（あ～・・・すげぇティア対抗心って言うか拒絶したいって気持ち見えるな・・・でも一応ちゃんと了承はしたようだし、これでようやく皆がどうやってここの人を救助したのか知ることが出来るか・・・）
そんな光景を最後にその場に来たルークは見たのだが、何とも言えない気持ちを抱いていた。ティアの意固地さを見ると共にアドリビトムの面々の狙いを知れると、もう何故を通り越してまたかと呆れに近い思いと不安に近い期待に挟まれたが為に。
「そう・・・それではこちらに来てもらえるかしら？」
そしてジュディスがティアの返答を受け先頭を歩き出す姿に、ティアを始めとして一同は再びその後を歩いていく。



「・・・着いたわ」
「・・・っ、何なのこれは・・・？」
それでジュディスが立ち止まったのは街の入口から見て奥の方にあたる街の片隅になるのだが、そこの地面にある物体にティアは目を見開き異様な物を見る目を向ける・・・そこにあったのはいくつかのセフィロトにあった違う場所繋ぎ移動するための譜業の床なのだが、以前のアクゼリュスには明らかにこんなものは存在していなかった。
「ここに乗ってください。そうすれば貴殿方の知りたいことを知ることが出来ますし、教えやすくもなります」
「・・・そこに乗ったらどうなると言うのですか？」
「これは別の場所に繋がっていて、ここに乗ればそこに行くことが出来ますが・・・誰か先に行っていただいてよろしいですか？」
「あぁ、いいぜ」
「・・・っ！・・・いきなり消えた・・・」
ヒューバートがそこに乗るよう促すのだが、ジェイドが疑うような視線を向ける姿にユーリがそこに乗って一同の目を見開かせイオンが驚いた声を上げる。
「さぁどうぞ。一応言っておきますがこれは一方通行ではありませんよ。それでも不安だと言うなら僕が行って戻ってきますが・・・」
「いいえ、いいわ・・・次は私が行かせてもらう・・・！」
「あっ、ティア・・・」
それでヒューバートが安心が欲しいなら自分が行くと言うと、ティアは挑戦的な程にギラついた目を浮かべながらその上に立つ。イオンの何か言いたげな声を聞くことなく。






「・・・はっ！ここは・・・？」
「とりあえずこっちに来いよ、ずっとそこにいたら邪魔になんぜ」
「っ・・・」
・・・そして一瞬した後、ティアは先程のアクゼリュスの光景とは明らかに違う場に来たことに周りを窺うように見渡す。そこは何かセフィロトの中と似たような現在の譜業では再現出来ないような物で囲われた空間にティアからして見えた。
そんな周りの光景に呆然としかけたが近くにいたユーリが声をかけてきたことで、気に入らないと言った目を浮かべながら横に体をどける。



・・・そして数分して、アクゼリュスにいた面子は全員ティア達の元に集まった。
「さて・・・貴方達の言うことに従ってあげたんだからいい加減に教えてもらえないかしら？ここがどこで一体貴方達が何をしてるのかを・・・！」
改めて場が変わったことでティアが挑みかかるようにアドリビトムの面々に問い掛ける。もう待ってなどやらないし騙されるつもりはないと意気込みながら。
「・・・本当だったら少し場所を移してから言いたかった所だけど、今言った方がよさそうだから言わせてもらうよ」



「・・・ここはダイクロフトで、そして僕達はこのダイクロフトの住民さ」



「「「「！？」」」」
・・・だがそこまで敵対心を剥き出しにしてきたティアだけでなく、ルーク達も同じように驚愕に目を見開いた。今いる場所が遠く昔から空に浮かんでいて謎の建造物であるダイクロフトで、そしてその住民とクレスが意を決して言ったのだから。









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