焔も想像しなかった行動達

「・・・あっ、でも皆はどこにいることになるんですか?セフィロトの扉近くって分かれ道とかないから、隠れることとか出来ないと思うんですけど・・・」
「そこはその扉の近くに穴を開けて入口を隠し、何もないように見せて待機するようにしているとの事だ。流石に坑道を走って彼らの横を通り抜けてと言うのは時間がかかりすぎるし、下手をすればアッシュや彼らがアドリビトムの皆を不審に思い食い止めようとする可能性も有り得ると話に出たからそうなったよ」
「そうですか・・・でも長い間障気に触れてると皆も障気障害に・・・」
「その点については心配ないさ。対策はちゃんと取ってあるからね・・・あぁ、言い忘れる所だったがこのデオ峠付近は一応リグレットが前に来たということでこちらも警戒しているんだが、神託の盾の事を匂わせ辺りを警戒させていると彼らにも言っておいてくれないか?とは言え彼らも神託の盾の驚異については知っているだろうから、なんなら増援を呼び寄せる準備もしているとも言ってくれると彼らも安心してくれるだろう」
「そう、なんですか・・・分かりました、それは伝えておきます」
ルークはそこでふとどう合流するかと障気への対策が必要と心配するが、ジョニーが迷う様子を見せずに即答する姿に少なからずホッとした様子になる。
「さて、聞きたいことはもう聞き終わったかな?ないならそろそろ彼らも休憩を終えようとするだろうから、この辺りで話を終えようと思うんだが・・・」
「・・・そうですね、そろそろ戻らないと不自然ですから戻ります」
「そうか・・・今の状況じゃ周りに迷惑になるから曲を引けないが、無事に事が済んだら一曲送らせてもらうぜ。ベイビー」
「・・・フフ、お願いします。じゃあ後はここの人をよろしくお願いします」
それでジョニーが話を終わらせるか否かを聞きルークも特にもう話す事もなかった為に頷くが、ギターを鳴らすかのように構えを取り笑顔を浮かべる姿につられて笑ってから頷きルークは場を後にする。












・・・それでルークはティア達の元に戻りジョニーという存在と交わした話の中身を不自然さの見えないように改竄しながら伝えた後、デオ峠を先へと進み何事もなく突破した。その言葉通りリグレットと遭遇する事なく。
(さて・・・リグレットが来なかったから以前よりまだ何も起きてないけど、これからだよな・・・アクゼリュスには流石にアッシュが俺が超振動を使うことを危惧して来るのは間違いないだろうし、その上で俺がレプリカだってアッシュが場に残ったらそれを明かしそうなのは目に見えてるし・・・)
ルークは歩きながらリグレットについての考えから自身に降りかかるアッシュに関連する問題について考えを移す。まず避けられる事ではなさそうな問題に。
(まぁそれに関しちゃ最低限必要な事だからな。アッシュを元の位置に戻すにはアッシュが被験者だって事実がないといけないし・・・ただそれ以降で問題なのは、そっからアッシュを無理にでもこっちに引き留めることとティア達にどう納得してもらった上で一緒に来てもらうかなんだよな・・・アッシュに勝手に行動されちゃ同調フォンスロットを開いちゃいないからどこにいるか間接的にでも把握出来なくなるし、ティア達に関しちゃ俺がレプリカって知ったら今の状況でどういう反応を示すのか見当がつけられなくなるし・・・本当にどうしよう、これ・・・)
だがそれは必要な事と考えるルークにとって最も悩ましい問題はそれからの二つの事柄の方だった・・・その二つはこれからの旅ではルークの中で絶対にやらなければいけないことのために。









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