「ヴァ、ヴァン・・・一体どういう事なんですか・・・何故レプリカルークなどと、ルークの事を・・・！？」
「・・・フッ、言葉通りですよ導師。事実は事実・・・それ以上もそれ以下でもありません」
「ま、まさか・・・」
そんな中でイオンが愕然としながらもレプリカの単語に反応して動揺に声を揺らす姿に、ヴァンは開き直りとも取れる笑みと共に意味深に言葉を交わしてその表情を更に愕然とさせる。
「・・・しかしこのような形で私の計画を台無しにされるとは・・・やはり愚かな者はどこまで行っても愚かと言うことか・・・」
「え・・・し、師匠・・・！？」
そのままヴァンはルークに憎々しげな視線を向けながら剣を抜きつつ近付いていき、ルークは恐る恐ると後ろに下がり距離を取っていく。さりげにルークは手をいつでも剣を抜けるように添えながら。
‘ヒュンッ、カッ！’
「っ・・・なんだこの矢は・・・！？」
（この矢は・・・！）
・・・いつルークにヴァンが斬りかかってもおかしくないそんな一触即発の空気の中で、入口の方から飛んできた矢がヴァンとルークにイオンの間に勢いよく突き刺さった。そこで場にいた三人が共にそちらの方へと振り向くと・・・
「何っ・・・貴様らは・・・！？」
「随分と物々しい空気じゃないかい・・・！」
そこにはアドリビトムの面々がいて、先頭にいたナナリーが上の方から油断なく鋭い視線を向けながらヴァンに弓を構えていた。そんなナナリーにヴァンは視線を外せずにいる中、他の面々は続々と急いでルーク達の前へと走ってくる。
「大丈夫かい？」
「あ・・・あぁ、ってか何が起きてるかよくわかんねぇんだけど・・・いきなり師匠が変なこと言って・・・」
「ま、そのことについちゃ後でゆっくり考えろ・・・とりあえず今は後ろに下がってな」
「あ、あぁ・・・」
それでクレスが気を使った言葉を向けてくるのに対しルークは混乱してると言ったように返し、ユーリがヴァンを警戒心を浮かべながら見据えつつ下がるように言ったことにさりげにイオンの手を引きながら入口側へと下がる。
「・・・一体何だというのだ、これは・・・！？」
「そうね、強いて上げるなら・・・貴方を止めに来たの、私達は。貴方がその胸に抱いている計画ごと・・・ね」
「っ・・・随分と知った口を聞くものだな・・・！」
そんな流れに唐突に起こった出来事の数々に素を出し声を多少荒くするヴァンへジュディスが意味深に漏らすと、普段の態度はどこへやらと苛立ちを浮かべ剣を構える。
「・・・なっ！？」
そこでヴァンとアドリビトムの面々との戦いが始まる・・・かと思いきや、その場に駆け付けて来たティアの声が驚愕の声が辺りに響いた。
「っ、ティア！何故ここに！？」
「・・・俺が連れてきたんだよ！」
「アッシュ！」
「だがこれはどういう事だ！？なんでこの場にこんなに人がいやがる！？これもテメェの差し金か、ヴァン！」
「・・・くっ！」
‘ピュウイッ！’
ヴァンがその声に気付き何故と叫び、アッシュが出てきて叫ぶ。だがアッシュもその状況に理解出来ないと叫び、ヴァンは苦い表情を浮かべ指笛を吹く。
「はっ！」
‘ギャアッ！’
そして以前のようにヴァンの元とアッシュの元に魔物が飛んできたのだが、アッシュの元に来た魔物がアッシュを捕まえる前にナナリーが放った矢がその魔物を貫いた。
「くっ・・・まさかこのような事になるとは・・・！」
「逃げんじゃねぇ、ヴァン！」
「・・・私としても不本意な事態だがここは退かせてもらう、正直こちらも予測していなかった事なのでな・・・ではさらばだ！」
ヴァンはその光景に悔しげに言葉を漏らしアッシュが叫ぶのだが、自分も不本意だと言いつつ魔物に捕まりながらその場から飛び去っていった。








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