せします」
(あぁっ、もう!・・・でも今の流れで何も知らないはずの私がやりますなんて言ったら、おかしなことだとしか言えないのは目に見えてるし・・・こんなことがいつまでも続くのは嫌だし、どうにかしないと・・・!)
そしてユージーンがイオンに行くと言いミュウと共に場を後にしていく姿に、じれったさに苛立ち考える。状況打開の為にどうにかしなければと。






・・・それで数分後、セフィロトに繋がるダアト式封呪の扉への道が姿を現した。









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