想いの交錯にぶつけ合う心

「ま、まぁまぁ旦那・・・もうそこらへんにしとこう。向こうとの繋がりがないと困るってのは分かったからさ」
「・・・そうですね、そうしましょうか」
ガイがそんな空気を変えようとなだめの言葉をかけ、ジェイドは言いたいことはまだあるといった様子で了承を返す。
「・・・どうしたのですか、この空気は・・・?」
「あっ、ナタリア・・・ってうわっ、ナタリアも人の事言えないじゃん・・・どうしたの・・・?」
そこにナタリアが戻ってきて疑問の声を上げるが、アニスが影の暗く落ちた表情を見て軽く驚きつつ問い返す。
「アッシュと話をしてきたんですが、その・・・俺はキムラスカに帰る気はないって言われて、説得を続けたんですが・・・結局首を縦に振ってはくれず、それで戻ってきたんです・・・」
「あぁ・・・アッシュって頑固そうだもんね~・・・でもそれってルークの事も関係ありますよね、大佐ぁ・・・?」
「・・・おそらくそうでしょう。少なからず関係はしていると思いますよ、あのルークに対する態度を見る限りでは」
ナタリアはそのまま状況説明をしてアニスも納得した上でジェイドに話を振ると、こちらもまた同意を示す。
(・・・いけない、あの人達の事はともかく気を取り直して考え直しましょう・・・アッシュは前のように離れて行動するって思ってるようだけれど、それは正直まずいわね・・・大佐の話だとアッシュはルークに大爆発で体を乗っ取られると思って暴走した節があるって言っていたから、それを避けるためにも一人で行動させないようにしないと・・・じゃないと下手をしたらまたルークがアッシュに乗っ取られてもう戻ってこれないなんて事態にもなりかねない・・・!)
その会話を聞いてティアは考える。以前のように大爆発はさせないようにアッシュを連れていく・・・ルークを生かすにはそれこそ避けてはならない事だと執念めいた想いを浮かべる形で・・・















・・・そんな風に重い気持ちをティアが浮かべつつも、アッシュを除いた面々のいる部屋は終始どんよりとした空気の中で過ごしていたのだがだからこそ知らなかった・・・その影でアッシュの元を訪れていた者がいたことを・・・



「・・・アッシュさんに伝えてきました。ルークさんが貴方と話したいと言っていたから1時間後に場をセッティングするから、誰にも言わず誰も伴わずに来てほしいと。その要望にアッシュさんは了承を返しました。後は1時間後にその場に行くだけです」
「そうか・・・ありがとう、すず」
「いえ、私の役目ですから」
時間は夜になり、ルークに用意された部屋の中でルークはすずとジュディスの二人を前に報告を受けた。アッシュと話し合う・・・もとい、戦う為の場は整ったと。
「それよりいいのかしら?私達の人数制限をかけてしまって」
「アッシュの性格を考えると周りに人がいっぱいいたら臆病者が!とか色々言って場が長引きそうだって言ったろ?それに場に人がいなかったらいなかったでで今の俺らしくないし、俺の考えてる通りにいかなくなる可能性が高いしさ・・・だから場に最低二人は必要なんだけど多い方は最高でも五人か六人までにしてほしいんだよ。それが多分ギリギリでアッシュがスルーする人数だろうしさ」
「そう・・・なら場で自重出来るような人選にするわ。貴方がちゃんと動けるためにもね」
「ありがとう、ジュディス」
ジュディスがそこに人数制限の事について聞くが、ルークからそうするべき理由を改めて聞いて協力を誓う。ルークの目指す展開にするべく。










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