想いの交錯にぶつけ合う心

「ジ、ジュディス・・・どうしたんだっていうかどういうことだよ、これ・・・?」
「どういうこと、ね・・・少し話をしに来たの。ちょっと聞きたいことがあったから」
「聞きたいことって・・・いや、それよりまず体をどかしてほしいんだけど・・・動けないし、この体勢のままじゃ話しにくいし・・・」
「あら?いいじゃない、たまにはこんな風にお話をするのも」
「っ・・・分かったよ。このまま話をするからその代わり終わったらすぐにどいてくれよ」
「えぇ」
ルークはたまらず不安気味に声をかけながらどくように頼むが、いつもの笑みを浮かべその要求を流すように首を傾げられ仕方ないとそのまま話を続けることにした。
「それで、話って?」
「えぇ、ちょっと聞きたいことがあるのだけれど・・・貴方はアッシュからもし拒絶を返された場合の事を考えているのかしら?」
「・・・拒絶って(なんだ?ジュディスはなんだっていきなりそんなこと・・・)?」
それで早速質問を向けるルークだがアッシュの拒絶と口にしたジュディスに、とぼけるフリをしながら内心で不安を感じながら頭を回転させる。
「あの後私達は話し合ったの。もしアッシュとの事がうまくいったならともかくとしてもそうじゃなかったらどうなるのかって・・・それで貴方が駄目だった場合の事を考えてるかどうか聞いてなかったから気になって、ね」
「駄目だったら・・・か(皆の間でそんな話が・・・いや、出てこない可能性が全くない訳じゃなかった。ユージーンとかそう言った事を考える事も有り得た訳だし・・・)」
ジュディスはその問いにその疑問が出てきた訳を口にし、ルークは考えを巡らせる。有り得ない事じゃないと。
「(ただどうジュディスに返すか、だけど・・・下手に考えてなかったなんて言うわけにもいかないけど、俺自身がどうなってもいいなんて本音を言うわけにもいかないからな・・・)・・・正直、俺もそれを考えちゃいたよ。でも俺は諦めるつもりはないからさ。アッシュと一緒にいれるようになることは」
そう考えた上でどう返答した方がいいかと考え、ルークは笑顔を浮かべ・・・嘘を吐いた。アッシュと一緒にいたいと。
「・・・」
「・・・どうしたんだ、ジュディス?」
そんな返答にジュディスは何も言わずに顔を俯かせ、角度と体勢的に影になって見えなくなった表情にルークは声をかける。
「・・・どうしてそう平然とした顔で嘘を言えるの、貴方は?」
「えっ?嘘って・・・」
「・・・ルミナシアで貴方が取った行動を覚えてる?・・・ライマでの方針があったとは言え、貴方はアッシュ達に自分の事を理解を示してもらおうという気持ちを持つことはなく国を抜けた。それは自分の言うことが理に合わないと思ったからでもあるのだろうけれど、貴方がアッシュ達は協力してくれないと理解したというある意味で諦めの証でもある・・・なのに私の問いに貴方が浮かべたのは楽観的な笑顔・・・本来の貴方ならアッシュが頷くのは難しいと知って苦い顔を浮かべるのが自然の筈なのに、貴方は笑顔を浮かべた・・・正直、不自然以外の何物でもなかったわ。まるでそう言ったことは考えてないとばかりのいっそ曇りがないまでの自然な笑みはね・・・」
「っ!?」
ジュディスはそこから顔をルークに向けながら口を開くのだが、悲し気に歪んだ表情から紡がれていった嘘を感じたとする根拠を聞いて一気にルークは息を呑んだ・・・完璧な演技、それもジュディスを気遣って心配させまいとした物が逆に自身の考えを察知されたと知って。









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