徐々に近付く変革すべき時
「全く、貴様は本当に余計な事ばかりしてくれる・・・前にヴァンを刺した時もそうだ!謡将という立場の人物が刺されたと本人から子細を後で聞いた時にはなんてことをしたのだと思ったぞ!本人の希望とダアトを余計な混乱に陥らせないために箝口令を強いたが、しばらくヴァンが動けないせいでどれだけ業務が滞ったことか!・・・そしてまた立場も状況も弁えず好き勝手に振る舞いおって!貴様を私の元に送り付けてきたカンタビレ同様、つくづく目障りで厄介な事をしてくれるわ!」
「!!」
(・・・そんな・・・モース様は私の事を、そんな風に見ていたの・・・厄介者と・・・!?)
また更に続けざまにグチグチとヴァンを刺した時の事まで引き合いに出すモースに、事ここに来てようやくティアも唖然としながらも理解した。モースが自分の事など信頼していなかったのだと。
・・・しかしモースがティアの事を信頼する理由など元々あるはずもないことをティアは全く考えていなかった。自身は滅私奉公の気概で神託の盾としてローレライ教団に仕えてきたつもりだろうが、モースはそんな下っ端の一兵士の事を目にかけるような人間ではない。単にモースにとって重要なのは預言の為になるかならないかであって、それ以外の事を特に重要視してないのだ。人となりなど預言に比べれば二の次と。
そんなモースが問題ばかりを起こすティアの事を好意的に見ることなど有り得る訳がないし、自分の起こしたことが何一つ誰に迷惑をかけてないなどと思えるようなティアが気付けるはずもない。むしろ自分は誰よりも人としても軍人としても模範的な人間だと思うようなティアなら尚更だ・・・最も、その勘違いも今回こうやってモースの口から出てきた本音によって糺されたわけである。自分がモースに信頼されていると考えていたのが、全く違うということを知らされる形で。
「・・・フン、まぁいい。本来なら貴様は神託の盾より除名して処刑などという処分でも生温いのだが、特別に汚名返上の機会を与えてやる。ありがたく思うのだな」
「・・・え?」
嫌われてるなどという言葉ではすまない程に嫌われてる。そうようやく気付いたティアだが偉そうに物を言いながらも、いきなり怒りを収めたモースに思わず眉を寄せる。
「これは極秘の情報になるのだが、アクゼリュスに第七譜石ではないかと思われる譜石の存在が現れたという。そしてマルクトから貴様が共に来たという和平の使者がアクゼリュスの救援の為に街道を使わせてほしいと申し出てきたらしい・・・そこでだ。今私の手元にはこの譜石があるのだが、ここにはルーク様がアクゼリュスに向かうといった内容が詠まれている。だから私が働きかけルーク様に死霊使い達と共に貴様もアクゼリュスに明日行けるように働きかけてやるから、貴様もその一行に同行して第七譜石を見付けてこい。ただしこれは余計な争いを避けるため、誰にも知られぬよう内密に動け・・・そして第七譜石を見付け持ち帰ってこい。そうすれば今までの貴様の暴挙は全て水に流してやろう・・・出来るな?」
「っ・・・はい、その任務是非達成してきます・・・」
(・・・これは、もう・・・モース様は私を最初からアクゼリュスでルークと同じように死んでもらうために、本心で送り出したとしか・・・思えない・・・っ!)
それでモースは状況説明と共に汚名返上の機会とアクゼリュス行きの事を切り出し、行くかどうかの確認を最後に有無を言わさぬ強い視線を向けティアに投げ掛ける・・・そこでティアは何とか毅然に振る舞おうと了承して頭を返すが、アクゼリュス行きの意味が=自分の死と願われていることに前の経験に今の姿からようやく考え付いた事でその目には涙が浮かんでいた。自分は嘘偽りなど一切なく、見捨てられたのだと。
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「!!」
(・・・そんな・・・モース様は私の事を、そんな風に見ていたの・・・厄介者と・・・!?)
また更に続けざまにグチグチとヴァンを刺した時の事まで引き合いに出すモースに、事ここに来てようやくティアも唖然としながらも理解した。モースが自分の事など信頼していなかったのだと。
・・・しかしモースがティアの事を信頼する理由など元々あるはずもないことをティアは全く考えていなかった。自身は滅私奉公の気概で神託の盾としてローレライ教団に仕えてきたつもりだろうが、モースはそんな下っ端の一兵士の事を目にかけるような人間ではない。単にモースにとって重要なのは預言の為になるかならないかであって、それ以外の事を特に重要視してないのだ。人となりなど預言に比べれば二の次と。
そんなモースが問題ばかりを起こすティアの事を好意的に見ることなど有り得る訳がないし、自分の起こしたことが何一つ誰に迷惑をかけてないなどと思えるようなティアが気付けるはずもない。むしろ自分は誰よりも人としても軍人としても模範的な人間だと思うようなティアなら尚更だ・・・最も、その勘違いも今回こうやってモースの口から出てきた本音によって糺されたわけである。自分がモースに信頼されていると考えていたのが、全く違うということを知らされる形で。
「・・・フン、まぁいい。本来なら貴様は神託の盾より除名して処刑などという処分でも生温いのだが、特別に汚名返上の機会を与えてやる。ありがたく思うのだな」
「・・・え?」
嫌われてるなどという言葉ではすまない程に嫌われてる。そうようやく気付いたティアだが偉そうに物を言いながらも、いきなり怒りを収めたモースに思わず眉を寄せる。
「これは極秘の情報になるのだが、アクゼリュスに第七譜石ではないかと思われる譜石の存在が現れたという。そしてマルクトから貴様が共に来たという和平の使者がアクゼリュスの救援の為に街道を使わせてほしいと申し出てきたらしい・・・そこでだ。今私の手元にはこの譜石があるのだが、ここにはルーク様がアクゼリュスに向かうといった内容が詠まれている。だから私が働きかけルーク様に死霊使い達と共に貴様もアクゼリュスに明日行けるように働きかけてやるから、貴様もその一行に同行して第七譜石を見付けてこい。ただしこれは余計な争いを避けるため、誰にも知られぬよう内密に動け・・・そして第七譜石を見付け持ち帰ってこい。そうすれば今までの貴様の暴挙は全て水に流してやろう・・・出来るな?」
「っ・・・はい、その任務是非達成してきます・・・」
(・・・これは、もう・・・モース様は私を最初からアクゼリュスでルークと同じように死んでもらうために、本心で送り出したとしか・・・思えない・・・っ!)
それでモースは状況説明と共に汚名返上の機会とアクゼリュス行きの事を切り出し、行くかどうかの確認を最後に有無を言わさぬ強い視線を向けティアに投げ掛ける・・・そこでティアは何とか毅然に振る舞おうと了承して頭を返すが、アクゼリュス行きの意味が=自分の死と願われていることに前の経験に今の姿からようやく考え付いた事でその目には涙が浮かんでいた。自分は嘘偽りなど一切なく、見捨てられたのだと。
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