終わりの始まりは変革に染まる始まり

「どう言うことだ、一体・・・?」
『そなたの疑問に思っているだろう事に答えるが、同調フォンスロットを開く際に出ていた頭痛は我がどうにか処理しておいた。後何故今このように鮮明に話が出来た上で通信をしてきたのかと言えば、我は今地核にはいないことと伝えねばならぬ事を伝える為だ』
「えっ?今ローレライ地核にいないのか?」
『あぁ。向こうの世界の我の手助けを受けて地核から出ることが出来たのだ。しかし現状で我が地上に姿を現すのは混乱を招く可能性が高いと思い、今はセフィロトを行き来している。その内にそなたがセフィロトにまで来れば我は姿を現すようにする為、今我のいるセフィロトの場所を聞いても意味はないぞ』
「そうなのか・・・」
何故と疑問符を浮かべた声を漏らすルークにローレライはその気持ちを汲んで言葉をかけていき、現状のローレライの事を聞いて納得の声を上げる。
「・・・それで、俺に伝えたい事って何なんだ?」
『何、簡単なことだ。今そなたが口にしていたがヴァンによる暗示・・・それは我が解除しておいた』
「えっ、それ本当か?」
『真だ。我としてもきっかけ次第でルークが暴走してしまう事など望んではおらぬし、万が一の事など起こってはならぬと思ってな。暗示に関しては我が解いておいた。もしもの事はないので存分に腕を振るうといい』
「あぁ、分かった・・・でもなんで今このタイミングなんだ?別に今じゃなくてもよかっただろうし、前の事もあったからなんとなくイメージで言うともうちょいちょくちょく通信してきたイメージあんだけど・・・」
だがまだ伝えたい事を聞いてないとルークが本題について聞くとローレライは暗示についての対策は済んでいると真剣に話すのだが、納得はしたものの更なる疑問をルークは口にする。
『それに関しては我の都合だ。少々やらねばならぬことがあったのであまりそなたに構わぬ事が出来なかったのだ。それに以降もしばらくは我から連絡は出来ん』
「えっ?そんなやることいっぱいあるのか?」
『あぁ・・・これはとても大事な事だ。今しばらく我が手を離せずにいたのはそれの準備があったためである』
「そうなんだ・・・」
その答えにやることがあると真剣に答える声に、ルークもつられて何とも言いがたい声を上げる。ローレライにも事情があることを多大に滲ませていて、それを感じた為に。
『というわけだ・・・今伝えるべき事は伝えた。我はそろそろ通信を切らせてもらうが何か言いたいことはあるか?』
「あっと・・・ローレライは今何をしてるんだ?何かしてるってのは分かるんだけど、それが何かってのは俺は聞いてないんだけど・・・」
『・・・それについてはまた今度にしてくれ、ルーク。これはそなたと直接顔を合わせて話をしなければならないことなのだ』
「えっ・・・俺と顔を合わせてって、何か俺に関係あるのか・・・?」
『それについては肯定するが、中身については今言ったように顔を合わせてだ。今その事を言うわけにはいかないのでな』
「そうか・・・」
そしてローレライが話を終わらせようとする中でルークはローレライが行っていることについて聞くのだが、ルークの事だとまでは言うがそれ以上はと譲らないと示され仕方なさげに諦めの声を上げる。
『済まぬな、ルーク・・・だがこれだけは言わせてくれ。我はそなたの味方だ、今この世界にいるアドリビトムの者達と同じくな。そなたの不利益にならぬよう我は動いている、それは忘れないでくれ・・・ではな』
「あっ、ローレライ・・・ってもう通信切ったのかよ・・・まだ聞きたいことがあったのに・・・」
ローレライもその声に申し訳無さげに味方だと告げるのだが、一方的に言いたいことを言って自らの声に答えたくなった事に何とも言えない声をルークは上げ頭をかく。ローレライなりに色々やっているのは分かるが、まだ分からないことを直に聞きたいと思っていたために。






16/22ページ
スキ