想いの交錯にぶつけ合う心

「ルーク・・・」
「・・・ごめん、ジュディス・・・」
ジュディスはそんなルークを普段の余裕を浮かべた顔を見せずに悲し気に見詰め、ルークはただ目を伏せ謝る以外に出来ない。
「・・・いいの、ルーク。貴方は謝らなくて」
「え・・・?」
だが責められると思っていたルークはジュディスが首を横に振ったことに目を丸くした。
「・・・貴方がアッシュと戦った後に皆で改めて話し合ったの、今までの貴方の行動も合わせて貴方がどのように考えて行動をしているのかって。それはアニーの為でもあったし、私も含めた皆の為でもあったわ」
「アニーのって、ここに戻ろうとしてた時のことか?」
「えぇ、アニーはあの後言っていたわ。貴方がそこまでする必要はないんじゃなかったのかと。それに話を聞いたエステル達もね」
「いや・・・俺が我慢すればいいってあの時言ったはずだけど・・・」
「そう。そう言った貴方だけれど、私達の話の中ではこう言った話が出たわ・・・ルークはもしかしてアッシュと共にいるような事にならなくなっても、別に問題はないと考えているんじゃないかって」
「!?」
ジュディスはその疑問にエステル達との話し合いがあったことを告げるのだが、その中で出たというルークの本音を予測した言葉にまたルークは一気にビクッと体を反応させかけ目を丸くした。
「な、なんでそんなことを・・・!?」
「・・・その反応は本当にそう考えていたようね、まだ確信はしていなかったのだけれど・・・」
「っ・・・!」
たまらず声を漏らすがジュディスの一層悲し気な声を受け、ルークはまた息を呑んだ。自滅してそう言ってしまったことに気付き。
「・・・そういうことを考えている可能性がある、皆の中でそう言った話があったから私はここに来たの。貴方が何を考えているのか、それがどうなのかを少しでも知るために皆の代表という形でね・・・ただ普通の状態の貴方だったならこうも簡単にはいかなかったでしょうね。そう言う私も貴方が眠っている姿を見たからこそこう言った形を取ったのだけれど・・・」
「・・・だからか・・・でもなんでジュディスは俺を責めないんだよ・・・俺は皆を騙すような事をしてたっていうのに・・・」
ジュディスはそう考えた上で状況を考え動いたとまっすぐ見つめるように言いルークは納得する傍ら、何故と問う。自分を責めない理由を。
「・・・貴方を責める気はないわ」
「なんで・・・」
「代わりに・・・嘘をつかないでほしいと、私も皆も貴方にそう望んでいる」
「えっ・・・っ・・・!?」
だが責めないとそっと首を横に振られ自分を責めるかのようにルークは悲しそうに声を上げるが、ジュディスがそっと優しく笑顔で返事を返した後に手を肩から離した後に自身の頭を抱くように腕を回しながら身を任せるように倒れこんできた事に一気に顔を赤くした。
「・・・貴方が自分の考えを正直に言えない気持ちは分からないでもないわ。自分の考えていることが否定されることは怖いもの・・・それが自分の心を許した人達になればなるほど尚更にね」
「・・・ジュディスも、そんな時があったのか?」
「えぇ、そうよ」
そして顔を横につけ耳元で囁くように話すジュディスにルークは恥ずかしさを忘れ、話に集中して返す。










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