かつての始まりは既に変貌している
(どうしよう・・・色々訳わかんねぇんだけど、宿に戻るにしてもあいつらがいたら戻れねぇ・・・!)
・・・かつての仲間達が何故今この場にいるのか?いきなりのその姿にルークはじっくり理由を考えられず混乱しながらも、どうやって戻ろうかと考える。
「ルーク!ここにいたの!?」
「っ!・・・んだよ、別にいいじゃねーかよ村の中にいるくらい・・・」
(・・・あぶねぇ、何とか気を取り直せたな・・・そうだ、別に気にする必要はない。あいつらは別にルミナシアの人間じゃなくて、たまたまこうなった世界にいただけなんだろうからな・・・)
その時背後から怒った声がかかったことにビクッとしながらも振り返れば、そこにいたのは不機嫌そうなティア。その姿にルークもつられたよう不機嫌になって頭をかきながら返す。だがティアの声を聞いたことでその頭の中は数秒前の混乱から打って変わり、落ち着きを取り戻していた。
「それに今戻るつもりだったんだよ。別にいいだろ」
「・・・貴方、問題は起こしてないでしょうね?」
「はぁ?・・・どーして俺が問題を起こすみたいに言ってんだよ。別に何もしてねーっつーの」
「っ・・・ルーク貴方、「まぁまぁ、落ち着いて」・・・何、貴方達?」
落ち着きもそのままに早く戻るべく口を開くが、この時のルークではティアとは口喧嘩にしかならない。しかしティアがわなわなとし出したと思ったら、宿の前にいたアドリビトムのメンバーが集まってきて一番前にいた・・・クレスがなだめに入ってきた。
「ここは村の中で他の人も見てるから、あまり大きな声をあげない方がいいよ。ホラ」
「・・・っ・・・わかったわ」
ティアはクレスに対し厳しい目を向けていたが、周りを見るよう手を向けられそれに従えば他のアドリビトムメンバーだけでなくちらほらと村の人間も視線を向けている。視線が集まっている事に気付きティアもようやく頷いて返すが、ルークの心中は少し複雑だった。
(あ~・・・関わるつもりなかったのにな・・・)
・・・いくら違う人間だと思ったって、姿形に性格は自分の知るクレス達。だからこそルークは関わりを持ちたくなかった。ルミナシアで自分が勝手に行方不明になったという負い目がある為に。
「・・・そっちの人は大丈夫かい?」
「あ?・・・別になんともねーよ。ただ散歩してきただけだしな」
「そうか・・・」
「・・・んだよ、気色わりぃ。何笑ってんだよ、俺を見て?」
「いや、気にしないで。それより名前を教えてくれないかい?見たところ同じくらいの歳のようだし、折角だからね」
「・・・」
と、クレスがルークの方に視線を向けて声をかけてきたが笑顔な上に好意的に接触をしてきたことに眉を歪める。
(クレス・・・世界が変わっても変わらないな。本当はちゃんと接したいけど・・・悪い、お前達を巻き込みたくないんだ)
「・・・なんで俺がお前なんかに名前を教えなきゃなんねーんだよ。別に関係ねーだろっつーの」
心中では以前のよう・・・いや、素直な気持ちでクレス達と接したいとルークは思っていた。だが今はそれを出来ない。今の自分の表向きの性格もあるが、今からやることに巻き込みたくないと思うからこそ・・・だからこそルークは嫌そうに拒否を返した。
「ルーク、そんな言い方はないじゃない!」
(はぁ・・・正直に名前を言わなかったのはまだいいけれど、このわがままな感じはやっぱり矯正しないと・・・)
そんなルークにティアはその態度に怒りつつも内心で呆れていた。わがままでしかないと見えるその姿に。
「あら、ルークって言うのね貴方」
「あぁ?・・・だったらなんだっつーんだよ?」
「っ・・・ちょっと貴女、何をしてるの?」
しかしそのルークに興味深そうに視線を向けて近付いてきたクリティア族の女性・・・ジュディスにルークが居心地悪そうに身を引く中、ティアは苛立たしげに声を向ける。
「あら、私の知るルークという人物と同じ特徴を持った人と思って彼を見ていただけよ?」
「・・・っ!」
(まさか、ルークの事をキムラスカの王族だと知ってる・・・迂闊だったわ・・・大佐なら知られるべきだと思ってたのにこんな怪しい人達に気取られるなんて・・・!)
