想いの交錯にぶつけ合う心

「・・・ま、ルークの行動と考えに対してどう思うのかなんてのはお前らの勝手だし止めようはねぇ。けどルークはそう言った考えを持ってアッシュ達と共に生きることを諦めた中で、それでもアッシュ達の事をって思ったあいつの事を・・・もう、これ以上アッシュ達の事で煩わせねぇ方がいい。前にアニー辺りから出てきた話でルークにそう言った負担をかけさせない方がいいみたいなことあっただろ?・・・そいつには俺も賛成だ。もうルークがあいつらの為に諦めずに行動しなきゃならない理由なんてねぇんだし、ルークは十分にやってきた。本当ならあいつらがその手を同じ立場に立って受け取りゃ済む筈だった話を、あいつら自身の手で無駄にしちまったんだからな。これ以上ルークに頑張らせんのは酷以外の何物でもねぇし、もうそんな段階はとうの昔に越えちまってんだよ・・・」
「・・・だからもう、アッシュ達に対する気持ちは押し留めろというんですか・・・?」
「まぁな。けど俺はアッシュ達に対して同情もしねぇし、ルークの事を分かってくれなんざ言う気にもなんねぇ。んなことしたってアッシュ達が変わるなんて可能性は相当低いし、何より・・・今ここにいるティアの事を考えると、無闇にルークの事を言ったらまずいことになんのは目に見えてるからな」
「っ・・・!」
「あ~・・・あのティアがいるって思うと確かにルークと関係の薄かった私でも、勝算の薄いことはさせたくはないわね・・・」
更にスパーダの話は続けられるのだが、ティアの事が出た時にエステルも息を呑みルーティが頭をかきつつ複雑そうに同意する。
「・・・なぁ、改めて聞くけどそんなに酷いのか?ここの世界って言うか、ここの未来から来たって言うティアは・・・?」
「まぁね~・・・多分必要以上にルークの事もだけど、アッシュ達に関わろうとしたらティアが横槍を入れてくるのはまず間違いないと思うわよ。あの子の様子から見て私達の事を信用してないのは間違いない上、アッシュ達に対しての態度はこっちとは比べ物にならないくらいに信用してるって感じだったし・・・私達が何かしようとしたら変な方向に曲解して邪魔しかねないし、万が一ルークの事を知ったらどうなるか本当に分からないわ。多分最悪の事態として考えられるのはルークが自分の求めてたルークじゃないって、ルークを殺しかねない事だと思う・・・」
「っ!?・・・そこまでだって言うのかよ・・・」
「あくまでローレライから聞いた話と今までの旅でティアに対して私が感じた印象だけどね・・・」
「ルーティさんの感じた印象には僕も賛成ですね。僕はオアシスで彼女の様子をたまたま遠巻きに見ていたんですが、導師がさらわれた時にティアさんは助けようとした手を止めルークさん達と合流した時にさも無念と言ったように振る舞っていました。その時はアッシュさんとの顔合わせの機会の為にあえて手を出さなかったのだと思いますが、例え謡将率いる神託の盾が導師に直接的な危害を加えるつもりはなかったと知っていたにしてもそれで導師が絶対に安心だという保証はありませんでした。しかしその事をティアさんは考えていなかった・・・そう思うと彼女は手段を選ばない傾向が見えますので、それこそルークさんがその意にそぐわなかったならルーティさんの言ったようなことをしかねないかと・・・」
「「っ!」」
そんな様子にロイドが改めてティアの危険性を疑うように問いを向けるのだが、ルーティに加えてジェイまでもがルークへの危険性を強く感じだとそれぞれ語る様子にエステルともども衝撃を受けて目を見開いた。









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