否応なしに変動する関係

(今の状況はハッキリ言ってマルクトに不利な状況でしかない・・・それを打開するためには最善の策を取るしかないけど、陛下自身本当に可能性が低いって理解してるから言葉にしてるんだと思う・・・他の誰かを矢面に立たせるんならともかく、マルクトからの呼び出しなんてモースが自分から足を運ぶなんて考えられないし・・・受け入れてもモースにとって死んで構わない人か、師匠の中の誰かを差し向けるのが関の山だろうし・・・)
そしてその考えがまず通用しないと思うのは、モースが来るという前提がどう考えてもまず有り得ないと見ているからとルークは考える・・・どうヴァンから情報が行っているかは分からないが、わざわざ滅ぶと詠まれた存在からの危険な呼び出しに応じるなどモースがするわけがないと。
(・・・多分ピオニー陛下は時間稼ぎ程度の策にしか今言った事は考えてない。本音じゃまだどうするかって決めあぐねてる所だと思う・・・こんな状況でそうそう簡単にキムラスカにモースに師匠達への対策を思い付けるはずがないだろうし・・・)
そしてそれらを受けたからこそルークは冷静に考える。ピオニーが内心でかなりこの状況に窮していて、時間稼ぎ程度の策だろうということを。
「・・・まぁそうならないようになってほしいというのがこちらの願望でもあるんだがな。流石に導師がいる中で大詠師を無理矢理拘束するなどということなどこちらもしたくはない」
「・・・そう、ですか・・・それでしたら私もモースの説得に尽力したいと思います。是非そうならないようにしたいですから」
「・・・あぁ、期待させてもらおう」
(イオン・・・ピオニー陛下も感じてるだろうけど、それは無理だ・・・モースが来るなんてまず有り得ないから・・・)
そんな中でピオニーは補足を入れイオンが少しホッとした様子で協力を切り出すが、どこか暗い声色の返答にルークはイオンに対して残念そうに口をつぐむ。その期待は無駄になるとハッキリ言えない事に。
(・・・でも本当にこれからどうするべきなんだ?ピオニー陛下の助力は得られたけれど、ここから先は前と流れが違うのもあってどう動くべきかってのが重要になるだろうし・・・)
そこからルークは気持ちを切り替えこれからについてを考えようとするが、以前と違う流れの中にあることからどう行動をするかを苦く考える。



(・・・これからどうするべきかしら・・・ガイとアニスについてはまだ納得はいかないけれど、それを抜きにしてもどうしたらいいのかが見えてこないわ・・・)
その中でルークと同様、ティアも内心で苦く考えていた。これからが見えてこないという不安に。












・・・ルークとティア、かつてを知る二人は思いは違えど共に未知の未来への危機を抱く。

だが・・・更にまた、予測しない事態がここで起こった。



‘ゴウゥゥゥン’
「っ・・・なんだ、この揺れは・・・地震か・・・!?」
場がなんとも言い切れないに満ちる中、唐突に揺れ動く大地に一同が驚きピオニーも玉座で揺れをこらえながら何事かと漏らす。
「いいえ、違います・・・この揺れは地震なんかじゃありません・・・この揺れ、まさか・・・!」
「おいジェイド、今は推測でもいい!どういう可能性があるのか答えろ!」
そこにジェイドが表情を取り繕うことも忘れ緊迫した面持ちを浮かべる様に、ピオニーは言えと命令の声を張り上げる。
「・・・この揺れは規模こそ違えど、似ているんです」



「・・・ホドが消滅した時と」



「「「「っ!?」」」」
(まさか、師匠が・・・アクゼリュスを・・・っ!?)
・・・そこから返ってきた返答に一同は驚愕し、ルークはその原因をヴァンと見た・・・アクゼリュスを消滅させたのではと。





















未知への到達に未知の未来



新たな未来への一歩は確かに刻まれる



しかしそれが安易な道だとは限らない



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