だがジュディスの微笑混じりの返答にティアはたまらず息を呑み、失敗だと考えていた。ルークの正体を得体の知れない者達に知られたと。
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・・・かつての仲間達が何故今この場にいるのか?いきなりのその姿にルークはじっくり理由を考えられず混乱しながらも、どうやって戻ろうかと考える。
「ルーク!ここにいたの!?」
「っ!・・・んだよ、別にいいじゃねーかよ村の中にいるくらい・・・」
(・・・あぶねぇ、何とか気を取り直せたな・・・そうだ、別に気にする必要はない。あいつらは別にルミナシアの人間じゃなくて、たまたまこうなった世界にいただけなんだろうからな・・・)
その時背後から怒った声がかかったことにビクッとしながらも振り返れば、そこにいたのは不機嫌そうなティア。その姿にルークもつられたよう不機嫌になって頭をかきながら返す。だがティアの声を聞いたことでその頭の中は数秒前の混乱から打って変わり、落ち着きを取り戻していた。
「それに今戻るつもりだったんだよ。別にいいだろ」
「・・・貴方、問題は起こしてないでしょうね?」
「はぁ?・・・どーして俺が問題を起こすみたいに言ってんだよ。別に何もしてねーっつーの」
「っ・・・ルーク貴方、「まぁまぁ、落ち着いて」・・・何、貴方達?」
落ち着きもそのままに早く戻るべく口を開くが、この時のルークではティアとは口喧嘩にしかならない。しかしティアがわなわなとし出したと思ったら、宿の前にいたアドリビトムのメンバーが集まってきて一番前にいた・・・クレスがなだめに入ってきた。
「ここは村の中で他の人も見てるから、あまり大きな声をあげない方がいいよ。ホラ」
「・・・っ・・・わかったわ」
ティアはクレスに対し厳しい目を向けていたが、周りを見るよう手を向けられそれに従えば他のアドリビトムメンバーだけでなくちらほらと村の人間も視線を向けている。視線が集まっている事に気付きティアもようやく頷いて返すが、ルークの心中は少し複雑だった。
(あ~・・・関わるつもりなかったのにな・・・)
・・・いくら違う人間だと思ったって、姿形に性格は自分の知るクレス達。だからこそルークは関わりを持ちたくなかった。ルミナシアで自分が勝手に行方不明になったという負い目がある為に。
「・・・そっちの人は大丈夫かい?」
「あ?・・・別になんともねーよ。ただ散歩してきただけだしな」
「そうか・・・」
「・・・んだよ、気色わりぃ。何笑ってんだよ、俺を見て?」
「いや、気にしないで。それより名前を教えてくれないかい?見たところ同じくらいの歳のようだし、折角だからね」
「・・・」
と、クレスがルークの方に視線を向けて声をかけてきたが笑顔な上に好意的に接触をしてきたことに眉を歪める。
(クレス・・・世界が変わっても変わらないな。本当はちゃんと接したいけど・・・悪い、お前達を巻き込みたくないんだ)
「・・・なんで俺がお前なんかに名前を教えなきゃなんねーんだよ。別に関係ねーだろっつーの」
心中では以前のよう・・・いや、素直な気持ちでクレス達と接したいとルークは思っていた。だが今はそれを出来ない。今の自分の表向きの性格もあるが、今からやることに巻き込みたくないと思うからこそ・・・だからこそルークは嫌そうに拒否を返した。
「ルーク、そんな言い方はないじゃない!」
(はぁ・・・正直に名前を言わなかったのはまだいいけれど、このわがままな感じはやっぱり矯正しないと・・・)
そんなルークにティアはその態度に怒りつつも内心で呆れていた。わがままでしかないと見えるその姿に。
「あら、ルークって言うのね貴方」
「あぁ?・・・だったらなんだっつーんだよ?」
「っ・・・ちょっと貴女、何をしてるの?」
しかしそのルークに興味深そうに視線を向けて近付いてきたクリティア族の女性・・・ジュディスにルークが居心地悪そうに身を引く中、ティアは苛立たしげに声を向ける。
「あら、私の知るルークという人物と同じ特徴を持った人と思って彼を見ていただけよ?」
「・・・っ!」
(まさか、ルークの事をキムラスカの王族だと知ってる・・・迂闊だったわ・・・大佐なら知られるべきだと思ってたのにこんな怪しい人達に気取られるなんて・・・!)
だがジュディスの微笑混じりの返答にティアはたまらず息を呑み、失敗だと考えていた。ルークの正体を得体の知れない者達に知られたと。
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