想いの交錯にぶつけ合う心

「・・・よし、んじゃルークの所に行こうぜ。どうせ今日が過ぎたらあいつと素で話す機会はしばらく無くなりそうだしな」
「あぁ、そうしよう」
そんなクレスにユーリは笑みを浮かべながらルークの所へと提案し、すぐに頷いて一行は一斉にルークのいり場所へと移動していく・・・












・・・そしてティア達が行った方向とは逆に行き、ルークが案内された部屋へと来て扉を開ける。
「秋散雨!」
「っ・・・!」
「ロイドと、ルーク・・・?」
「何だぁ、手合わせしてんのか?」
そして真っ先に目に飛び込んできたのはロイドの連続突きを受けているルークという光景で、ユーリは面白そうに表情を緩める。
「・・・ふっ!」
‘キィンッ’
「やばっ・・・」
「双牙斬!」
「うわぁっ!」
その最中で秋散雨の中の一撃を木刀で滑らせるように受け流したルークに、ロイドは体勢を崩して声を上げるがすかさず双牙斬で切り上げられた事により地面へと倒れこんだ。
「大丈夫か、ロイド?」
「あぁ・・・へへっ、強いなルーク」
「いや、そんなことないって・・・」
「精が出るわね、ルーク」
「おわっ!・・・話は終わったのか、皆?」
「えぇ、そうよ」
ルークはロイドに近付き手を差し出し笑顔を浮かべながら手を握り立ち上がりつつ強いと言われて顔を背けるが、ジュディスが笑みを浮かべ声をかけてきたことにビクッと反応する。
「ま、それはともかくとしてだ・・・ロイドを倒すとは、手加減してたにしてもジュディを倒したってのは本当のようだな」
「いや、あれはジュディスも手加減してたって言ったろ?」
「フフ、私は手加減はしていたけれどロイドはどうかしら?」
「いや、俺もルークが強いって聞いたから真剣勝負のつもりでやったんだけど・・・正直勝てる気がしなかったぜ」
「へぇ・・・んじゃ次は俺の相手を頼めるか?」
「ダメですよユーリさん、ルークさんは今終わったばかりなんですから休憩させてください」
「固いこと言うなよアニー・・・って言いたい所だがまぁそうだな。さっきあったことを話してからでいいか」
「あぁ・・・どっちにしてもやるつもりでいるんだな、ユーリ・・・」
「・・・出来たらその次には僕とも手合わせをお願いしたいな」
「クレスまで!?」
「でひゃひゃ!人気者だね~、ルーク君!」
それからユーリ達と会話を交わしていくルークだが、その環境の在り方に明るく笑うゼロスの言うよう・・・ルークへの強い関心が現れていた。
「・・・あぁもう、手合わせは後でするから話の方に行ってくれよ・・・どういった風になったかをまず聞かないといけないしさ・・・」
「あぁすまない、では話をしよう・・・手合わせは後にしてやれ。今はルークに説明をする事が先だ」
たまらず妙なむず痒さを感じて話をと切り出すルークにユージーンが応えると共に、ユーリ達へと歯止めの言葉をかける。









・・・それで場にいたアドリビトムメンバーによりルークに先程の流れの事が説明された。
「・・・あ~・・・何て言ったらいいんだろうな、これは・・・」
「ちなみに聞くが、お前からしてあちらの面々の反応は想定内の物と言えるか?」
「まぁそれは大体そうかな・・・やっぱりアッシュは制止をかけなかったらそのまま帰ってただろうし、皆もまだそんな全部が全部事実を知らないから留まるのは当然だと思ったしな」
「そうか」
それでルークが表情を複雑そうに表情を歪める中でリオンが問い掛けを向けると、納得はしていると答える。無理はない事だと。







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