否応なしに変動する関係

「あっ・・・あの、ちなみにルークさんはアニスちゃんがどういう結論を出すのか予想は出来ますか?アニスちゃんの事は解決すると決めたのに改めて聞くのはどうかと思ったんですが、少し気になって・・・」
「あ~・・・正直、予想はつけにくいかな。なんて言うかアニスは表面上はともかく溜め込むだけ溜め込んで爆発するタイプだってのが俺の印象なんだけど、今は多分どっちにするかって悩んでて板挟みになってると思う。だから多分付いてくるか来ないかはアニス本人より、むしろ俺達がどうするのを勧めるかによると思うんだけど・・・」
「だけど・・・?」
「・・・こういうことを言いたくはないけど、明日になってアニスが迷う素振りを見せてたらティアが一緒に行くようにしようって姿が予想がつくんだ」
「っ・・・そう言うことですか・・・」
そこにミントが申し訳無いといったようにアニスの判断についてを聞いてきたことにルークは推測を話していくのだが、ティアと名前を出したことに周りのジュディス達もどうとも言えない苦い表情を浮かべる。
「ティアが悪気があってそうするっていうことじゃないとは思うけど・・・多分今のティアがアニスもだけど、ガイも離れるなんて言ったら引き留めにかかるのは目に見える。でもそれが今の二人にとって本意の物になるかは、また別物だと思うんだ・・・」
「・・・私は話だけでしかティアの事を聞いてないけれど、そうなる可能性は確かに高いでしょうね」
「うん・・・アニスはともかくとしてガイはせめてグランコクマにいるようにって進めたいけど、それをすんなり許してくれそうにないんだよな・・・」
「「「「・・・」」」」
ルークはティアがいかに二人の意志を無視して事を進めようとするのか、それを苦々しく口にしていく様子に同意をしたリフィルを始めにまたどうとも言い難い空気で沈黙する。
「・・・ま、その辺りは明日になってみないと分からない部分もあるしそうなってもどうにか頑張らないとな」
「・・・貴方がその役目を負うことはないんじゃないの?」
「いや、これに関しては皆に任せても無理だと思う。今までの感じからだと皆が何か言えば言う程、一層こじれそうなのが目に見えるし・・・」
「・・・否定出来んな。俺達が何か言っても頑なに拒否をするのは確かに目に見えているが、肝心な所で力になれんとは・・・歯痒いな」
「いや、いいって。俺も皆に頼ってばっかりってのも心苦しいし、元々俺がやらなきゃならないことなんだしさ」
そんな空気を振り払うよう笑顔を見せ明日は心配はいらないと言うルークにジュディスが自分達に任せないのかと取れる言葉を投げ掛けるが、気を遣いながらも逆効果になると予想されてユージーンが悔しそうに納得する。ルークは笑顔で大丈夫だと返すが、アニーが不安そうな目と共に口を開く。
「・・・ですがそれだと、ティアさんと対立することになると思うんですが・・・それでいいんですか、ルークさん?もしかするとその時に、ティアさんと仲直りも出来ないようなことになるかもしれませんよ・・・?」
「・・・不安がないって言ったら嘘になる。今のティアが大分前とは違うってことを差し引いても、ティアはティアだからまた自分から離れるって事をするのは心苦しいし、もしかしたらここで前のようになる可能性が終わるかもしれないってのは有り得ると思う・・・でもそう言ったことになる可能性も考えて俺はこっちに来たし、それが必要だと思ってるから・・・俺はやるよ」
「・・・そう、ですか・・・」
そこで出たのはティアに対しての想いはどうなのかと問う物なのだが、ルークは葛藤を見せつつも最後は揺るがぬ意志を見せアニーは胸を締め付けられるように表情を歪めながらもなんとか返した・・・結果としてティアとの関係が終わることも承知していると、端から聞けば悲痛と見れる決意を前にして。









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