（ルークが一人で考えて気持ちを持ち直した？どういうことなの？ルークが私やガイ達の助けを借りないでそんなことが出来るなんて・・・それに話の感じでは彼らは関わっていないとのことだから、余計に分からない・・・）
そんなティアの内心は幾度考えたか分からないルークに対する疑問に満ちていた、一人で立ち直れるはずがないと下に見て。
「・・・ねぇ、少しいいかい？」
「・・・何かしら？」
そんなティアに話しかけるのは隣のナナリーなのだが、その受け答えに一瞬で空気が冷たく凍り付いたような張り詰めかたをしたことにルークとアスベルは思わず体を引かせた。
「あんた、自分が納得するかしないかで勝手に話を進めたり終わらせたりするやり方どうにかしないかい？」
「・・・それはどういう意味かしら？」
「端から見ていて気持ちよくないんだよ。あんたがルークに対して質問して、答えが返ってきたら勝手に納得してそれで終わって・・・別に自分の考え全部を言えとは言わないさ。一々そんなこと言ってたら時間もかかるしね。けどあんたはルークに限ったことじゃないが、人に色々と聞いたり求めたりしといて勝手に会話だったりを自分のペースで終わらせようとするのは都合が良すぎやしないかい？」
「っ・・・！」
そのままナナリーは自身が感じたことを言葉にするのだが、ティアは自身の行動を批難されたことと同時に鋭い視線を向ける姿に一瞬で怒りに表情を歪めた。
「あんた、今余計な事だとかお前には関係無い事だとか思ってるだろ？・・・けどさ、あからさま過ぎるんだよ。あんたの行動はこっちから見ていたら相手がどう思おうが自分さえ良ければそれでいいって風にしか見えないんだ」
「っ・・・貴女に、何が分かるって言うの・・・！？」
「分かるも分からないも、私はそう見えるって事を言ってるだけだよ。そしてそう考えずに自分の言いたいことを言って、自分に対しての理解を求めようなんてのは甘いとしか言えないね」
「っ・・・フンッ！！（何よ、もう・・・辻馬車に乗ってる状況じゃ下手な事も出来ないけど、本当なら譜歌の一つでも歌いたい所よ・・・！）」
更にその行動についていかな物かを話すナナリーにティアはワナワナと震えながら返すが、その言葉さえもを持って拙いことを強調された事にもう会話すらもを拒絶するよう窓へと勢いよく顔を背ける。今すぐ暴れだしたくなる気持ちを場所が場所なだけに抑えるしかないと考えたために・・・尚、ルークとアスベルはその様子を終止引いた様子で声も出せずに見るしか出来なかった。












・・・それで夜になり、辻馬車を走らせる恐竜達の休憩の為にもと一同は辻馬車から降りて夜営をすることになった。



「・・・おい、なんで辻馬車の中であんなこといきなり言い出したんだよ・・・」
「ちょっとこれは言わないといけないって思ったからさ。後悔はしてないよ」
そんな中で辻馬車から降りたルークはナナリーにかなり本音で疲れたように声をかけるが、悪びれた様子を全く見せることもなく当然といったよう返す。ちなみにティアは辻馬車が止まった瞬間不機嫌さを隠しもせず、最初に出ていったので近くにはいない・・・そして残ったアスベルは辻馬車にもたれかかるように体を預けているが、一番場に関係無かった人物という点を思うと哀れである。
「・・・ま、気まずい空気にしたってのは悪いと思ってるさ。ごめんね、ルーク」
「っ・・・あ、あぁ・・・」
「じゃあ後はゆっくりしなよ。また明日は辻馬車に長い時間乗るんだからね」
「あ、ナナリー・・・行っちまった・・・」
だが途端にナナリーが申し訳なさそうに表情を変えて謝った後に笑顔を浮かべ場を離れていく姿にルークは調子を崩し、本音とも演技とも取れない微妙な顔になっていた。










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