未知は絶望と希望をはらむ物
「確かにまだ今はいいだろう。こちらに聖なる焔の光がいるなら向こうも何もしようがないだろうからな。だがそれでキムラスカにいざ帰るとなったなら、その時からどのような手段を取られるか分からなくなる・・・一番手っ取り早いやり方を言うならキムラスカ領内に入った瞬間即座に拘束し、アクゼリュスに連れていき無理矢理消滅してもらうと言った所だろう」
「「「「・・・っ!」」」」
ピオニーはその不安を暗示させる中身をハッキリと口にし、ナタリアを始めとして一同は各々苦い顔を浮かべる。その可能性があまりにも生々しい事に加え、一概に否定出来ない中身だった為に。
「・・・殿下の気持ちとしてキムラスカがそのようなことをしないと信じたい気持ちは分からんでもない。だがこちらからすればもしキムラスカにモースが預言達成を諦めなかったなら、そう考えた時のリスクがあまりにも高すぎる。そんな状況で簡単にキムラスカを信じることは出来ない」
「で、ですが私がとりなせば・・・」
「言ったろう。貴女個人を信じられてもキムラスカを簡単には信用出来ないと。それに貴女の言葉をあちらが受け入れるか、ということも怪しい部分がある」
「え・・・何故ですか?お父様は私の言葉を聞いてくれるはず・・・」
「インゴベルト陛下は預言の事を殿下に言おうと思えば言えた立場にいたが、その事を言わずにいた。それは殿下の事を思ってかもしれんが、同時に預言により聖なる焔の光が死んでキムラスカに繁栄をもたらすことを人知れず選んだことの証明でもある。そんなインゴベルト陛下が殿下の言葉一つで心変わりをすると思うか?」
「そ・・・それ、は・・・」
若干の呆れをにじませながらピオニーは話を続けていき、ナタリアが何とか希望はあるといったように弱くも声を上げていくがすぐさま根拠を次々上げられた事に弱って言葉を探し視線をさ迷わせる。
(ピオニー陛下は前と違うな、この感じは・・・でも状況が前と違うんだから、これはこれで陛下としては当然の態度なんだろうな・・・)
そんな明らかに笑顔というか取っ付きやすい空気をまとっていた前のピオニーとの違いに、ルークは内心で納得する。全部前のように行かないからこそこうなってるのだと。
(ただ、本当にどうするべきかなんだよな・・・ピオニー陛下の言った通り俺かアッシュのどっちかでも、『ルーク』って存在がキムラスカに戻ったらそれこそモースがアクゼリュスに無理矢理にでも行かせて消滅させかねないし・・・)
そしてそのままピオニーの言ったことについてを考える。確かな危険性があることに頭を悩ませ。
(・・・昔の私だったらモース様はそんなことはしないと言っていたとは思うけれど、今の私なら理解出来る・・・間違いなくモース様はそうするわ、一切ためらうことなく・・・)
そんな傍らでティアは数日前が嘘であったかのよう、冷静・・・いや、冷めた気持ちでピオニーの考えは間違いないと感じていた。自分を見捨てると決めた時のようにすると、裏切られた事実にモースに対する敬愛の念を失っていた為に。
(ただ本当にどうしたものかしら・・・このまま戦争になるのは私としても臨む所ではないけれど、下手にルークかアッシュを帰らせたら陛下の言うようになりかねねないし・・・)
「・・・それに、だ。セントビナーから送られてきた手紙には二人の『ルーク』について書かれていた」
「「「「・・・っ!」」」」
それでもティアなりにどうにかしたいと考えようとするのだが、ピオニーがルークとアッシュの事を示唆するように発した声に当事者の二人を代表として一同は空気を重くさせた。
「・・・俺もその中身を受けてどうするべきかと思った。あまりにも予想していなかった内容だったからな。だがそれでもそれが現実である以上はそれを受け止めて動かねばならないと思っているが、そこで一つ二人に聞きたいことがある・・・お前達はどうしたいと思っている?」
「何・・・?」
「・・・どういう事ですか?」
