焔も想像しなかった行動達

「あっ・・・でもちょっと待ってくれよ、ニアタ。前から気になってたんだけど、いいか?」
『なんだ?』
「このダイクロフトってどうやって浮いてるんだ?外殻大地だって言うんならセフィロトがあって浮いてるって事は分かるんだけど、ここは外殻大地の遥か上にあってプラネットストームの流れの中にないのは前から見てたからそれは違う・・・どうしてこれはこんな形で浮けるんだ?」
『その事か・・・』
そのように何とも言い難い気持ちになっていたルークはふと思い出すようにニアタへと疑問をぶつける、セフィロトにより下から押し上げられている様子のないこのダイクロフトが何故浮けているのかと。
『その疑問に答える前に質問するが、お前は別世界に自分と全く同じ存在がいる事があるというのは分かっているか?』
「え・・・分からないわけないだろ。じゃなかったら俺はルミナシアに行かなかったっていうか行けなかったんだし・・・」
『そうだ。だがそう言った存在はお前やこの世界のティア達、それにカノンノだけではない・・・実はそう言った存在はアドリビトムの面々のほとんどに存在しているのだ。詳しく辿っていくとな』
「え・・・そうなのか?」
『事実だ、それは間違いない。現に私もアドリビトムのメンバーの事を改めて知っていく内にこのダイクロフトと関連するメンバーがいることを確認し、そこからダイクロフトを造る事になったのだ。ダイクロフトはセフィロトに押し上げられる事なく空へと浮かぶ事が出来た、巨大建造物だからだな』
「そうなんだ・・・」
ニアタはその疑問に段階を踏んで答えていき、ダイクロフトと関連するメンバーがいたと聞きルークは途方もない話に自身の事もあって納得する以外にない。
『ただ、だ・・・この事は言っても信じないだろうが、ティア達には言うな。今ティア達にはクレス達がこのダイクロフトについて説明しているが、そちらはあくまでダイクロフトには自分達は昔からいた住民でどういった経緯で造られた物かというのは分からないといったような中身だ。そこでお前がここについて何か言えば余計な追求がこちらに来かねんし、下手をすればこちらを信じることは出来ないからアクゼリュスの住民共々元の場所に戻せと言い出すかもしれないからな』
「あぁ、分かった・・・俺からは何も言わないよ(ジェイド達はともかく・・・ティアは下手すると言いそうだよな、そんな感じの事・・・)」
続けてニアタが事実を言わず知らぬ存ぜぬを通すように願えばルークもすぐに頷く。ティアが激昂するであろう可能性が高いだろうと思った為に。
『とりあえずこのダイクロフトについては軽く説明したが・・・まだ何か聞きたいことはあるか?』
「う~ん・・・んじゃ質問だけど、ここに来る為に何か移動装置みたいなのに乗ってきたけどあれってアクゼリュスに予め設置してたのか?」
『いや、そうではない。あれはこのダイクロフトからどこか設置したい所に自由に設置出来て、同時に撤去も出来る。だからアクゼリュスに設置したあの装置はあくまで住民を助ける為に一時的に設置したもので、もう住民もお前達もいない状態なので撤去しておいた。すぐに、と言うわけではないだろうがもしアクゼリュスが落ちてない事を不審に思ったモースの手の者が来てダイクロフトに来られたなら厄介な事になりかねないのでな』
「そんなことも出来んのか・・・と言うか用心深いな、ニアタ・・・」
『何、もしもの事があってはいけないと思っての事だ』
それでニアタから質問があるかと聞かれてここに来た装置の事についてルークが聞くと、設置も撤去も可能な上で撤去済みとの答えに感心した様子を浮かべる。
「・・・でもそれならこれからティア達に関してはどうするんだ?ティア達が素直に皆に協力するかもだし、どういう風な話をしてるかも気になるんだけど・・・」
それで続けてルークはダイクロフトについてではなくティア達の方へと疑問を浮かべる。どういう風になっているのかと。











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