焔も想像しなかった行動達
「・・・どういうことだ、これは・・・!?」
「・・・どうしたの、アッシュ・・・っ、これは・・・どうして、街の中に人がいないの・・・!?」
・・・それで先に坑道から出たアッシュが驚きに声を上げ後ろから来たティアは何事かと思うが、街を見渡しまだちらほらいたはずの住民の姿が無いことに同じように声を上げる。
「・・・貴方達がこの坑道に入ってから私達がここを出るように指示したのよ。もういいってね」
「何だと・・・テメェら、一体何を・・・!」
「ここに神託の盾の手の者が来ていると知って、少々手を打たせてもらった。下手に住民が全くいない状況のまま神託の盾が来れば奴らは妙な手を打ちかねない可能性がある・・・そういった考えがあって見える範囲に何人か住民がいるとそう思わせることで、神託の盾が違和感を覚えないようにとな・・・現にここに戻ってくるまでに見たはずの住民の姿は何処にもなかっただろう」
「「・・・っ!」」
ルーティがその声に理由を話すのだが、すぐさままだ詳しく話せと言わんばかりのアッシュにユージーンがそうした理由を話す。そしてその理由を聞いた時にアッシュとティアもハッとした、ヴァンと対峙する前に入った坑道には確かに人がいたのを確認したのに戻りの時には誰一人存在してなかったことを・・・その辺りはアドリビトムの面々によりアッシュ達が頭に血が上っていたことによる本人の注意散漫だと言えた。
「・・・何故貴殿方がそのような行動を取ったのかを知りたいところですが、今はその事について置いておいて聞きます・・・その住民の皆様はデオ峠の方に向かわれたのですか?」
「・・・その質問についちゃあの人が来てから説明する。あの人も協力者だしな」
「?・・・っ、あの方は確かアクゼリュスの責任者・・・?」
今度はそこに追い付いてきたジェイドが警戒混じりにルーティ達に問い掛けるのだがか、同じようにそこに来たユーリから指を指された先・・・パイロープが街の入口側から現れてきた姿に、意外そうに目を瞬かせる。
「・・・すみません皆さん遅れてしまって・・・ですがもうこれで住民は全員避難し終えました。これも全て皆さんのおかげです・・・ありがとうございます・・・!」
「いえ、気にしないでください」
「え・・・!?」
そのパイロープが一同の目の前に来るなりいきなり頭を下げ真剣に礼を言う姿にクレスは笑顔を浮かべ首を横に振るのだが、ティアはまさかの言葉に愕然と目を見開いた。アドリビトムの面々にアクゼリュスの住民を助けられたと聞き、複雑な想いを抱き。
「・・・とりあえず一度私達を信じて付いてきてもらえないかしら?私達は貴方達に害を加えるつもりはないし、事情を説明するには論より証拠・・・ここの人達がどこに行ったのかを知ってもらうためにもね」
「誰がそんなこと・・・!」
「・・・出来れば私からもお願いします。私達はこの人達に助けられました・・・この人達が疑われたりするようなことは望みませんし、こちらの女の人が言ったように多分言葉で何を言っても信じられないと思います・・・ですから一度だけでも、皆さんを信じてはいただけませんでしょうか・・・?」
「っ・・・!」
ジュディスがそこに真実を知るためにも付いてくるようにと言うとティアは拒否を返そうとしたが、パイロープが真剣にすがるよう懇願する姿にたまらず絶句した。流石にいくらアドリビトムの面々に拒否の感情を持つティアであっても、アクゼリュスの住民であり救助すべき対象でもあるパイロープの言葉は無下には出来なかったようだ。
「・・・分かったわ。特別に一度だけ貴方達の事を信じてあげるわ・・・!」
だからこそティアは極めて不本意そうに仕方なく頷いた。パイロープの事までもを拒否する訳にはいかないために。
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「・・・どうしたの、アッシュ・・・っ、これは・・・どうして、街の中に人がいないの・・・!?」
・・・それで先に坑道から出たアッシュが驚きに声を上げ後ろから来たティアは何事かと思うが、街を見渡しまだちらほらいたはずの住民の姿が無いことに同じように声を上げる。
「・・・貴方達がこの坑道に入ってから私達がここを出るように指示したのよ。もういいってね」
「何だと・・・テメェら、一体何を・・・!」
「ここに神託の盾の手の者が来ていると知って、少々手を打たせてもらった。下手に住民が全くいない状況のまま神託の盾が来れば奴らは妙な手を打ちかねない可能性がある・・・そういった考えがあって見える範囲に何人か住民がいるとそう思わせることで、神託の盾が違和感を覚えないようにとな・・・現にここに戻ってくるまでに見たはずの住民の姿は何処にもなかっただろう」
「「・・・っ!」」
ルーティがその声に理由を話すのだが、すぐさままだ詳しく話せと言わんばかりのアッシュにユージーンがそうした理由を話す。そしてその理由を聞いた時にアッシュとティアもハッとした、ヴァンと対峙する前に入った坑道には確かに人がいたのを確認したのに戻りの時には誰一人存在してなかったことを・・・その辺りはアドリビトムの面々によりアッシュ達が頭に血が上っていたことによる本人の注意散漫だと言えた。
「・・・何故貴殿方がそのような行動を取ったのかを知りたいところですが、今はその事について置いておいて聞きます・・・その住民の皆様はデオ峠の方に向かわれたのですか?」
「・・・その質問についちゃあの人が来てから説明する。あの人も協力者だしな」
「?・・・っ、あの方は確かアクゼリュスの責任者・・・?」
今度はそこに追い付いてきたジェイドが警戒混じりにルーティ達に問い掛けるのだがか、同じようにそこに来たユーリから指を指された先・・・パイロープが街の入口側から現れてきた姿に、意外そうに目を瞬かせる。
「・・・すみません皆さん遅れてしまって・・・ですがもうこれで住民は全員避難し終えました。これも全て皆さんのおかげです・・・ありがとうございます・・・!」
「いえ、気にしないでください」
「え・・・!?」
そのパイロープが一同の目の前に来るなりいきなり頭を下げ真剣に礼を言う姿にクレスは笑顔を浮かべ首を横に振るのだが、ティアはまさかの言葉に愕然と目を見開いた。アドリビトムの面々にアクゼリュスの住民を助けられたと聞き、複雑な想いを抱き。
「・・・とりあえず一度私達を信じて付いてきてもらえないかしら?私達は貴方達に害を加えるつもりはないし、事情を説明するには論より証拠・・・ここの人達がどこに行ったのかを知ってもらうためにもね」
「誰がそんなこと・・・!」
「・・・出来れば私からもお願いします。私達はこの人達に助けられました・・・この人達が疑われたりするようなことは望みませんし、こちらの女の人が言ったように多分言葉で何を言っても信じられないと思います・・・ですから一度だけでも、皆さんを信じてはいただけませんでしょうか・・・?」
「っ・・・!」
ジュディスがそこに真実を知るためにも付いてくるようにと言うとティアは拒否を返そうとしたが、パイロープが真剣にすがるよう懇願する姿にたまらず絶句した。流石にいくらアドリビトムの面々に拒否の感情を持つティアであっても、アクゼリュスの住民であり救助すべき対象でもあるパイロープの言葉は無下には出来なかったようだ。
「・・・分かったわ。特別に一度だけ貴方達の事を信じてあげるわ・・・!」
だからこそティアは極めて不本意そうに仕方なく頷いた。パイロープの事までもを拒否する訳にはいかないために。
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