想いの交錯にぶつけ合う心

「・・・あっ、でもどうやって皆はダイクロフトの存在を証明するんだ?ここに来ないと無理だろ?言葉でどう言っても他の人を納得させるなんて・・・」
「それについては先程の話でも出てきたが、地上との行き来を可能にする装置は時間さえあれば自由に設置可能だ。そしていずれは事実を明らかにするために人を招くつもりではあるが・・・ただ、その装置の設置場所の自由さに関してはティア達に言うつもりは今のところない」
「えっ?どうしてなんだ、ユージーン?」
「主な理由としてはこちらを経由すれば世界各地を一瞬で移動出来ると良いように使われるのを避けるためと、ナタリアなどがまどろっこしいと直接バチカルに戻ると言い出すような事態を避けるためだ・・・特に後者に関して言えば事実を知り次第明日の時点でバチカルに戦争を止めに行き、父親に自分が言えば聞いてくれると言ってそのままバチカルへ繋げるように言われかねないからな」
「っ・・・それは確かに考えられるな・・・」
その次にユージーンが装置についてティア達には事実は言わないと告げルークは何故と問うが、その理由を聞かされて否応なしに納得して表情を歪ませる。おそらくどころではなく確実に装置の事実を知ればナタリアは直接バチカルに行こうとするが、そうなればモースの息がかかったキムラスカの軍勢に押さえ込まれ死を強制させられ、もう取り返しのつかない事態になりかねない・・・ルークはそう感じた為に。
「一つ目の方の理由に関しても似たような物だ。その事実を知ればティア達はその事を最大限活用した上で動こうとする可能性が高いが、それが絶対にいい結果だけをもたらすとは限らない上に今のティアは装置を使わせない限り俺達の事を信用しないと言いかねん。ジェイド達に自分と同じ考えにさせようとした上で尚且つ、俺達が協力しなければこちらへの関与は認めないとこちらの立場が下になるのを強いる形でだ・・・そのような事になればいくら俺達でもティアに協力する気にはなれんが、かといってあの様子を見て言葉でどうにか出来ると思えるような状態ではない。だから良いように使われない為にも装置の事は言うつもりはないんだ。今の状態で装置を使わせたなら俺達とロクに会話を交わそうとすることもなく、目的地の場所の事だけ言われかねないんでな」
「っ・・・あぁ、そうだよな・・・あのティアだと皆にそういったことを言わない可能性の方が低いよな。この状況だと・・・」
ユージーンは続けて一つ目の理由についていかに今のティアが特に厄介な上で対処を施さねばならないかと言うと、ルークは弁護の言葉を見つけることが出来ずに視線をさ迷わせながら納得せざるを得なかった。否定しようにも今のティアの事を考えれば否定出来ないと、そう感じた為に。
「だからそういった指摘を避けるためにもって事から僕達はオアシスにいたんだ!ルーク達を待つ形でね!」
「指摘って・・・あぁ、ジェイドとかから場所が限られるなんて嘘なんじゃないかって言われるのを避けるためか?」
「うん、そうだよ!」
更に横からカロルが元気よくオアシスで会ったのも理由があったと言い出し、ルークは思い至った推測を口にすると正解と返される・・・もしクレス達がオアシスで会っておらずアクゼリュスにそのまま現れたなら装置を使って移動したのではないかと、そう言った事を言われないためや証拠を示すために皆はオアシスにあえていたのだと。











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