崩壊し行くかつて
「僕達からしての最終的な目的は言ってしまえば預言通りにさせないこと・・・そこに尽きます。ですから今の状況において最優先なのはキムラスカの戦力を無くすことです」
「キ、キムラスカの戦力をって・・・」
「カイツールのキムラスカの戦力は国境を守っていることもありますが、相当数の兵士がいます。それだけの数の兵士がいなければキムラスカからしてもマルクトを再び攻めようと考えるにしても二の足を踏むでしょうし、もし強行してもカイツールの戦力があればマルクトが兵力の上では簡単に負けることもないでしょうからね」
「!?ちょっと待って!・・・まさか貴方達、キムラスカが負ければいいと思っているの・・・!?」
「えっ・・・!?」
ヒューバートが冷静に話を続けるのをナタリアは戸惑いながら聞くが、マルクト寄りとも取れる発言にたまらず食い付いたティアに驚愕の目を向ける。
「そうは言ってはいません。あくまでこちらの狙いはキムラスカに戦争を踏みとどまらせる事ですから、そうならないのならそれに越したことはありません。戦争になったとしたなら今の情勢に加えて動機を考えればどっちが勝っても負けてもどちらかが王の首を取るまで、と言った長期間でいて被害も大きな戦争になるでしょうからね」
「そ、そうですか・・・」
「待って、ナタリア・・・彼はそうならないのなら、と言ったわ。つまりそうなるならそうする、そう言っているも同然の事を口にしている・・・」
「ハッ・・・!?」
そこにすぐにヒューバートは訂正を入れてきてナタリアはホッとしかけるが、敵を見るように警戒心だけを浮かべてピリピリと言葉を掬い上げるティアにより再び驚愕する・・・そういう可能性もあると。
「えぇ、確かにその通りですよ。もしもの時はマルクトに手を貸すつもりはあっても、キムラスカに手を差し伸べるつもりはありません。そしてこの事は既にピオニー陛下にも了承していただいています」
「「「「!?」」」」
「ピ、ピオニー陛下・・・!?」
だが淡々とした肯定と共に返ってきた中身にティア達がまさかと目を見張る中、ナタリアが何故とばかりに視線を向ける。そこにはピオニーの苦さを滲ませた顔があった。
「・・・ナタリア殿下に対してこのようなことを言うのは非常に心苦しい事ではあるが、もしキムラスカとマルクトが戦争をするとしたなら我々は黙って滅ぼされるつもりはない。そしてヒューバートも言ったがそうなればそれこそどちらかが滅びるまで戦争は起こることになるだろう・・・相手側もそうだがこちらとしても引くに引けぬ事態になるし、長年のにらみ合いから民の間でも少なからず相手国憎しという感情も互いに燻っていて決着をと戦争の気運も高まるだろうからな・・・そこでそれで尚、戦争という手段を取ってくる相手に対して最善の手を取ろうというのは間違いだと思うか?ましてや、戦争を仕掛けられた側である我々が悪いと言えるか?」
「っ!?・・・そ、それは・・・」
「後、ティアだったか?・・・お前は個人的にダイクロフトの住民との関係が良くないとはジェイドから聞いてはいる。それを踏まえて聞くが、お前が彼らの発案を批難混じりに言うのはそれよりいい考えがあってのことか?それとも単に気に食わないからだけか?それとも・・・お前は預言通りに俺達が滅んでほしいと思っているから、そう言っているのか?」
「!?」
そのまま戦争になったなら起こりうる事を言いつつマルクトが対抗することの是非を答えにくい形で問うピオニーにナタリアはたまらず目を反らし、続けざまにティアに視線を向けてこちらにも問うのだがその最後にティアは戦慄した・・・そうだというなら容赦しないと、明らかにそう取れかねない殺気染みた物を一瞬だけだが向けられたと感じてしまった為に。
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「キ、キムラスカの戦力をって・・・」
「カイツールのキムラスカの戦力は国境を守っていることもありますが、相当数の兵士がいます。それだけの数の兵士がいなければキムラスカからしてもマルクトを再び攻めようと考えるにしても二の足を踏むでしょうし、もし強行してもカイツールの戦力があればマルクトが兵力の上では簡単に負けることもないでしょうからね」
「!?ちょっと待って!・・・まさか貴方達、キムラスカが負ければいいと思っているの・・・!?」
「えっ・・・!?」
ヒューバートが冷静に話を続けるのをナタリアは戸惑いながら聞くが、マルクト寄りとも取れる発言にたまらず食い付いたティアに驚愕の目を向ける。
「そうは言ってはいません。あくまでこちらの狙いはキムラスカに戦争を踏みとどまらせる事ですから、そうならないのならそれに越したことはありません。戦争になったとしたなら今の情勢に加えて動機を考えればどっちが勝っても負けてもどちらかが王の首を取るまで、と言った長期間でいて被害も大きな戦争になるでしょうからね」
「そ、そうですか・・・」
「待って、ナタリア・・・彼はそうならないのなら、と言ったわ。つまりそうなるならそうする、そう言っているも同然の事を口にしている・・・」
「ハッ・・・!?」
そこにすぐにヒューバートは訂正を入れてきてナタリアはホッとしかけるが、敵を見るように警戒心だけを浮かべてピリピリと言葉を掬い上げるティアにより再び驚愕する・・・そういう可能性もあると。
「えぇ、確かにその通りですよ。もしもの時はマルクトに手を貸すつもりはあっても、キムラスカに手を差し伸べるつもりはありません。そしてこの事は既にピオニー陛下にも了承していただいています」
「「「「!?」」」」
「ピ、ピオニー陛下・・・!?」
だが淡々とした肯定と共に返ってきた中身にティア達がまさかと目を見張る中、ナタリアが何故とばかりに視線を向ける。そこにはピオニーの苦さを滲ませた顔があった。
「・・・ナタリア殿下に対してこのようなことを言うのは非常に心苦しい事ではあるが、もしキムラスカとマルクトが戦争をするとしたなら我々は黙って滅ぼされるつもりはない。そしてヒューバートも言ったがそうなればそれこそどちらかが滅びるまで戦争は起こることになるだろう・・・相手側もそうだがこちらとしても引くに引けぬ事態になるし、長年のにらみ合いから民の間でも少なからず相手国憎しという感情も互いに燻っていて決着をと戦争の気運も高まるだろうからな・・・そこでそれで尚、戦争という手段を取ってくる相手に対して最善の手を取ろうというのは間違いだと思うか?ましてや、戦争を仕掛けられた側である我々が悪いと言えるか?」
「っ!?・・・そ、それは・・・」
「後、ティアだったか?・・・お前は個人的にダイクロフトの住民との関係が良くないとはジェイドから聞いてはいる。それを踏まえて聞くが、お前が彼らの発案を批難混じりに言うのはそれよりいい考えがあってのことか?それとも単に気に食わないからだけか?それとも・・・お前は預言通りに俺達が滅んでほしいと思っているから、そう言っているのか?」
「!?」
そのまま戦争になったなら起こりうる事を言いつつマルクトが対抗することの是非を答えにくい形で問うピオニーにナタリアはたまらず目を反らし、続けざまにティアに視線を向けてこちらにも問うのだがその最後にティアは戦慄した・・・そうだというなら容赦しないと、明らかにそう取れかねない殺気染みた物を一瞬だけだが向けられたと感じてしまった為に。
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