再出発の時、一方ならぬ時

「話は決まったか・・・ならルークはしばらくゆっくりしていてくれ。適切だと思える時間が来たらこちらに来ようと思う」
「あぁ・・・ただ向こうと合流したらミュウもいるから普通には話せなくなると思うからそこは頼む」
「あ、そこんとこは心配いらないよ。現状でルーク君達と一緒に行くのは俺様を除いた地上で会った皆だけだから、そこのとこはちゃんとやってくれるはずだから」
「えっ?」
「まぁ簡単に言ったら他にやることがあるからってのもあるけど、一番の理由としちゃロイド君達は下手するとルーク君の事を言いそうだからよ。だから俺様達は影で色々やるって訳。アクゼリュスの住民のケアとかをね」
「あぁ・・・そう言うことか・・・」
それでウィルが場の空気をまとめるように退出を切り出しルークは念入りに注意をするのだが、ゼロスからメンバー変更がない事についてを理由を聞いて複雑そうに納得する。ロイドにエステル辺りにそう言った事はしかねないと。
「そういうわけで私達も注意しますので、よろしくお願いしますルークさん」
「あぁ」
「・・・では私達はこれで・・・」
納得を得られすずが頭を下げた後にアニーが会釈をして、四人は部屋を退出していく。
「・・・皆が皆付いてくることはない、か・・・ホッとする気持ちはあるけど、ロイド達が黙って待つだけっていうことは有り得るのか・・・?」
それで一人になった所でルークは安堵の様子を浮かべたが、すぐに考え込むよう眉を寄せる。
「多分ゼロスが言っていたように他にやることがあるからなんだろうけど、だったら他に何があるんだ・・・?」
その疑問の元は他のメンバーの活動についてハッキリしないことなのだが、ルークは頭を横に振る。
「この事については後で聞けばいいことだ・・・そう言った事を今までに考えてなかった事に聞かなかったのは俺なんだし、皆なら答えてくれるだろうしな・・・まぁちょっと皆やミュウのいる前じゃ聞けないだろうから、隙を見て質問しないと・・・」
それで後で聞くことにしようと思い直したルークだが、気楽に思い直したはずの言葉であるはずなのにどこか浮かない表情になっていた・・・















・・・各々の思惑、それらが各々の中で渦巻いている。そんな状況の中で二時間程経って、ルークにティア達はアドリビトムの面々の案内により集められる事となった。



(・・・あ~・・・正直どこ見ていいか分かんないから、今は弱ってるフリが本当に楽だわ・・・)
それで一同はダイクロフトに一番最初に足を踏み入れた空間に来たのだが、ルークは目を伏せがちにして弱ったフリをしてる内心で少し気持ちを落ち着かせていた・・・自身の迎えに来たのがジュディスであった為、気恥ずかしさに気持ちを落ち着かせるのに結構必死であった為に。
(・・・ただ、やっぱこうして見るとアッシュもそうだしガイも複雑そうに俺とアッシュについて見てはいるようだけど・・・やっぱりティアの感じは異質なんだよな・・・やたらギラギラとしてて、すげぇ張り切ってるって言うか気張ってるのが目に見える感じがな・・・)
しかしそんな風にルークが落ち着ける要素はまた別にある・・・それが辺りをさりげに見渡す中で見えた、対面上にいるティアの様子だ。自分の後ろに何人かいたり横にいるアドリビトムの面々は勿論そうだが、アッシュにガイという比較的ジェイド達の中でも感情の揺れが見える面々とは一線を画すその様子はあまりにも異質だった。まるで今にも人を殺しそうな程の怖さを思わせる表情に、何かオーラでも出しているのではと思う程の空気・・・ルークが気になるという以前に、目に入らないようにするのが難しいその存在感に目と心がいくのはある意味当然と言えば当然だった。







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