否応なしに変動する関係

「ちょっと、ガイもだけれどアニス・・・一体どういうことなの!?」
「・・・だって正直、私が無理に付いていかないといけない理由なんてないじゃん・・・それに大佐も言ってたけど、そんな生半可な気持ちで来られたら困るって言ってたから・・・そう考えると今の私は迷わず皆に付いていくなんて言えないし、そうするだけの理由もないもん・・・」
「アニス・・・っ!」
(うわっ・・・ティア、すごい怖い表情してる・・・多分相手がアニスじゃなかったら今すぐにでも手を出してたよな、これは・・・)
そしてすぐにティアが怒りを抑えながら訳を問うが、アニスが弱々しく体をしぼませるように目も合わせず答える姿に一層目を血走らせ拳を強く握りこむ。その姿に実際にも一歩引きながらも、アニスだからこそギリギリの状況なのだとルークは内心で考える。



(アニスどうしたの!?貴女はこんなところで終わるような人じゃないでしょう!!)
一方ギリギリと評されたティアはその通りに、まだまだ叫びたいといった気持ちを必死に抑えていた。
「・・・様々言いたいことがティアさんにはあるかと思いますが、アニスは意志をハッキリ表示をしてくれました。となれば後はガイさんがどうするかが重要だとは思いますが・・・今の状態であればあまり付いてくることは望ましい事ではないでしょうね、ガイさんは」
「っ!ちょっと!何故貴方がそんなことを言うのよ!?」
「僕の目から見たことをただ言葉にしただけですよ。どうするかを最終的に決めるのはガイさんだと思ってはいますが、少なくとも今すぐ結論が出そうにないのは目に見えて明らかです・・・どうですか、ガイさん?」
「・・・あぁ、情けないことだがな・・・」
「っ・・・(ガイ・・・貴方に一体何があったと言うの・・・!?)!」
ヒューバートはその空気に関せず話を進めようとしたがすぐにティアは噛み付いてきたので、本人の考えを問うよう真剣に声をかければガイはアニス同様に弱々しく首を横に振った。ティアはその以前と違いすぎるその姿に何故と叫ぶ。
(っ・・・もう何がなんでも聞くしかないわ!ガルディオスの事は言わないかもしれないけれど、せめてガイが何をもって今そう悩んでいるのかくらいは聞くべきよ!)
しかしそこでようやくティアはまどろっこしいと聞くことに決めた、ガイの考えが何故なのかと。
「ふぅ・・・だったら、聞かせてガイ・・・何故貴方はそこまで悩むの?貴方がそこまで悩むのには、何かがあったとしか考えられないのだけれど・・・」
「・・・何か、か・・・昨日俺の所に食事を持ってきてくれた人がいたんだが、俺はその人の言葉でどうするべきかを悩んでいるんだ・・・」
「その人?一体その人が何を言ったと言うの?と言うかその人はこの人達と違うの?」
「・・・その人はホドの生き残りで、ホドが消滅した時にここに保護されたそうなんだ」
「ホド・・・(ホドの生き残り・・・ここの事を考えると有り得ない事じゃないのだろうけれど、まさかそんな出会いがあったなんて・・・!)!?」
そこで一息ついて落ち着いたように話を進めるティアだったが、ガイから出てきたホド出身の人間との接触との言葉に内外ともに驚愕した。予想もしていなかった出会いがあったとのことに。
「そこで俺はその人から戦争にならないようになってほしいと言われたことに加えて、そこまで悩むくらいなら無理をする必要はないんじゃないかって言われたんだが・・・その後にルークが来て、謡将が俺もアクゼリュスと共に殺すことを容認してたんじゃないかって言われて・・・一層、怖くなったんだ・・・もしかしたら俺もあの時死んでいたんじゃないか、そう思ってな・・・」
「っ・・・(その人もその人だけど、ルークもルークで何を言ってるのよ!ガイの不安を無意味に煽るような事を・・・!)!」
続けて独白するように話をするガイは青白い表情でうつむき、ティアはそうなった原因である片割れと見たルークに対してキッと見当違いの怒りの目を向ける。



(いや、なんでそこに俺を責めるような目を向けるんだよティア・・・)
一方でそんな視線に対しあくまで気付かないフリをしながらルークは確かに感じていた。ティアの自分に対する良くない感情を。











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