終わりの始まりは変革に染まる始まり

・・・それで一同は周りにいた人達に話を聞きながらヴァン達の行方を聞いていき、何とか聞けたその場所は以前と同じくセフィロトへの入口がある第14坑道との事であった。






「・・・失礼します」
「っ、神託の盾・・・!?」
「少しお待ちください、我々は和平を邪魔しようとしている神託の盾ではありません。大詠師の指示によりこちらに来ました」
(・・・来たわね)
それで第14坑道に入ってしばらくした後に現れた神託の盾の姿にルーク達は警戒するが、モースの存在を示唆する言葉にそっとティアは目を細める。






・・・その後前のようにティアへと第七譜石の存在について匂わせた神託の盾に付いていったティアだが、流石に二度もいらない時間を食うことはしないと人目のつかない位置に来た時・・・ティアは神託の盾達の首元へと後ろからダガーを投げ付けた。
「ぐぁっ・・・!」
「・・・さて、急ぎましょう。下手に遅れればルークが兄さんに操られてアクゼリュスを落としてしまう・・・」
最期の苦悶の声を上げ倒れ伏す神託の盾達に無感動に視線を一度落とした後、ティアは坑道の奥の方へと視線を向ける。
「おい・・・っ、なんだこの有り様は・・・!?」
「貴方は、アッシュ・・・?」
「っ、待て!今はテメェとくだらねぇ争いをしてる場合じゃねぇ!あの屑は一体どこだ!?」
「屑はって、ルークのこと・・・(これでアッシュとも合流成功ね)?」
そこに急いで走ってきたアッシュが現れその現状に驚愕する中、何も知らないフリで敵対するよう身構えていたティアだが焦りに満ちたその顔に内心では成功だと頬を緩める。
「時間がねぇんだ!早くあの屑の所に案内しやがれ!じゃねぇとこのアクゼリュスが消滅するぞ!」
「何ですって・・・!?」
「危険かどうか分かったんなら早くしやがれ、間に合わなくなるぞ!」
「・・・こっちよ(これで前のようにいかせる事は出来た・・・後はそこから先を少し変えていけばルークも世界も無事に残せるようになるわ。現に私も妙に神託の盾に手こずることもなくアッシュと先へ向かえるようになったのだから・・・)!」
更に矢継ぎ早にと話を進めていくアッシュにティアは一瞬の間に考え頷き走り出すが、それは見せかけであり決断を下す為の物ではなかった。以前と違う流れは既に作られつつあるからイケると、そう自分の中での成功を確信する為の間という意味合いの強い物であった・・・









・・・そしてそのまま走りながら前のように道の途中にいたジェイド達に声をかけつつ、ティア達は先へ進む。それでセフィロトへの道が既に開いていることも確認した上でティアは更にその足を早め、パッセージリングの前に向かう。



「・・・なっ!?」
・・・変えるべき時、待ち望んでいた時が来た。パッセージリングの前でルークを操らんとするヴァンに、その傍らにいるはずのイオンの姿・・・ここで超振動をルークが使うのを阻止する為に。
だがその瞬間が訪れたにも関わらず、先頭を走っていたティアはそこにあった光景に驚愕と混乱が入り交じった表情でたまらず静止してしまった。何故か、と言えば・・・
(なんで、あの人達がルークにイオン様を守るように兄さん達と対峙しているの・・・!?)
・・・全員が全員そこに、というわけではなかったがアドリビトムの面々がいたからだ。それもルーク達を守るかのよう、ヴァンと対峙する形で・・・















・・・崩壊の始まり、それを止めんとする者達



だが細かに求める物は各々で違う



この違いは求める物の変異を招く、望むか望まないかに関わらず・・・



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