徐々に近付く変革すべき時

「何、そう難しい事ではない。今のアクゼリュスは障気が満ちていて、マルクトが住民の救助の為に和平の使者をキムラスカに出した・・・と言うのがマルクト側の旅の理由だろう。それを利用し、預言保守派が預言通りにアクゼリュスを消滅させるという目論見もでもあるが・・・だからこそ我々が動いているという事を伝えておこうと思ってね。アクゼリュスの住民の救助をしていることを」
「えっ・・・それは本当ですか・・・!?」
「勿論だ。そしてその場にはこちらに来ているアドリビトムのメンバーの残りの面々が向かうことになっている。ロイドにエステル嬢もそこに向かってるのは間違いない」
「っ・・・二人も、ですか・・・」
リーガルは不安要素のある話ではないとアクゼリュスの救助の件について述べると、最初は喜色をルークは浮かべかけたが二人の名を聞き複雑に表情を歪める。会いたくない訳ではないが、ことさらに自分の事を心配してくれそうな二人がいると知り。
「心配はいらない。向こうも君の事を知った上で行動してくれるだろうことや、ゼロスも報告の為に向かっているだろう。何らかのフォローは入れてくれるはずだ」
「う~・・・それならいいんですけど・・・」
「フフ・・・まぁまだ時間はあるんだ、ゆっくりと心の整理をつけるといい」
「はい・・・ってあれ?でもどうやってアクゼリュスに住んでる人達を救助するつもりなんですか?マルクト側の道は全部通れなくなってるし、デオ峠を越えるような事をしたらキムラスカ側っていうかその・・・バレてしまうんじゃないですか・・・?」
リーガルは更に大人の余裕を見せた笑みで諭すように話しかけルークも一度落ち着きかけたが、ふとよぎった不安を言いにくそうに口にする・・・キムラスカ、正確にはモースが感付いたらまずいのではと。
「心配はいらない、そちらについても我々は折り込み済みだ。救助に関してはこちらが滞りなく進める、それは約束しよう」
「・・・それは嬉しいんですけど、一体どうやってアクゼリュスの人達を救助するのかを聞かせてもらえないと・・・」
「安心出来ないのかな?・・・それについてはこちらで独自のルートを用意しているとだけ今は行っておこう。これに関しては自分の目で見て確かめてほしい。少々口で言うには説明が難しくてね」
「・・・分かりました、そうします」
すぐに大丈夫とリーガルが言うが、まだ疑問の尽きないルークは事情の説明を求める。しかし説明よりも目で見てくれと済まなそうに言われ、首を横に振りながらルークも諦めたように了承した。
「君の不安も分かるつもりではある。会ったばかりの私の事を信じるには難しいことも」
「い、いえ!そ、そんなことは・・・」
「いや、いいんだ。だが君も知っているだろう、アドリビトムの皆が信頼出来る事を・・・無理にすぐに私を信じてくれとは言えないが、彼らが動いてるならと思い私の言うことを信じてくれないか?」
「っ・・・はい、分かりました・・・すみません、こんな言葉しか返せなくて・・・」
「いや、構わないさ」
その様子を見てリーガルは真剣に語る、自分は信じずともアドリビトムの認めてほしいと。ルークはその真剣さに頷くのだが、その自身を盛大に気遣ってくれた言葉に甘える以外に出来ない事に苦さを浮かべる。だがリーガルは笑顔で首を横に振った。
「・・・そろそろ戻ろうか。あまり時間をかけて話をしても怪しまれるだろうし、船の用意もそろそろ出来たかもしれないしね」
「・・・はい、そうしましょう」
しかしいつまでもここにいられないと出ることを気持ちを切り替え提案するリーガルに、ルークも頷いてから二人は部屋を後にしていく。









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