再出発の時、一方ならぬ時

・・・ルークとジュディスが体を重ねた。

アドリビトムのメンバーにガイ達、そしてティアが最も心を揺らすだろう出来事を当事者達以外知ることもないまま時は過ぎて夜が明けた。






「・・・早く起きすぎた・・・」
朝・・・と言うには多少早すぎる時間に起きたと部屋を出て、朝日が登る前の外の様子を窓から確認したルークは部屋に戻りウロウロと歩き回っていた。
(う~っ・・・あの後ロクに寝れなかった・・・マジでちょっと・・・うわぁ・・・!)
そんな時間にルークが起きた訳とは昨日に起きたこと、それを未だに引きずっているからだ。現にあの後片付けをして着替えてベッドに入ったがその時の事を思い出し今のように顔を赤くして、ようやく眠ったと思って起き上がったら今の時間だった・・・という訳である。
(・・・や、止めよう・・・昨日の事を考えるのは・・・それより今日の事を考えよう・・・今日は無事に行けばアッシュと一緒に行く状態で外殻大地に戻って行動するようになるんだし・・・)
そんな内心を必死に考えを移行して誤魔化そうとルークは頭をブンブンと横に振り、今日のこれからについてに真剣に考えようと頭を動かす。
(・・・まぁアッシュについちゃ変に煽りすぎなかったら大丈夫かな。あそこまでやったんだから余程やり過ぎなかったらある程度は黙っちゃくれるだろうから、こっちが気をつけておけばいいとは思うけど・・・問題はやっぱ、ティアだよな・・・)
それで思考を切り替え考えにのめり込むルークなのだが、すぐにティアの事が出てきて眉間にシワを多大に寄せる。
(多分ガイ達はなんだかんだ言いはしても皆の同行については普通に構わないって言ってきそうな気はするけれど、ティアに関しては素直に首を振る姿は想像出来ないんだよな・・・絶対一悶着ありそうで怖い・・・)
そう思う理由は同行についてすごく強く難色を示しそうだと感じるからなのだが、ルークの表情が悲し気に染まる。
「・・・なんでティアだけあんな風になったんだろうな・・・こういった世界になってもガイを始めとした屋敷で関わった人達にイオン達は変わってなかったのにな・・・」
そしてたまらず口にする。何故ティアだけ変わってしまったのかと。
「・・・やっぱり何か理由があるのかな・・・皆はティアは一緒に来てないって言ってたし、そもそもあっちでもこっちでも言いたいことは言う性格だからティアが何も言わずに黙ってる可能性はないと思うけど・・・でもそれ以外でティアだけあそこまで変わる理由って分からないんだよな・・・」
だがいくら考えても分からないとルークは弱ったように頭を振る。
「仕方無い・・・もう一度皆になんでか分かるかって聞いてみよう・・・聞いて分かった所でティアの様子だと皆の味方をしそうにない感じはするし、どう対応したらいいのかって思うけどな・・・」
それで頭をかきながら妥協案を口にするのだが、明らかにティアの事が今までの中でも引っ掛かっているのは目に見えていた・・・だがそれもある意味では仕方無い事と言えた。これからの旅での一番のトラブルメーカーになりかねないこともある上に、事を進めるにはティアの協力も必要だからこそ機嫌を下手に損ねる訳にもいかない為に。
「・・・とりあえず皆が起きて来るまで待たないとな。いつになったら皆が来るかとか聞いてないし、変に探して迷ってしまったら迷惑だろうしな・・・」
そこまで考えルークは後は待つしかないという考えに移る。ここで自分は今変に行動してはいけないと思い。











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