「どういうことだ、それは一体・・・！？」
アッシュがピオニーの発言にアドリビトムの面々へと強い言葉と目を向け、ルークとナタリアは戸惑ったような目を向ける。
「・・・ダイクロフトの先住民がもしもの場合を仮定して様々な調査をして、状況が悪くなった場合を想定してこういった手段もある・・・そういった手記を残していたんですよ。いざという時は打開策として使え、そう言った中身のね」
「打開策、だと？・・・どうしてパッセージリングを操作することに繋がりやがる？」
（打開策・・・っ！？まさか、この人達・・・！）
その事前にメンバーを代表としてヒューバートが純粋に自分達が考えたことではないと言い、アッシュは先を促すがティアはハッと目を見開く。ある考えに行き着き。
「・・・単刀直入に言うなら、キムラスカとマルクトの両軍がぶつかりあうであろうパダン平原を含んだ土地を魔界に切り離して下ろすんですよ」
「なっ！？」
「ちょっ、ちょっとお待ちください！そんなことしたら魔界にパダン平原に集まった人々共々落ちるではありませんか！」
「・・・それも承知の上で、こちらは陛下に申し上げたのです。戦争を止めるには何が必要なのか、どうすれば止まるのかということを」
「「「「・・・っ！」」」」
（やっぱり・・・どうダイクロフトの昔の人が調べたのかは分からないけど、この人達は無理にでも戦争を止める事を選んだ・・・前のようにパッセージリングが限界を迎えてなんとかするのではなく、自分達の手でどうにかしようと・・・！）
ヒューバートはそんな素振りを気にすることなく話を続けるが、その狙いを聞いてアッシュ達が驚愕して止まる中ティアは思った通りと歯を噛む。
（そんなことしたらアルビオールが間に合わないわ！絶対それは止めないと・・・！）
「無論、こちらとしても無為に兵士の人達の命を脅かすようなことはするつもりはありません。その後の段取りについても陛下に話をした上で、協力するとの旨をいただいています」
（・・・え？）
そしてすぐに反対をと意気込みかけたが、対策は十分と続いたヒューバートの声に口を開こうとした時にピタリと止まる。
「・・・どういうことだ、テメェ？」
「こちらとしてもマルクトとしても預言による戦争を止めたいのであって、兵士の方々の命を奪うつもりはありません。だからこそマルクト側の兵についてはダイクロフト経由で魔界に堕ちていく土地から装置を使って引き上げて救出し、セントビナー辺りに戻すようにします」
「待ってください！・・・その言い方では、キムラスカの兵士は助けないと言っているように聞こえるのですが・・・」
「えぇ、その時はそうさせていただきます」
「「「「！？」」」」
アッシュが静かに睨み付けるように意味を問うのだが、ヒューバートが淡々と返す中でナタリアがたまらず中身に引っ掛かって声を上げると・・・まさかの肯定にティアも共に最大限に目を見開き驚愕した。キムラスカを見捨てるといったような言葉に。
「ただ誤解のないように言わせていただきますが、あくまでその時は・・・です。こちらとしてもそのような形で見殺しにするつもりはありませんし、後に助け船を出すようにはしますよ」
「っ！だったらその時に助ければよろしいではありませんか！」
「もしもの事を考えての処置です。ダイクロフトが広いとは言えアクゼリュスの人達を受け入れている状況ではキムラスカ兵を受け入れる事は出来ませんし、マルクト側の領土に置くのもまた無理なんですよ・・・キムラスカが戦争をしないと確約した状況でなければ、マルクトを攻めるという目的を再び掲げた時にセントビナーかエンゲーブを武力制圧しようと独断かどうかはともかくとしても動きかねませんからね」
「・・・じゃあテメェらは、キムラスカの兵がくたばらないようにしつつどうにか戦争を止めようってのか？」
「そうなります」
そしてすぐに訂正といったように口を開くヒューバートにナタリアがキッと視線を鋭くして噛みついてくるが、慎重を期する為との答えを返したことにアッシュが確認を取ると間違ってないと頷く。









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