ピオニーはそのまま二人に視線を向けながら問いを向けるが、核心をつかない問いにアッシュもルークも眉を寄せながらどういうことかと視線を向ける。
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「「「「・・・っ!」」」」
ピオニーはその不安を暗示させる中身をハッキリと口にし、ナタリアを始めとして一同は各々苦い顔を浮かべる。その可能性があまりにも生々しい事に加え、一概に否定出来ない中身だった為に。
「・・・殿下の気持ちとしてキムラスカがそのようなことをしないと信じたい気持ちは分からんでもない。だがこちらからすればもしキムラスカにモースが預言達成を諦めなかったなら、そう考えた時のリスクがあまりにも高すぎる。そんな状況で簡単にキムラスカを信じることは出来ない」
「で、ですが私がとりなせば・・・」
「言ったろう。貴女個人を信じられてもキムラスカを簡単には信用出来ないと。それに貴女の言葉をあちらが受け入れるか、ということも怪しい部分がある」
「え・・・何故ですか?お父様は私の言葉を聞いてくれるはず・・・」
「インゴベルト陛下は預言の事を殿下に言おうと思えば言えた立場にいたが、その事を言わずにいた。それは殿下の事を思ってかもしれんが、同時に預言により聖なる焔の光が死んでキムラスカに繁栄をもたらすことを人知れず選んだことの証明でもある。そんなインゴベルト陛下が殿下の言葉一つで心変わりをすると思うか?」
「そ・・・それ、は・・・」
若干の呆れをにじませながらピオニーは話を続けていき、ナタリアが何とか希望はあるといったように弱くも声を上げていくがすぐさま根拠を次々上げられた事に弱って言葉を探し視線をさ迷わせる。
(ピオニー陛下は前と違うな、この感じは・・・でも状況が前と違うんだから、これはこれで陛下としては当然の態度なんだろうな・・・)
そんな明らかに笑顔というか取っ付きやすい空気をまとっていた前のピオニーとの違いに、ルークは内心で納得する。全部前のように行かないからこそこうなってるのだと。
(ただ、本当にどうするべきかなんだよな・・・ピオニー陛下の言った通り俺かアッシュのどっちかでも、『ルーク』って存在がキムラスカに戻ったらそれこそモースがアクゼリュスに無理矢理にでも行かせて消滅させかねないし・・・)
そしてそのままピオニーの言ったことについてを考える。確かな危険性があることに頭を悩ませ。
(・・・昔の私だったらモース様はそんなことはしないと言っていたとは思うけれど、今の私なら理解出来る・・・間違いなくモース様はそうするわ、一切ためらうことなく・・・)
そんな傍らでティアは数日前が嘘であったかのよう、冷静・・・いや、冷めた気持ちでピオニーの考えは間違いないと感じていた。自分を見捨てると決めた時のようにすると、裏切られた事実にモースに対する敬愛の念を失っていた為に。
(ただ本当にどうしたものかしら・・・このまま戦争になるのは私としても臨む所ではないけれど、下手にルークかアッシュを帰らせたら陛下の言うようになりかねねないし・・・)
「・・・それに、だ。セントビナーから送られてきた手紙には二人の『ルーク』について書かれていた」
「「「「・・・っ!」」」」
それでもティアなりにどうにかしたいと考えようとするのだが、ピオニーがルークとアッシュの事を示唆するように発した声に当事者の二人を代表として一同は空気を重くさせた。
「・・・俺もその中身を受けてどうするべきかと思った。あまりにも予想していなかった内容だったからな。だがそれでもそれが現実である以上はそれを受け止めて動かねばならないと思っているが、そこで一つ二人に聞きたいことがある・・・お前達はどうしたいと思っている?」
「何・・・?」
「・・・どういう事ですか?」
ピオニーはそのまま二人に視線を向けながら問いを向けるが、核心をつかない問いにアッシュもルークも眉を寄せながらどういうことかと視線を向ける。
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