想いの交錯にぶつけ合う心

「・・・そう思うと、貴方じゃなかったらルミナシアの『ルーク』という存在は自分の気持ちと立場の板挟みになって潰れていたかもしれないのね」
「多分そうだと思う・・・ただルミナシアの環境ってオールドラントとは大分違うから、絶対にそうなるなんて限らないからなんとも言いようはないけどな(一番俺が変わるきっかけとして可能性として高くて強く効きそうなのは師匠の暴走だけど、それは言わないようにしとこう・・・向こうの師匠がどう動くか分かんないし、余計な疑いをかけて何もなかったらまた迷惑かけたって事になりかねないし・・・)・・・」
「そう・・・」
ジュディスはいつものようにしようとしながらも複雑さを滲ませながら声を上げ、ルークは返答を返す傍らで絶対ではないがそう思った理由は言うまいと内心で考える。ジュディスはその答えに複雑な感情を今度こそ顔に浮かべていた。
「あ~・・・自分で答えといてなんだけど、この事はあんまり深く考えないでくれよ。正直に言ってよかったのか、ちょっと気まずいって言うか何て言うか・・・」
「・・・フフ、ごめんなさい。でもよかったわ、貴方からそういった話を聞けて」
「え?どうしてだ?」
「気にしないでいいわ。それより私達は誰が場に行くかを話しに戻るから、しばらく待っていて。時間になったら呼びに来るから」
「・・・うん、わかった」
ルークはなんとか気にしないようにと苦笑い気味に言うと心を落ち着かせたように笑みを浮かべるジュディスに逆に疑問を覚えるが、気を遣い場を離れるようにすると言い出され追及出来ずに頷く。
「ではそれまでゆっくりしていてください・・・失礼します」
「あぁ・・・」
すずもその言葉に乗り退出をすると頭を下げ、ジュディスと共に退出していく後ろ姿にそっと声を返して見送る。
(・・・行ったか・・・ジュディス達の態度は気になる所だけど、一先ずはアッシュの事の方に考えを移そう・・・二人にはうまくいくって言ったけど、下手に地雷を踏んだら外殻大地に戻ったらすぐに単独行動なんて事になりかねないしな・・・気を引き締めていこう・・・!)
そして誰もいなくなった部屋の中でルークは気持ちを切り替え、決意をともした表情を浮かべ握りこぶしを力強く握る。アッシュを絶対に離脱させない、そのチャンスを逃すまいと・・・


















・・・ルークの決意が固まる中で1時間という時間はあっという間に過ぎていった。まるでルークのアッシュに対してのはやる想いに呼応するかのように。そして時間が来たということで、再びルークのいる部屋にアドリビトムのメンバーが来た。



「・・・この5人で行くのか?」
「しいなはアッシュの道案内に行くってそっちに行ってくれたから、しいなも含めて6人だよ」
「そうか・・・」
それでルークはクレスにユーリにジュディスにスパーダにアニーという組み合わせの5人と対面する形で話をし、しいなはアッシュの方とクレスから聞き真剣に頷く。
「なぁ。ちなみに聞くけどよ、どうやってアッシュを引き留めんだ?あいつの性格を考えるとお前に勝ってもだけど、負けたら負けたで一層テメェとなんか一緒にいられるかって言うのは目に見えてんぞ」
「・・・それはまぁ行きながら話すよ。方法自体は単純だからさ。後は俺が何かそっちに向かって言うと思うから、それに合わせて答えてほしいんだ。そうすればうまくいく可能性がグッと高くなるからさ」
「協力ねぇ・・・そうしてやるからとっとと行こうぜ。じゃないと遅くなればなるだけアッシュがキレちまうだろうしよ」
「あぁ・・・じゃあ行こう、皆」
そこにスパーダからアッシュを引き留める手段について質問が来て、話しながら行くと言いつつ協力を求めるルーク。その声に軽く答えつつ行くことを切り出せばルークは頷き、一同はアッシュの来る場へと歩き出す・・・









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